「くちゃくちゃ食べ」なぜ? 自分で気づいていないケースも…咀嚼音がでる原因と対策を歯科医が解説
気になる食べ方として指摘されることの多い“くちゃくちゃ食べ”。「子どもの頃、親に注意されて治した」という人もいるのではないでしょうか。一方で、大人になり外食時には気を付けていても、家などリラックスしている時にこの食べ方になってしまう人や、自分が気付いていないだけで、実は音を出してしまっている人もいるようです。そもそも、なぜ “くちゃくちゃ食べ”になるのでしょうか。その原因と対策について、パレスサイドビル歯科・石岡麻美子院長が解説します。
【画像】「くちゃくちゃ食べ」を予防して小顔にもなる「あいうべ体操」の方法
■「もしかして自分も食事中に音を出している?」 口呼吸されている方は要注意!
欧米やヨーロッパなどでは、「くちゃくちゃ」と音を出して食べることは、文化的背景からマナー違反だとされています。日本でも、グローバル化もあり、音を立てない食べ方が主流になってきています(ラーメンや蕎麦は別)。ところが、鼻呼吸がしづらい方、いわゆる口呼吸をされている方は、口を閉じて食べるのが難しく、食べながらでも口で呼吸をします。そうすると、どうしても“くちゃくちゃ食べ”になりがちです。
また、特に問題なのは、自分では全く気付いていないのに、“くちゃくちゃ食べ”になっているケースです。食事中、気付くと口から食べ物が飛び出していることがよくある…。思い当たる人はいませんか。そんな人は要注意です。食べ物がよく飛び出すのは、口の周りの筋肉(口輪筋)や舌の力が弱っている証拠です。鼻呼吸でもこういったタイプの人は、口を閉じて食べていないため、結果、音を出して食べていることも。
では、“くちゃくちゃ食べ”の原因と対策を詳しくみていきましょう。原因は、大きく分けて3つに分類されます。
原因1)口呼吸
子供のころから口で呼吸をすることが習慣化され、大人になっても口呼吸をしている方、慢性的な鼻炎・鼻づまり、鼻の病気により、鼻で呼吸しづらい方です。口呼吸になっているので、唇を閉じたままができにくく、食べながら口でも呼吸するため、食事中に「くちゃくちゃ音」が出ることが多いです。
原因2)習慣と癖
小さい時からの習慣や癖で、音を出して食べることが普通になっている場合があります。また普段はしていなくても、食べ物により、“くちゃくちゃ食べ”になる方もいます。そういった方は、全く自覚がありません。
原因3)口の周りの筋肉・舌の衰え&ガタガタしている歯並び:
口の周りの筋肉(口輪筋)や舌の筋肉が弱っていると、口を閉じで食事することが難しくなります。また、歯並びが悪いとうまく噛めないため、食事中に口が開くことも。これも“くちゃくちゃ食べ”につながります。
■自分で注意すれば治る? “くちゃくちゃ食べ”の対策
続いて、対策についてご紹介します。“くちゃくちゃ食べ”の多くは、自覚し意識するだけで、だいぶ改善されますが、口呼吸や口周りの筋肉が弱っている方、歯並びが悪い方は、それらの対策も合わせてすることが大切です。
対策1)まずは自覚から
「もしかして自分も…」と気になる方は、周りの方に聞いてみましょう。自分では気づきにくいものです。自覚し、毎食自分で気を付けると、時間がかかるかもしれませんが、自然に治ってくる場合も多いです。
対策2)きれいな姿勢で食べる練習をする
日々、テレビをつけてなんとなく食事をしている、片手間に食事をしている、という方は、食事に集中し、きれいな姿勢で食べる、ゆっくり噛んで食べるを意識してみてください。“くちゃくちゃ食べ”をしていても治すことにつながります。
対策3)鼻呼吸を習慣化する
