タイガー・ウッズ=ノーバーディのイライラが募るラウンドだった。(写真/田辺安啓=JJ)

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「第5のメジャー」ザ・プレーヤーズの初日、注目のタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンは正反対のスタートを切った。

2連続バーディ発進したミケルソンは6バーディ、1ボギーの5アンダー67をマークし、ローリー・サバティーニとともに首位タイで初日を終えた。「好スタートを切れるかどうかはとても重要」とニコニコ顔で語ったミケルソンは、新コーチのブッチ・ハーモンと取り組んだ練習の成果を尋ねられ、「大きなショットの曲がり具合が減って、ぐっとストレートになった」と、すこぶるご機嫌。かつて「メジャーに勝てそうで勝てない」と呼ばれたミケルソンは、今ではメジャー3勝。しかし、この「第5のメジャー」のタイトルはない。せっかく首位タイスタートを切ったのだから、「第5のメジャーに勝てそうで勝てない男」と呼ばれないよう、明日以降も奮闘してほしいものだ。

一方、メジャー通算12勝を誇り、この「第5のメジャー」のタイトルも01年にしっかり手に入れているタイガーは、散々な第1ラウンドとなった。前半はイーブンパーで切り抜けたものの、後半は3ボギーを喫し、3オーバー75で58位タイと出遅れた。10番からスタートしたタイガーは、折り返し後の4番で初ボギーを叩いた後、6番からはスロープレーの計測が入り、終盤4ホールは文字通りの「大慌てラウンド」。強風の中で風もロクに読まぬまま、さっさとアドレスし、さっさとスウィング。6番ではフェアウエイを外し、グリーンを外し、寄せも寄らずにボギー。8番では3パットでボギーとなった。だが、計測に不平不満をこぼすこともなく、「明日は忍耐とパットが決め手になる」と笑顔さえ見せるあたり、明日以降にまだまだ巻き返せるという王者の自信が伝わってきた。

大改修が行なわれ、新しい姿を現したTPCソーグラス、プレーヤーズスタジアムCの注目ホールは、かの有名な17番パー3。池の中にぽっかり浮かびアイランドグリーンは、右手前のバンカー周辺の形状に若干手が加えられ、その難度を増したが、それに加えて初日は強風が吹きつけ、首位に立ったミケルソンですら「風によってどうにでも左右されるから、クラブ選択はほとんど意味をなさない」と言うほどの難しさ。そのミケルソンは8番アイアンでぎりぎり池を越え、パーを拾ったが、初日は143名中46名が池ポチャという驚きの結果になった。

日本人選手は3名が出場。丸山茂樹は4オーバー76で75位タイ。苦しいラウンドに耐えながらも終盤で惜しいパットを外し、「グリーンはきれいに見えるけど表面はボコボコなんです」と悔しそうに語った今田竜二は5オーバー77で92位タイ。明日は予選通過に挑む。13オーバー85を叩いた初出場の丸山大輔はラウンド後に棄権した。

2日目の注目ポイントは、ミケルソンが首位をキープできるかどうか、タイガーがどこまで巻き返せるかどうか、そして17番で何人が泣きをみるか――に絞られそうだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)