ディアドラのエンリコ・モレッティ・ポレガートCEO

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イタリア発のスポーツブランド「ディアドラ(diadora)」が、2024年春夏シーズンに日本再上陸する。2021年の一時撤退から約3年、リブランディングを経てマス向けのイメージから「プレミアムスポーツブランド」へと舵を切ったディアドラが今、目指すものとは?新たに掲げるブランドイメージや再上陸への思い、今後の営業戦略について、来日したCEOのエンリコ・モレッティ・ポレガート氏に話を聞いた。

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 ディアドラは、1948年、登山靴メーカーとしてイタリアで創業。1988年に日本に初上陸し、テニスをはじめとしたスポーツアイテムを展開していたが、2021年5月に日本の総代理店であったDMRとのライセンス契約終了に伴い、一時撤退していた。近年は、製造拠点を創業地のイタリアに戻し、原点回帰として「MADE IN ITALY」を体現したアイテム展開を拡大。創業75周年を迎えた2023年には、マス向けの低価格帯商品というイメージから、ものづくりと品質を追求し本物の価値を提供する「プレミアムスポーツブランド」へとリブランディングを行った。

 エンリコCEOは、日本への再上陸を決めた理由について「グローバルブランドとして展開を広げる以上、日本市場に参入するのは必要不可欠だと考えています。リブランディングに伴い、より良い商品を届けたいという思いから、再上陸を決めました」と話し、今後の課題については「日本人はディテールへのこだわりが強い傾向にあり、難しいマーケットなため我々にとっては挑戦です。プレミアムスポーツブランドというブランドイメージの確立はもちろん、再生可能素材を使用したアイテム展開といったサスティナビリティへの取り組みについても周知していきたいです」とコメントした。国内市場は群雄割拠ではあるが、競合ブランドとの差別化については「ディアドラのようなスポーツのテクノロジーとイタリアのファッションスタイルを融合したブランドは他にない。その唯一無二のファッション性で差別化を図っていく」とした。イメージしている顧客層は、25歳以上のミレニアル世代で、スポーツ選手とそのファン、スポーツを楽しむ人々。ライフスタイルアパレルとともにスポーツを楽しむファッション感度の高い層をメインターゲットに据える。

 リブランディングに伴い、国内では、ハイエンド商品のみを限定した販路で展開していくことも明かし、「ディアドラが誇る最高のデザイン、最高の素材、最高のテクノロジーを、感度の高い人々の手に届く場所で展開していく」と話した。現時点では具体的な販路については明かされていないが、今後は、スニーカーショップや大手セレクトショップなどでの展開を視野に入れているという。

 展開アイテムは、アイコンスニーカーとして、フィット感や軽量さ、素早いフットワークを追求した「ビーアイコン 2 AG(B.ICON 2 AG)」(2万5000円)や、ディアドラ独自のカーボンテクノロジー「ブルーシールド(BLUSHIELD)」を配した「ブルシールド トルネオ 2 AG(BLUSHIELD TORNEO 2 W AG)」(2万4000円)といったシューズや、ゲームシャツやブラトップ、ジャケットなど、イタリアならではの鮮やかな色彩感覚を取り入れたウェアに加え、ライフスタイルアイテムとして、1990年に開発されたテニスシューズをベースにしたシューズ「B.560」(4万7300円/いずれも税込、予定価格)や、ディアドラのオリジナルロゴを配したスウェットのセットアップといったアパレルコレクションも展開。2024年春夏アイテムは、ディアドラの日本総代理店である「チンクエ・ステッレ(CINQUE STELLE)」の自社ECサイトと、再上陸に伴いディアドラのテニスカテゴリーを独占的に取り扱うnobitelが運営する総合テニス専門サイト「tennis365.net」に加え、百貨店を中心に展開する。

■tennis365.net