ここだけでしか飲めない生酒も。秋田・酒蔵のスタイリッシュなカフェ【LABO and CAFE YAMAMOTO】

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秋田県の海辺の町で2023年3月、日本酒の蔵元・山本酒造店がスタイリッシュなカフェをオープン。マイクロブリュワリーを備えた「LABO and CAFE YAMAMOTO(ラボ&カフェ ヤマモト)」では、こだわりのコーヒーや東北唯一の常設店としてピエール・エルメ・パリのマカロンを用意。さらに週ごとに仕込んだカフェ限定の生酒を味わえます。

お酒にかかわるスタイリッシュなお店


カフェがあるのは、青森との県境にある海辺の街、八峰町。「山本」や「ど」、「ど辛」などの銘柄で知られる酒蔵「山本酒造店」は、明治34年(1901年)に創業。カフェには秋田杉や十和田石など地元にかかわる素材が使われて、テラス席の先ではお酒の仕込み水にも使われる白神山地の湧き水が水盤を満たしています。



▲カフェはJR五能線「東八森駅」から徒歩3分ほど

お酒を楽しみたい方は列車利用になりますが、五能線は本数が少ないので、前もって時刻表の確認が必須です。秋田駅から向かうなら9時44分発で11時24分着、11時40分発なら13時28分着。帰りは14時12分と15時53分を利用すれば、2時間以上滞在を楽しめます(2024年6月現在)。



▲秋田産の木材をふんだんに使った建物はS字の形をしています



▲木のぬくもりが感じられる店内

どの席からも庭を眺められるように窓も大きくとられています。



▲暖かい季節におすすめのテラス席

米と麹(こうじ)、そして水から作られる日本酒。カフェのまわりには3箇所の水盤が設けられ、そこには仕込み水でも使われる白神山地の湧き水が24時間掛け流されされてます。季節を感じる植物が植えられ、酒造りには欠かせない水を目にしながらひと時を過ごせます。

味と素材にこだわるカフェメニュー


カフェではコーヒーや紅茶はもちろん、日本酒やビール、カクテルなどのドリンク類を提供。特に東北に常設店のないピエール・エルメ・パリのマカロンは、お酒を飲めない方でもスペシャル感を楽しめます。さらに国産の高品質な素材を使うのもカフェのこだわりです。例えば茶葉は有機栽培された京都や鹿児島産などで煎れられます。



▲ピエール・エルメ・パリのマカロン

常に数種類用意されるピエール・エルメ・パリのマカロンにくわえ、山本の酒粕を使ったカフェオリジナルの「シラカミ」も注目です。箱入りのテイクアウト商品もあるので手土産にもおすすめです。

ホットのほうじ茶ラテには、その時々で絵柄がことなる可愛らしいラテアートが入ります。マカロンは山本の酒粕を使った「シラカミ」をチョイス。マカロンの甘さと酒粕の香り、ほうじ茶の香ばしさやキビ糖の優しい甘みを楽しむことができました。



▲「有機ほうじ茶ラテ マカロンセット」

カフェラテには、ピエール・エルメ・パリの定番フレーバー「アンフィニマン ピスターシュ」を選びました。ピスタチオクリームをサクサクした生地でサンド。世界的に知られる味を楽しめます。



▲「カフェラテ マカロンセット」



▲ハンドドリップのコーヒーもおすすめです

ブレンドコーヒーは、山本の酒造りで使われる辛口のセクスィー酵母と香りが華やかなゴージャス酵母の味わいに合わせ、ケニアとグァテマラをブレンドしたフルーティな酸味と爽やかな後味の「セクスィーブレンド」と、エチオピアとコロンビアの華やかな香りとコクの「ゴージャスブレンド」を日替わりで提供。マカロンはショコラアメール(ガナッシュショコラ)を選びました。コーヒーにも酒造りのこだわりを活かす面白い試みです。



▲「ハンドドリップのコーヒー マカロンセット」

ここだけでしか飲めない生酒


「ラボ&カフェ ヤマモト」の名のとおり、カフェには酒造りのラボ(研究室)を併設。ここで造られた3種類のお酒を飲みくらべできるセットが用意され、シリコングラスも1つお土産にいただけます。日本酒ファンには堪らないメニューです。



