あり?なし?ビジネスの場での「挨拶のキス」

写真拡大

仕事でヨーロッパ系の人に会ったとき、ほほにキスをされて戸惑った経験はありませんか?ビジネス上でのキスは常識なのでしょうか?

これ、実はヨーロッパの人々の間でもしばしば議論になる問題のようです。イギリスで活躍する女性投資家のデール・ミュレーさんは、「常に握手だけを心がける」ことにしたと言います。

彼女によれば、長い付き合いの友達や、仕事相手なら、ほほにキスをしたり、頬を寄せてエア・キスをするのは自然なこと。でもフォーマルの場で、初対面の相手とキスをして照れくさい思いをするのは変だといいます。男性同士ではキスの挨拶をしないのに、男女の時だけそうした風習があるのは、平等じゃないと感じているようです。

しかし、キスを好む男性が多いのは確か。ジャーナリストのエマ・シンクレア女史は、知人の40代のビジネスマンが「キスをするかどうかは相手への興味の度合いによる。握手は興味ゼロって意味だよ」と話していたと言います。

また、ドイツの銀行のシニアディレクターは、「ヘッジファンドの年齢の高いヨーロッパ人は、3回キスをするのが普通。北欧では2回。イギリスとドイツでも、2回が公式、それも握手の後にするのが良いとされているようです」と証言しています。

とはいえキスには抵抗ある、というあなたもご安心ください。イギリスのマナーの虎の巻『A-Z Modern Manners』(2008、Debrett’s)には、「公共の場でのキスは、非常に近い、または関係の長い顧客や仕事相手に限られるべきである」と定められています。

イギリスにおいては、キスをしなくても失礼にはあたらないようですね。

ただ、ヨーロッパと一口に言っても、国によっても文化が違う事実も。エマ氏によれば、ヨーロッパでも南の人やラテンアメリカの人が相手の場合、2度目の会合で握手だけだとしたら、心からの信頼関係は築けていないということなのだそう。

相手が求めてきたら、快く受け入れる心構えは必要かもしれません。

ビジネスでのキスといえば、2012年にオバマ大統領がミャンマーを訪問した際、スー・チーさんと抱擁を交わし、ほほに熱いキスをしたことが話題になりました。「感動した」という声も多かった半面、彼女がややぎこちない反応を見せたことを受け、「アジアの女性にキスをするのはどうか」といった批判があったことも事実。

アジア人がキス慣れしていないことは、彼らも承知の上なのです。

ビジネスの場では、慣れないことをするよりも、相手の目を見て固い握手をするのが最良なのかもしれませんね。

参考:Do you shake hands or kiss in a business meeting?
http://www.telegraph.co.uk/women/womens-business/10321448/Do-you-shake-hands-or-kiss-in-a-business-meeting.html