◆他人を信じない「こじらせ独身」のできあがり

「私も結婚できない30歳になってしまいました。私って何か問題ありますか?」
「初めから疑っていたら、距離は縮まらないですよ。信じてくれる人のために頑張ろうって人はいても、向こうだっていろんな女性と会って比較検討するんだから。自分を棚上げして人の値踏みばかりする人より、一緒の未来を信じてくれそうな女性を選ぶでしょう」
「どうやって信じたらいいんですか。根拠ないですよね」

他人を信じられないという佳代さんの問題点は、根が深いようです。

「相手を信じるのに根拠なんてないよ。安心安全が保障された出会いはないし。でもそもそもなんだけど、独身なのは何かあるって思う人がいたとして勝手に思わせておけばいいんじゃない。具体的に誰の目線を気にしているの?」

◆「昔はこんなタイプじゃなかったのに」と涙目に

「それはそうなんですけど。誰目線って言われると、親とか友達とか同僚かな。母は24歳で結婚してるので『いつ結婚するの?』って聞かれたことあります。友達はどんどん結婚して、子育て中や妊活中の子もいるので、私は高望みしすぎとか思われてそう」
「実際、高望みというか品定めはしすぎているけど、高望みしすぎって思われるのは何が問題なの? あと実際に友達からはそう言われたの?」
「実際に言われたわけじゃないです。けど高望みしすぎって性格に問題ありそうじゃないですか」
「では、高望みしすぎる人は性格に問題があるって、自分ではそう思ってますか?」
「思っているかいないかだとしたら思っているかなぁ」

佳代さんは涙目でした。昔はこんなに人をジャッジするタイプではなく、何も考えずに気軽に連絡先交換したり誘われたら遊びに行ったりする方だったそうです。

◆1年間ほぼ休みなしで、常に3〜5人とデートしていた

佳代さんは独身のまま30代になった焦りと不安から毎月お見合いをこなし、常に仮交際の相手が3〜5人いる状態を1年ぐらい続けていました。

週末はすべてお見合いとデートでつぶれます。さらに美容室に行ったりといったメンテナンスもあるため、リフレッシュらしいことは1年全くやっていません。

期待して会って、でも疑って関係性を縮められない。そんな自分を責める、という負のループでした。

◆「このままだと病むよ」婚活のお休みを勧めた理由

今の仮交際の相手は悪い人ではないけれど、デートの間隔が2〜3週間くらい空くのが気になるそうです。脈アリかどうか相談所に聞いたら「この人は人気だから」と説明されたとか。

「もうその方は断りましょう。今のメンタルで距離が縮まることはないし」
「断っていいんでしょうか。人気あるならもったいないというか……」
「それより、少しペースを落としてもいいから、期間を区切って少し婚活から離れてお休みしよう。疲れていると誰と会っても良くは見えないし、このままだと病むよ。誰かから指摘されたわけでもないのに、30歳独身だから自分に問題があるって思っているんでしょう」
「病んでますよね」

佳代さんは1カ月ほど、婚活から離れることにしました。

婚活を頑張れば頑張るほど、性格が悪くなっていた

性格が悪いから結婚できないというよりも、婚活なんかするから人を条件でジャッジしてどんどん性格が悪くなると思っています。

週5で働き、土日にすべてデートの予定を入れているのは仕事を2つやっているのと同じような状態なのです。デートとはいえ相手は付き合っていない男性なので、到底リラックスはできないのです。

「30代で独身って何か問題があるかもしれない」など、気にしてもしょうがないことが頭から離れず誰も信じられないなら、出会いより休息が必要なのかもしれません。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt