3連休明けの26日。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の最終回が放送されました。
12月31日で解散するSMAP。かつての名場面が淡々と映し出される5時間の特番の中、ラストでは5人が揃って「世界に一つだけの花」を歌いました。

「SMAP解散?」という文字がfacebookやTwitterのタイムラインに続々と流れ始めたのは、今年の1月13日の明け方でした。そして、朝になってスポーツ新聞が報じ、所属事務所から「協議・交渉は事実」という発表が。さらに、18日の『SMAP×SMAP』の冒頭に5人が生出演。解散はなくなったのか、どうなのか、よくわからなくてもやもやしながらも、「解散しないってことだよね?」と無理やり納得していたような気がします。

しかし、8月14日。所属事務所から、5人のメッセージとともにSMAP解散が正式に発表されました。引退するわけじゃないし、それぞれが様々な分野で活躍しているんだから、とわかっている一方で、「もう、5人で揃って歌う姿は見られなくなってしまうんだ」と思うとショックで、壮絶に寂しかった。

でも、今回、スマスマで歌う5人を見て、私は本当にこれを見たかったんだろうかと、もやもやしてしまいました。
確かに、もう二度と5人で揃って歌う姿が見られなくなると思って寂しかった。でも、だからといって、5人で揃って歌う姿が見られたから嬉しい、というわけにはいかなかった。むしろ、なんだかさらに寂しくなってしまったのです。

これは、“彼氏から別れを切り出されたときの往生際の悪い女の末路”に似ています。
SMAP解散を聞いた時には、もう相手から終わりだって言われているのに、別れないで、別れたくないとごねる女そのものだったし、せめて紅白歌合戦には出てほしいと願う気持ちは、“最後にいい思い出をつくりたいからデートして”とすがる女のよう。でも、根負けしてデートしてもらったところで、そんなの“いい思い出”になるわけない。だってそこに気持ちはないんだもの。やり直せるわけじゃない。終わりのために一緒に過ごす時間はとても辛いものです。「世界に一つだけの花」を歌っている5人にも、そこに「終わり」が見えていて、それをカウントダウンしている気がしたから、よけいに寂しくなってしまったのでしょう。

ひとつの時代が終わってしまうこと、当然ずっとあると思っていたものがなくなってしまうこと。これはもう、どうしたって変えられないもので、それがずっしりと重い。涙をこらえながら歌って、深々と頭をさげ続けた5人。「世界に一つだけの花」はとてもいい歌だと思うけど、これからこの歌を聞くたびに、このシーンを思い出してしまうのだろうと思います。今は、そう考えるだけで、胃がギュッとなります。でも、いつか、このラストを“いい思い出”と思える日が来るのだということも知っています。フラれた男との最後のデートのように。何十年か先、振り返るときの思い出は、ひとつでも多いほうがいいのです。お疲れ様でした、ありがとう! 私も頑張るからあなたもね! とはまだ言えないけれど、いつかきっと。

番組中に流れたソフトバンクのCMは最高でした。SMAPのメンバーのあの笑顔、あの仲良しそうな雰囲気、あのパワフルではつらつとした感じ。あれこそが、私たちがずっと見ていたかったSMAPの姿だったのではと思います。1分間に凝縮されたSMAPの軌跡。しばらくはこれを宝に生きていこう。そして、スマスマがなければ、このCMはなかった、と思うと、スマスマそのものにも感謝です。

あれから僕たちは何かを信じてこれたかな。今年ほどこのフレーズが頭を巡った年はない、と何年後、何十年後かに思うのだろう。

「ちょっと生前葬みたいで、見てられなかった」「壁ドンはキムタクの”俺じゃダメか”から始まったと思っている」「ナンバーワンよりオンリーワンなんていう概念がこれほど受け入れられたのはまちがいなくSMAPのおかげ」。その2では、SMAPとともに時代を生きてきた女性たちに、あずき総研が聞いた「スマスマを経て、私が思うSMAPの功績」について紹介します。