100%バカンス クルージング(1) REPORT 新造船「ロイヤル・プリンセス」就航式典
2013年6月13日、英国・サウサンプトン。プリンセス・クルーズの新造船「ロイヤル・プリンセス」のネーミングセレモニー(命名式)に登場したケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃殿下は「この船をロイヤル・プリンセスと命名します。ロイヤル・プリンセスとこの船で航海するすべての人に神のご加護がありますように」と厳かに宣言された。キャサリン妃がロープをカットすると船体に向けてモエ・エ・シャンドンのネブカドネザルの特大のシャンパンボトルが放たれ、2,000人の大観衆が見守る中、見事な飛沫を上げて叩き割られた。いっせいにブルーとホワイトの紙吹雪が、白い船体と青空をバックにして美しく舞い上げられた。
一週間にわたる一連の就航記念式典のハイライトとなるネーミングセレモニーの歴史的瞬間は、観客の歓声と盛大な拍手とともに感動的に締めくくられた。
"ボトル スマッシュ"も大成功!華々しくデビューを飾る
- 2013年にタイム誌で "世界で最も影響力のある100人"に選ばれたキャサリン妃。英国のファッション・アイコンとしても存在感を高める彼女。ダルメシアン柄のコートをモノトーンコーディネートでまとめてご登場。
クルーズ会社から新しい船が就航するとき、必ず船の命名が行われる。船の命名には何数百もの歴史があり、これまでもさまざまな人々と文化が、船の誕生を祝い、船と乗客・乗組員の幸運と安全を祈願し就航記念の式典を形作ってきた。船の命名の伝統の中で最も重要な要素となるのが、船を命名する名付け親(ゴッドマザー)だ。名付け親は船が存続する限り、船の象徴的な守護者や支援者であり、その船の精神を象徴する存在なのだ。
19世紀半ば以降は、傑出した女性が名付け親としてこの栄誉を受けることが慣例になり、数々のセレブリティやプリンセスたちがその名を連ねてきた。プリンセス・クルーズでは、これまでにウェールズ公妃ダイアナ、オードリー・ヘプバーン、ソフィア・ローレン、マーガレット・サッチャー女史らが名を連ね、今回キャサリン妃がこの素晴らしい女性たちの一員となった。奇しくも、1984年に初代ロイヤル・プリンセスを命名したのが公妃ダイアナという縁でつながり、また現在妊娠中のキャサリン妃は、来月第一子となるベビーを出産予定とのこと。新生ロイヤル・プリンセスの門出は、ゴッドマザーにより世代を越えて受け継がれる命の誕生のタイミングと重なり、より一層華やかでおめでたい話題に恵まれた。
英国ならではのトラッド&モダンなセレブレーション
命名式典は、イギリス海事の伝統的な要素とモダンなセレブレーションスタイルを織り交ぜた内容で執り行われた。まずポーツマス英国海兵隊軍楽隊による演奏やアイルランド近衛連隊第一大隊のバグパイプの演奏と、英国の船舶命名式の伝統に基づいたスタイルで華やかにスタートし、ウィンチェスター司教であるティム・デーキン氏が伝統的な船舶の祝福を行った。続いて、最新船ロイヤル・プリンセスに込められたプリンセスの革新的な精神を反映するようなモダンなパフォーマンスとして、英国ポップシンガーのナターシャ・ベディングフィールドが自身のヒット曲である「Unwritten」を歌い、英国女優で「ロンドン・ウェストエンドのファースト・レディー」として知られるケリー・エリスがオリジナル曲を披露するなどのライブパフォーマンスが催された。また、国際的に有名な打楽器オーケストラのマス・アンサンブルが、弦の長さが300メートルにもおよぶ壮大な楽器「アース・ハープ」を演奏。えもいわれぬ玲瓏な音色が会場を厳かなムードに包みこんだ。エキサイティングな船上のスペシャル・ガラ・パーティに潜入
- 3層まで吹き抜けのアトリウムに集い、ダンスを楽しむ華やかな装いの招待客たち。
