2006年の国内でのコンピューターウイルス感染被害報告数は9万1901件で、前年の件数(4万5208件)に比べ倍増したことがウイルス対策ソフト会社の感染被害年間レポートで明らかにされた。

 昨年の傾向は、悪戯でウイルスを作成し、不特定多数に送る、もしくは多数のユーザーが集まる場所に仕掛けるといった愉快犯から、金銭の詐取や情報の不正取得といった明確な目的を達成するための手段として不正プログラムを利用する職業的な行為に変わったと同レポートは分析している。

 また、昨年はファイル共有ソフト「ウィニー」を悪用するウイルスによる情報流出事件・事故が相次いで報道された結果、ファイル交換ソフトの使用や危険性については注意が喚起されたが、流出事故は後を絶たない。同ソフトを悪用したウィルスは、現在の傾向とは逆に古典的な愉快犯で、インターネットはユーザーの使い方次第で大きな問題につながる危険性があることを示唆した例といえる。

 同レポートは、不正プログラムの目的志向は今後さらに強くなると予測している。新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」が30日に発売されるが、不正プログラムの自動実行などへの対策が進む反面で、ユーザーを欺くための騙しの手口が増えることも懸念されるとしている。【了】

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