子どもの頃から人前に立つことが大好きで、マリリン・モンローに似ていると言われてきたダニカ・ケネディーさん。その後、彼女が「マリリン・モンローを演じる」というキャリアを始めた経緯や、その時どんな風に演じていたか、さらにその経験から見出した人生論などについて、コスモポリタン アメリカ版がインタビュー!

オーディションでは、まず大人数のグループで、みんな同時にマリリンのものまねをさせられました。そしてその場でどんどん人が落とされていくんです。

「大学時代、ネットでバイト探しをしていて、ある時ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが募集していた『マリリン・モンロー キャラクターオーディション』を見つけました。昔からマリリン・モンローに似ていると言われてきたので、この役は自分にピッタリだと思い、好奇心をかき立てられたのを覚えています。映画作品は観たことがありませんでしたが、モデルとしての彼女のファンでしたし、ファッションやお芝居、ダンスが大好きだった私にはもってこいの仕事のように感じました」

「手始めに、私は彼女の出演している映画をすべて観ました。オーディションのプロセスは1カ月ほどかかり、私は毎日黙々とマリリンのものまねに励みました。見た目と立ち振る舞いはすぐにマスターできたのですが、特に話し方を身につけるのが難しかったです。マリリンは、息を吐くようにしながらとにかくゆっくり話すんです。なので、マリリンになり切るコツは、少しボーッとしたような雰囲気を出すことでした。でも本当の私は人一倍せっかちで、落ち着きのない性格なので、ペースを下げるのがすごく難しかったです。マリリンになり切るときは、時々頭の中で数学の問題を解いているかのように、天井を見上げたりしました。

オーディションでは、まず大人数のグループで、みんな同時にマリリンのものまねをさせられました。そしてその場でどんどん人が落とされていくんです。その後声の審査があり、それからウィッグをつける審査も。翌日電話がかかって来て、合格したことを知らされ、そこから私のマリリン・モンローとしてのキャリアが始まりました」

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「そのオーディションに合格したのはわずか2名で、2カ月に渡る"マリリン・ブート・キャンプ"という訓練への参加が許されました。コーチを務めたのは(『シュレック』の)プリンセス・フィオナや、ベティ・ブープ役を演じた経歴を持つ女性で、ものまねの極意を色々と教えてもらいました。

メイクにおいては、マリリンの美しさのシンボルである"ほくろ"を描くのが一番難しかったです。きちんと正しい場所に描けるか、いつも緊張しました。

衣装には、『七年目の浮気』で有名な白いワンピースを着ました。スカートが風に煽られるシーンのために、パンストと補正下着も履きました。そして恐ろしいほど苦しいコルセットも…あれを着けた時は、あまりにきつくて食事することも忘れるほどで、ダイエット効果抜群でしたね。でもいざ外した後は、ファストフードが食べたくて仕方なかったです」

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「初めの頃は、マリリンに変身するのに1時間15分ほどかかりましたが、今では30分くらいで変身できます。

ユニバーサル・スタジオの園内では、様々な人たちと交流して過ごしました。普段はディレクター椅子に座り、お客さんが写真を撮りに来てくれるのを待ちました。また、ダイアモンド・ドールズというグループと一緒に踊るダンスショーにも出演しました。そのショーの最後にプラットフォームに立ち、下から吹く扇風機の風でスカートがはためくのに合わせ『Oops!(あら!)』と言うんです。世界中からやって来る人たちの前で、自分ではない誰かになり切ってパフォーマンスをするのは、本当に楽しかったです」

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「当時、私を含め8人のマリリン役の役者がいたので、時に大混乱が起こりました。女性ばかりというのもあって、色んなトラブルやぶつかり合いもありましたし、それをそっくりな顔をした者同士がやっているもんだから、傍から見たらなんだか滑稽だったかも(笑)。

とはいえ、生涯テーマパークでキャラクター役を務めるつもりはなかったので、ユニバーサル・スタジオでは2年間働いた後に辞めました。当時、テレビ番組の司会をすることにとても興味があったので、次は<TMZ>(アメリカのエンターテインメント番組)で働き始めました。ちょうど同時期に、<Pin Up Girl Clothing>というアパレル会社が私に目をつけてくれました。テレビの仕事の合間にマリリンの格好をした自撮り写真をインスタグラムにあげていたら、それを創設者のミシェリン・ピットさんが見てくれて、『うちでモデルとして働かないか』とオファーを下さったんです」

「マリリンを演じた経験から、私は自分の体やラインをもっと愛することを学びました。昔からずっとモデルの仕事がしたいと思っていましたが、業界が求める"モデル"にしては太り過ぎだし、かといってプラスサイズにも至らないという理由で、落とされ続けてきました。でもこれらの仕事を通して、私には私なりのモデルとしてのスタイルがあるし、それで十分なんだと思えるようになりました。

2年間も自分とは別の人を演じていると、自身の生活の中でもその人のキャラクターが無意識に飛び出してくることがあります。例えば、外で(マリリンが大好きだった)シャンパンを飲んでいると、自分でも気づかないうちにセクシーな声を使い始めたりしちゃうんです。でもその時はマリリンになり切っているわけではないので、すごい違和感があるんですけどね。あと、付き合っていた彼氏に、ベッドの中でマリリンっぽく振舞って欲しいと頼まれたこともありました。そういう時はいつもこう言うんです。『私はマリリンじゃないわ。彼女はもう死んでいるし、私は女優なの』、と」

🌿📷 Photo by @jeni.rogers.photography

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「マリリンのものまねをしていたことで、私自身の性格が何らかの影響を受けたとは思いません。それはもしかしたら、私がそこまで真剣に彼女になり切っていたわけじゃないから…かもしれません。でも、マリリンの人生や彼女の最期について悪く言ったり、彼女をふしだら呼ばわりする人がいたら、マリリンの肩を持っている自分がいます。マリリンを演じさせてもらって、彼女のことをこれまで以上に尊敬するようになりましたから。誰だって人生紆余曲折あります。彼女の人生のストーリーは確かに悲劇的でありますが、同時にとても共感できるんです」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US