付き合う前に一線を越えるのはアリ?何回目のデートが正解なのか、男性の本音は…
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「付き合う前に一線を越えても正式な彼女になれる?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:付き合う前に彼の家へ行ってしまった31歳女。この後、どうしたら正式な彼女になれる?
明け方4時。隣にいた美奈が、僕の顔をそっと覗き込んでいるのがわかった。
「寝てるのかな…」
美奈がゴソゴソと起きた音で目が覚めた。でも、僕は起き上がるのが面倒で、寝たふりをする。
ベッドサイドから洋服を拾って着替えた後、美奈が家を出て行こうとした。さすがにそれをそのまま見送るのは申し訳ないと思い、僕は重い腰をあげた。
「あれ?もう帰る?」
「うん。帰る。衛くん、ありがとう」
「こちらこそ。タクシー拾える?大丈夫?」
「大丈夫だよ。大通りまで行けばたくさん通っていると思うし」
本当は下まで送って、タクシーを拾ってあげるのが紳士なのだろうけれど、別に美奈は彼女でもない。だから、そこまでする必要もないかなと思い、僕はとりあえず玄関先まで見送ってから、ドアを閉めた。
「もうひと眠りしよう」
そう思いながら…。
A1:「家が近い」と言っていたし、ただ一緒に飲みたかった。
美奈と出会ったのは知り合いの誕生日会だった。僕と美奈は一番端の席に向かい合って座っており、なんとなく目が合った。
「はじめまして、美奈です」
「はじめまして、衛です」
年齢は、僕と同じか少し下くらいだろう。でも美奈は、すぐにタメ語で話しかけてきた。しかも家も近いらしく、話も盛り上がった。
「え!美奈ちゃん十番に住んでいるんだ。僕は赤羽橋だから近いね」
「そうなんだ!どの辺り?」
「ちょっと三田のほうに行ったところだよ。いつも美奈ちゃんはどの辺りで飲んでいるの?」
「やっぱり十番が多いかな〜」
「そうなるよね。お気に入りのお店とかある?」
家が近いと、誘いやすいし何かと共通の話題も多くなる。だから僕はこの翌日、お礼もかねて「また飲みましょう」とLINEを個別に送った。すると美奈からも返信が来て、何度かやり取りが続いた。
その翌週の金曜の夜。
同期の太郎と、家の近くの『élevé』で食事をしながら飲んでいたところ、ふと美奈のことを思い出した。
「そういえば太郎ちゃん。男二人で飲むのも、あれじゃない?」
太郎は、同期の中でも一番仲が良い男友達だった。僕のいつものテンションに、太郎も何か察したようで笑っている。
「俺はいいけどね〜衛と飲めて。でも何?誰か呼びたい子でもいるの?」
「呼びたい子というか…。近くに住んでいる子がいて。ちょっと連絡してみてもいい?まぁ金曜だし、この時間だから来れないかもだけど」
「うん、もちろんいいけど」
そんなやり取りを経てから美奈に連絡をすると、意外にもすぐに返信が来て、「来る」と言ってくれた。
― え、ラッキー。
単純にそう思った。金曜の夜に、しかも中途半端な時間に急に呼び出して来てくれる子は、ありがたい。
美奈は30分くらいでやってきた。
「お、美奈ちゃん来たね!ごめんね、急に呼び出して」
「ううん。ちょうど飲みたい気分だったから良かった」
「紹介するね。こちら僕の同期の太郎。で、こっちが美奈ちゃん」
お互いを紹介すると、太郎も美奈もすぐに打ち解けてくれた。
「はじめまして。美奈です」
「はじめまして、太郎です。金曜の夜なのにごめんね」
ここから三人で盛り上がり、僕たちはどんどんお酒が進んでいく。
美奈も本当にいい子で、いろいろと気を使いながら太郎と話してくれるのがわかった。
美奈はお酒が結構いける口で、僕たちと同じペースで飲んでいる。少しずつ頬が赤くなっていく彼女を見ながら、僕は太郎に対して同意を求める。
「美奈ちゃん、可愛いしいい子でしょ?太郎もそう思わない?」
「そうだね。本当にいい子だね」
結局この日は24時くらいまで飲んで、お開きとなった。ただ解散間際、僕は美奈の耳元で、そっとささやいた。
「美奈ちゃん、次は二人で会おうね」
A2:手に入ってしまったので、ここから盛り上がることはない。
そして宣言通り、僕たちは次は二人で会うことになった。場所はお互いの家から近く、美味しいと聞いた『ROMANO 麻布十番』にした。
「美奈ちゃん、この前はありがとう」
「こちらこそ!太郎くんもいい人だね」
「でしょ?一番仲の良い同期でさ。またみんなで飲もうよ」
美奈はいつもと同じテンションだったけれど、一応今日は初デートということになる。だからもう少し美奈のことを知ろうと思い、いろいろと質問をしていると、旅行が好きなことがわかった。
「美奈ちゃんって、旅行が好きなんだ!」
「うん。コロナ前はかなり行ってたよ。最近はあまり行けてないけど…」
「どこが好き?」
「海外だと定番だけどハワイかな…。国内だと沖縄とか」
「え!僕も沖縄大好きで」
「本当に?」
沖縄は、何度行っても良いところだ。ご飯も美味しいし、暖かくて気候も良い。個人的に好きで何度か行っているせいか、ごく自然にこんな言葉が口をついていた。
「美奈ちゃんゴルフするんだっけ?」
「うん、するよ。まだまだ下手だけど…」
「じゃあ今度、沖縄にゴルフ旅行しに行かない?」
この時の僕としては、かなり軽い気持ちで言ったつもりだった。社交辞令とまではいかないけれど、話の流れでそうなった…くらいだった。
でも美奈は、かなり前のめりでこの話に食いついてきた。
「え…行きたい!!行こうよ」
「OK。じゃあ決定ね」
このタイミングで、僕はなんとなく悟ってしまった。だから店を出た後、僕は美奈を家に誘ってみる。
「あのさ…良ければ、うちで飲まない?いいワインがあって」
「え…でも……」
ここで断られたら、近くのバーで飲むつもりだった。でも美奈はまた、アッサリとOKを出してきてくれた。
「わかった…何もしないなら、ね」
そして僕の家へ来て、ワインを飲んだものの、結局一線を越えた。いい大人ならば、予想はできたことだろう。
明け方帰っていく美奈に対し、「頑張って追いかけよう」「どうやったらこっちを振り向いてくれるかな…付き合いたい」などという感情は芽生えてはこなかった。
◆
もちろん、例外もある。
でも、男性は基本的に追いかけたい生き物。
だから、金曜の夜に呼び出してホイホイ来てくれたり、ましてや初デートでそういう関係になったりすると、その先に進むことは難しくなると思っていたほうがいいと思う…。
▶【Q】はこちら:正式に付き合う前に彼の家へ行ってしまった…この後どうしたら正式な彼女になれる?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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