世界中から多くのセレブリティが招かれた、命名式前夜に催されたスペシャル・ガラ・パーティ。招待客は、ロイヤル・プリンセスに初めて導入され、プリンセス・クルーズのシェフズ・テーブルの新たなスタンダードとなる「シェフズ・テーブル・ルミエール」とダイニングルーム「アレグロ」にて特別なディナーが振る舞われた後、3層吹き抜けのアトリウムにて催されたシンガーやダンサーによるパフォーマンスを楽しんだ。
この夜のドレスコードは、"ブラック・タイ"。通常のクルージングでも、航海中に船内で船長主催のウェルカム・パーティが開かれ、男性はダークスーツにネクタイ、女性はイブニングドレスなどを着用する。日本ではなかなか着るチャンスのないロングドレスにトライして、思い切りドレスアップして楽しんでみてはいかが? クルージングには、お洒落をし、ファッションについて思いめぐらすようなシーンが満載。パートナーとともに着飾って、女性としての楽しみを満喫したい。
ちなみに本ガラ・パーティはキャサリン妃殿下が支援する3つの慈善事業、イースト・アングリアの子供ホスピス、ウィリアム王子主催の「スキル・フォース」、ヘンリー王子主催の「ウェル・チャイルド」にも貢献している。
3日間のプレビュー・クルーズ後、いよいよ処女航海へ
シャンパンボトルの洗礼も無事に終わり、ネーミングセレモニー閉会後のロイヤル・プリンセスは、正式にプリンセス・クルーズの船隊の一員としてめでたく迎えられた。翌14日からは、クルージングラバーズの一般・招待客を乗せて、処女航海前の2日間のお披露目プレビュー・クルーズのためサウサンプトンの港を離れた。
ロイヤル・プリンセスは、この後6月16日にバルセロナへ向けて出航する処女航海後、夏には地中海とエーゲ海クルーズに就航、秋には東カリブ海クルーズが予定されている。一般的にクルーズ客船は地球の公転に合わせて、クルージングのベストシーズンである夏場の目的地へ就航ルートをたどる。つまり一年中どの季節にも、あなたの知らない世界のどこかで、優雅なバカンスに興じる乗客たちを乗せたクルーズ客船が海を渡っているのだ。
日本人にとってあまり馴染みがないと思われがちなクルージングだが、実はそうではない。2013年4月、横浜港に一隻の豪華客船が停泊していたことをご存じだろうか。これがプリンセス・クルーズが日本発着クルーズとして初就航させたクルーズ客船サン・プリンセスである。そして来年4月からは、日本で建造された客船ダイヤモンド・プリンセスを加えた2隻体制で、半年で計42本の日本発着クルーズを行う予定なのだ。外国客船が日本の港を基点にこれほど多くのクルーズを計画するのは史上初。日本の港から一歩踏み出せば、外国客船の洗練されたサービスが気軽に楽しめる。日本における新しいクルーズ時代の幕開けに、ぜひ乗り遅れることのないように!
(http://www.princesscruises.jp/)
100%バカンス クルージング(2)では、最新船ロイヤル・プリンセスのプレビュー・クルーズを大公開。先進的な設備や機能、そしてリュクスな船内など、覗いてみたいクルージング最新事情をお届け。
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100%バカンス クルージング
>>(1)REPORT 新造船「ロイヤル・プリンセス」就航式典
>>(2)TREND WATCH 最新船ロイヤル・プリンセスの全貌
>>(3)GOURMET&BEAUTY 船上の贅を味わい尽くす
>>(4)ACTIVITY&SPOT アクティブに楽しむ船時間のススメ
>>(5)CONCIERGE 世界三大クルーズ会社 プリンセス・クルーズ
協力:プリンセス・クルーズ 、ロイヤル・プリンセスの概要(日本語) 、内部の様子(CG)(英語)