口呼吸は、口周囲の筋肉が弛緩することにより顔の形がかわり、唇の形も変わり、唇が渇きやすくなります。子供のころから口呼吸だと顎の成長にも大きくかかわり、歯並びが悪くなる、と良いことはありません。鼻炎など鼻がもともと悪い方は、鼻の治療をし、今までの口呼吸から鼻呼吸になるように訓練をしましょう。
対策4)口周りの筋肉や舌を鍛える
口呼吸の方、鼻呼吸をしていても口の周りの筋肉(口輪筋)が弱っている方は、口周囲の筋肉を鍛えましょう。代表的な方法に「あいうべ体操」があります。口を大きく開き「あー」、上下の歯を合わせ口を横にしっかり開いて「いー」、口をすぼめしっかり前に出して「うー」、舌をしっかり前に出して「べー」と言う方法です。また、風船を膨らますことも口輪筋を鍛える方法の一つです。
口呼吸の方は、舌の位置にも気を付けましょう。普段何もしていないときの舌の正常な位置は、上の顎の前歯の裏側の歯と歯茎の付け根に舌が当たっていること。口呼吸の方は、舌の先端が下顎の前歯の裏側に触れてしまっています。これを改善する舌のトレーニング方法として、舌回し体操や舌タッピングなどがあります。
舌回し体操は、唇を閉じたまま、舌を唇と上下歯の外側をぐるっとゆっくり1周する体操です。時計回り・逆時計回り、1回20回ほどが目安と言われていますが、1回5回ほどでもかまいません。それを1日3回がお勧めです。舌タッピング(舌をタッタッと鳴らす)も有効です。小さい子どもにも、この舌タッピングは、口の機能の成長過程にはとても重要ですので、お子さんがいらっしゃる方は、お子さんと一緒に遊びながらするのもお勧めです。
対策5)歯並びを治す
歯列矯正をして、上下の歯をしっかり噛めるにすると、口が閉じやすくなります。
いかがでしたか。ぜひ、自分のタイプに合った対策を見つけ、“くちゃくちゃ食べ”の改善に役立ててください。
記事監修/石岡麻美子
皇居に近い立地にある早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の女性院長。パレスサイドビルおよびその周囲で働くビジネスマンの方々の歯の健康維持に尽力している。長崎大学歯学部卒業。中国北京にて4年間駐在経験あり。日本歯科医師免許の他に中国北京外国人歯科医師免許を取得。
■「もしかして自分も食事中に音を出している?」 口呼吸されている方は要注意!
欧米やヨーロッパなどでは、「くちゃくちゃ」と音を出して食べることは、文化的背景からマナー違反だとされています。日本でも、グローバル化もあり、音を立てない食べ方が主流になってきています(ラーメンや蕎麦は別)。ところが、鼻呼吸がしづらい方、いわゆる口呼吸をされている方は、口を閉じて食べるのが難しく、食べながらでも口で呼吸をします。そうすると、どうしても“くちゃくちゃ食べ”になりがちです。
また、特に問題なのは、自分では全く気付いていないのに、“くちゃくちゃ食べ”になっているケースです。食事中、気付くと口から食べ物が飛び出していることがよくある…。思い当たる人はいませんか。そんな人は要注意です。食べ物がよく飛び出すのは、口の周りの筋肉(口輪筋)や舌の力が弱っている証拠です。鼻呼吸でもこういったタイプの人は、口を閉じて食べていないため、結果、音を出して食べていることも。
では、“くちゃくちゃ食べ”の原因と対策を詳しくみていきましょう。原因は、大きく分けて3つに分類されます。
原因1)口呼吸
子供のころから口で呼吸をすることが習慣化され、大人になっても口呼吸をしている方、慢性的な鼻炎・鼻づまり、鼻の病気により、鼻で呼吸しづらい方です。口呼吸になっているので、唇を閉じたままができにくく、食べながら口でも呼吸するため、食事中に「くちゃくちゃ音」が出ることが多いです。
原因2)習慣と癖
