鬼束ちひろ

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 昨年5月、前作「育つ雑草」より2年7ヶ月ぶりとなるニューシングル「everyhome」を発表し、本格的に音楽活動を再開した鬼束ちひろ。同年9月に続くシングル「僕等 バラ色の日々」を、翌10月に小林武史をプロデューサーに迎えたアルバム「LAS VEGAS」を発表した彼女が今月26日、東京・Bunkamura オーチャードホールにて4年8ヶ月ぶり一夜限りのプレミアム・コンサート「NINE DIRTS AND SNOW WHITE FLICKERS」を開催した。

 幸運にもプレミアムチケットを手にした2千名の観客の中には、開演前から感極まって涙を流す姿も。鬼束ちひろは、神秘的なドレス姿で登場すると、未発表の新曲「SUNNY ROSE」を幻想的なアカペラで幕を開けた。ピアノと歌のみという最小限の編成で「Cage」、「流星群」、「infection 」、「眩暈」、「everyhome」を立て続けに披露。裸足でステージに立ち、右手にはマイクを、左手は感情の起伏を描くように激しく揺れる。そして魂を振り絞るかのような圧倒的な歌声で、歴代のシングル曲を一気に歌い上げ、鬼気迫るその姿に観客はただ息を飲むしかなかった。

 続いて、イルカの大ヒット曲「なごり雪」と、キャロル・キングの不朽の名作「You've got a friend」のカヴァーをサプライズで披露。その後チェロが加わり、「LAS VEGAS」より「Angelina」と「MAGICAL WORLD」を優しく歌った。さらに弦楽四重奏が加わった終盤では、ライブ初披露となる「僕等 バラ色の日々」、「いい日旅立ち・西へ」、そして微笑みを浮かべながら名曲「Sign」を熱唱。本編最後は、同じくライブ初披露となる「私とワルツを」で締め、一言のMCもなくステージを後にした。

 鳴り止まぬアンコールの拍手に呼ばれ、黒いTシャツとパンツというシンプルなファッションで再び登場。代表曲「月光」を堂々と歌い上げると、「それでは最後の曲です。新曲、聴いてください。『蛍』」と、今夏8月に発売予定となるニューシングル「蛍」(映画「ラストゲーム 最後の早慶戦」主題歌)を初披露した。そして最後はメンバー全員と並んで「礼!」と一声。鬼束ちひろは自ら完全復活を祝福するかのようにVサインを高く突き上げ、デビュー8周年の集大成ともいえる圧巻のステージの幕を閉じた。

鬼束ちひろ - アーティスト情報
映画「ラストゲーム 最後の早慶戦」公式サイト

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