イングランド代表のFWマイケル・オーウェンは、ユーロ2008本大会出場を逃した代表チームが「恐怖心に負けた」とコメント。予選突破を賭けたクロアチア戦で、ミスを恐れた選手が攻めの姿勢を忘れていたと分析した。

 予選最終戦となったクロアチアとの対戦で引き分け以上の結果を出せば本大会出場権を獲得できたイングランド。しかし結果は2-3の敗戦で、1994年ワールドカップ以来となるメジャー大会の予選敗退を喫してしまった。ケガでクロアチア戦を欠場していたオーウェンは、重圧に耐え切れない選手たちがイージーなプレーに終始した結果、逆に自分たちを追い込んでしまったと語っている。

「今回の予選敗退について分析するとすれば、やはり“恐怖心”が大きなファクターだった。“プレッシャー”と言い換えてもいいかもしれない。イングランド代表に対するファンやメディアの要求はとてつもなく高い。選手にとっては、その要求にいかに対応するかが問題になるんだ。クロアチア戦でもプレッシャーから来るミスが多く見受けられた。最高のスポーツマンというのは、プレッシャーに打ち勝つことができるんだ。タイガー・ウッズみたいにね。代表レベルでは、プレーの99%くらいはメンタル面に左右される。恐怖心に負けると、イージーなプレーを選びがちになる。僕らの場合は、前線にロングボールを蹴り込むプレーが増えるんだ。今後はメンタル面の強化についても対応しなければならないだろうね」

 スティーブ・マクラーレン監督の解任にも繋がった今回の予選敗退劇について、選手のメンタル面の弱さを指摘したオーウェン。怪我に苦しむエースストライカーは、「勝てる試合で勝点をしっかりと稼いでいれば、こんなことにはなっていなかった。自業自得だよ。僕の責任も大きい」と苦悩を垣間見せた。プレミアリーグのトッププレーヤーたちが苦しむ恐怖心。“サッカーの母国”を代表するプレッシャーは、想像をはるかに超えた大きさのようだ。