小さい時からの習慣や癖で、音を出して食べることが普通になっている場合があります。また普段はしていなくても、食べ物により、“くちゃくちゃ食べ”になる方もいます。そういった方は、全く自覚がありません。
原因3)口の周りの筋肉・舌の衰え&ガタガタしている歯並び:
口の周りの筋肉(口輪筋)や舌の筋肉が弱っていると、口を閉じで食事することが難しくなります。また、歯並びが悪いとうまく噛めないため、食事中に口が開くことも。これも“くちゃくちゃ食べ”につながります。
■自分で注意すれば治る? “くちゃくちゃ食べ”の対策
続いて、対策についてご紹介します。“くちゃくちゃ食べ”の多くは、自覚し意識するだけで、だいぶ改善されますが、口呼吸や口周りの筋肉が弱っている方、歯並びが悪い方は、それらの対策も合わせてすることが大切です。
対策1)まずは自覚から
「もしかして自分も…」と気になる方は、周りの方に聞いてみましょう。自分では気づきにくいものです。自覚し、毎食自分で気を付けると、時間がかかるかもしれませんが、自然に治ってくる場合も多いです。
対策2)きれいな姿勢で食べる練習をする
日々、テレビをつけてなんとなく食事をしている、片手間に食事をしている、という方は、食事に集中し、きれいな姿勢で食べる、ゆっくり噛んで食べるを意識してみてください。“くちゃくちゃ食べ”をしていても治すことにつながります。
対策3)鼻呼吸を習慣化する
口呼吸は、口周囲の筋肉が弛緩することにより顔の形がかわり、唇の形も変わり、唇が渇きやすくなります。子供のころから口呼吸だと顎の成長にも大きくかかわり、歯並びが悪くなる、と良いことはありません。鼻炎など鼻がもともと悪い方は、鼻の治療をし、今までの口呼吸から鼻呼吸になるように訓練をしましょう。
対策4)口周りの筋肉や舌を鍛える
口呼吸の方、鼻呼吸をしていても口の周りの筋肉(口輪筋)が弱っている方は、口周囲の筋肉を鍛えましょう。代表的な方法に「あいうべ体操」があります。口を大きく開き「あー」、上下の歯を合わせ口を横にしっかり開いて「いー」、口をすぼめしっかり前に出して「うー」、舌をしっかり前に出して「べー」と言う方法です。また、風船を膨らますことも口輪筋を鍛える方法の一つです。
口呼吸の方は、舌の位置にも気を付けましょう。普段何もしていないときの舌の正常な位置は、上の顎の前歯の裏側の歯と歯茎の付け根に舌が当たっていること。口呼吸の方は、舌の先端が下顎の前歯の裏側に触れてしまっています。これを改善する舌のトレーニング方法として、舌回し体操や舌タッピングなどがあります。
舌回し体操は、唇を閉じたまま、舌を唇と上下歯の外側をぐるっとゆっくり1周する体操です。時計回り・逆時計回り、1回20回ほどが目安と言われていますが、1回5回ほどでもかまいません。それを1日3回がお勧めです。舌タッピング(舌をタッタッと鳴らす)も有効です。小さい子どもにも、この舌タッピングは、口の機能の成長過程にはとても重要ですので、お子さんがいらっしゃる方は、お子さんと一緒に遊びながらするのもお勧めです。
対策5)歯並びを治す
歯列矯正をして、上下の歯をしっかり噛めるにすると、口が閉じやすくなります。
いかがでしたか。ぜひ、自分のタイプに合った対策を見つけ、“くちゃくちゃ食べ”の改善に役立ててください。
記事監修/石岡麻美子
皇居に近い立地にある早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の女性院長。パレスサイドビルおよびその周囲で働くビジネスマンの方々の歯の健康維持に尽力している。長崎大学歯学部卒業。中国北京にて4年間駐在経験あり。日本歯科医師免許の他に中国北京外国人歯科医師免許を取得。