アーセナルのドーゴ代表FWエマニュエル・アデバヨール(24)の将来がカンプ・ノウにあるか否か、そのカギを握るのはゼニト所属のロシア代表FWアンドレイ・アルシャビン(27)のようだ。

 ユーロ2008準々決勝、オランダ撃破の立役者アルシャビン。その活躍ぶりは鮮烈な印象を残し、一気に市場価値を上げたと言える。そして、アデバヨールに代わる選手としてアーセナルのベンゲル監督もアルシャビンの獲得を希望しているとのことだ。

 アルシャビン獲得に向けて現金収入が必要となるアーセナルはアデバヨールの売却資金をそれに充てようとしており、3200万ユーロ(約53億円)以下では売らないという考えだが、これに対しバルサが用意している2700万ユーロ(約45億円)。両者の間にはまだかなりの開きがあるが、ある親しいチームメイトには「バルセロナでプレーする自分を想像している」と明かしているなどアデバヨールの気持ちはすっかりバルサにあるため、最終段階に入っている交渉でこの開きをどう埋めていくかが今後のポイントとなるだろう。

 一方、一躍脚光を浴びるようになったアルシャビンだが、ロシアフットボール連盟会長が「アンドレイ(・アルシャビン)の希望はバルサでプレーすること」と明らかにしたように、バルサでのプレーに夢を抱いている一人。バルセロナの地元メディアもここ数日、アルシャビンの話題で盛り上がりを見せているが、グアルディオラ新監督の第一オプションはあくまでもアデバヨール。バルサもさすがにアルシャビン獲得までは手が回らないといったところだろう。

 ロシアのクラック獲得資金のために3000万ユーロ(約50億円)を要求するアーセナル。アデバヨールが欲しいバルサはこの要求を飲むことができるか。今後の両クラブの歩み寄りに注目だ。

(スペイン通信)