▲カフェにはお酒を造る研究室を併設

ガラス張りになった醸造室では、常に少量の日本酒を実験的に製造しています。この日は絞ったばかりで醸造途中のお酒はありませんでしたが、運が良ければ酒造りを見られます。こうして造られたお酒の中から、次世代の商品が生まれます。



▲ラボで造られた3種類の生酒をサーバーで提供

ラボで造られたお酒はカフェでしか飲めない味。お酒は3週間から1カ月ほどで入れ替わります。この日は「秋田酒こまち 55% 精米 秋田酵母 No.12」、「秋田酒こまち 50% 精米 こまち R-5 酵母」、「吟の精 55% 精米 AK-1 酵母&こまち R-5 酵母」の3種類。「〜 No.12」は爽やかな甘味。「吟の精〜」はガス感も感じられるジューシーな美味しさでした。



▲ここでしか飲めない「日本酒テイスティングセット」

ふわっと柔らかな生ハムは、原木を注文ごとにスライスして提供。酒造メーカーが提案する味も魅力のひとつです。



▲おつまみにぴったり「生ハム」



▲気に入った生酒をお土産に

日本酒テイスティングセットで提供しているお酒は、量り売りもしています。600ml入るオリジナルのステンレスボトルはボトル代¥3,600とお酒¥2,000。500mlのペットボトルなら容器代不要で¥2,000で購入。お洒落な保冷バックも販売しています。

お土産は山本グッズ


店内にはグッズコーナーも用意。酒蔵で働くスタッフ着るTシャツや、ピュアブラックのグッズなど様々そろい、山本ファンには堪りません。



▲「山本」グッズが豊富



▲LABO and CAFE YAMAMOTOのグッズコーナー

前掛けエプロンやステンレスマグカップ、シリコングラスなど、お洒落なデザインで普段使いにもおすすめです。

さらにこだわる店内の様子


モダンな店内は、建物の設計はもちろん、テーブルやチェアなどにも、酒造りの情熱と同じくこだわった素材やデザインを垣間見ることができます。



▲“おひとりさま” 席も用意

低いガラス窓の外には水盤が広がります。ひとりゆったり過ごしたい方や、稀少価値たっぷりのお酒をしっかりと味わいたい人のためのテーブルです。木樽をモチーフにした椅子には、京都・西陣織の生地が張られ、淡い緑や紫などで白神山地の山並みや里山の風景を表現。テーブルのトップボードには薄緑色が特徴の十和田石が張られます。窓が低く抑えられ、座った時に水盤の風景を楽しめる仕掛けです。



▲子供が遊べるスペースもあります

子連れの方も、カフェやお酒を落ち着いて愉しめるようにキッズスペースを用意。



▲トイレの洗面は秋田杉を使った特注品

秋田杉を使った伝統工芸品「曲げわっぱ」やおひつ造りで知られる秋田県。トイレの洗面もおひつ職人の手によるもの。洗面台にも十和田石を使います。



▲レンタサイクルもあります

カフェではビンテージ風のお洒落な電動アシスト自転車「Buffalos(バッファローズ)」を1時間¥1,000円(免許不要)で借りられます。自転車で5分ほどの場所には白神山地の自然湧水の滝「白瀑(しらたき)」や、“みこしの滝浴び” で知られる白瀑(しらたき)神社があるなど、八峰町の周辺散策にも便利です。

秋田県の過疎の町にあるお洒落なカフェ。デザインは代官山や自由が丘にあってもおかしくないたたずまいで、世界的に有名なピエール・エルメ・パリのマカロンを用意。ここでしか手に入らない生酒を飲めるなど、魅力あふれるお店です。カフェや日本酒がお好きな方は、ぜひ一度訪れてみてくださいね。<text&photo:湯川カオルコ子 予約・問:LABO and CAFE YAMAMOTO https://laboandcafe.yamamoto-brewery.com>