デートで“あのメニュー”を頼んだら、彼がマザコンだと発覚…。婚活女がドン引きした理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか？
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「三度目のデートで交わしたキスの後、女から“微妙”と言われた理由は？」という質問。さて、その答えとは？
三度目のデートで大輔の家へ行き、私はキスをしてしまった。
私は帰りのタクシーの中で、雰囲気に呑まれかけていたけれどちゃんとストップした自分を褒めたいと思った。
― あれは…ナシだな。
外見も良くて家柄も良い。性格もいいし、文句のつけどころがない大輔。でも三度ほどデートをして、そして家に行って私は一気に冷めてしまった。
だからこの後、大輔と共通の友人である直幸に、「最近どうなの？」と聞かれた時。素直に「大輔くんとは微妙かも」と答えてしまった。
私が心配性すぎるのかもしれないけれど…。
結婚相手にするなら、一番厄介なタイプの男性だと思い、私は早々に身を引いた。
A1：魚の骨をママが取っていてくれたこと。
大輔と出会ったのは、大学時代からの友人である直幸の紹介だった。彼氏がいなくて「結婚したい！」と散々言っていた私に、大輔を会わせてくれた。
「奈緒は学生時代からモテたんだけど、男運がなくてさ…。で、俺的に友人の独身の中で、一番カッコよくて性格も良くてイイ男は誰かなと思ったときに、真っ先に大輔が浮かんだわけですよ」
事前に直幸から、大輔は長年交際していた彼女と別れたばかりだと聞いていた。
「ちなみに奈緒も、今フリーで。お互い合うんじゃないかなと思って」
直幸はイイ奴なので、彼が紹介してくれる人ならば安心だった。年齢も同じだし、雰囲気も素敵。何より身長も高い。
「直幸がそこまで褒めるって珍しいね。でもわかる。大輔さんカッコいいし、身長も高いし…何センチあるんですか？」
「いやいや、全然カッコ良くないですよ。一応185くらいありますけど…」
そう言いながら笑う大輔の爽やかな笑顔に、思わずキュンときてしまう。
そして直幸のお膳立てもあり、私たちはすぐにデートへ行くことになった。
大輔が予約をしてくれていたのは、代官山にある和食屋さんだった。この食事中に、まず一つの“危険フラグ”が立った。
「奈緒ちゃん食べられないものある？」
「私は何でも大丈夫ですよ！あ、でもせっかくだったら焼き魚が食べたいなぁ」
「OK。じゃあ適当に頼んじゃうね」
ささっとメニューを決めてくれる男気。それはとても良かった。
「改めて、この前はありがとう。直幸と仲良しなんだね」
「こちらこそ！そうですね、直幸はもう10年来の友人なので」
「同じ年なんだし、タメ語でいいよ（笑）」
「そっか！28歳だ！」
何気ない会話もいい雰囲気で、朗らかな大輔と話しているとほっとする。
だがせっかく頼んだ焼き魚を、大輔がまったく手をつけていないことに気がついた。
「奈緒ちゃんってすごく話しやすいね」
「大輔くんこそ…って、あれ？もしかして焼き魚苦手だった？」
そう聞くと、想定外の答えが返ってきた。
「バレた？好きなんだけど、小さい頃から母親が骨を取ってから出してくれていたから、大人になっても骨が苦手なままなんだよね」
― …え？お母さんが、全部骨を取ってくれていたの？
一瞬ゾワっとする。でもきっと、大事に育ててくれたのだろう。だからとりあえず流すことにした。
「そうなの？なんか子どもみたいで可愛いね」
「可愛いって、良い意味なのかなぁ」
「いい意味じゃない？でも大輔くんの場合は、カッコいいけど可愛い要素が入ってるかな」
「よくわからないけど、ありがとう（笑）」
会話は楽しいし、人もいい。だからこの後も二軒目へ行き、それかも頻繁に会うようになった。
こんないい人、滅多にいない。そうわかっていたから…。
A2：本人に自覚のないマザコンだったから。
そして二度目のデートも楽しく終わり、迎えた三度目のデート。そろそろ2人の仲に結論が出る頃だ。
この日は『トラットリア ケ パッキア』から独立したシェフが麻布十番に出した新店、『ピアット ミツ』へ連れて行ってくれた大輔。
気になっていたお店だったので、私は相当舞い上がっていた。
「本当に、大輔くんっていつもお店のチョイスが最高だよね。ここのお店も気になってたし」
「美味しいもの食べるのが好きなんだよね〜。奈緒ちゃんグルメだから、毎回どこへ行こうか考えるのが楽しくて」
「美味しいご飯を、こうやって好きな人と食べられるっていいよね」
九州産豚肉100％のミートボールがクセになる「スパゲットーニ ミートボール」を食べながら、楽しい時間を過ごせていた。
「奈緒ちゃんは、普段料理とかするの？」
「うん、するよ〜。お掃除も結構好きだし」
いつも通り楽しかったけれど、会話にの節々に“おや？”と思うことが徐々に増えていく。
「家庭的な子っていいよね。僕自身、家事が壊滅的にできないから」
「でも大輔くん、一人暮らしだよね？普段どうしてるの？」
「実家が近いから、お世話になってる（笑）」
― 実家に通っているってこと？？
この時はわかっていなかった。けれども彼の家へ行き、すべての謎が解けることになる…。
楽しいディナーを終えて外へ出ると、大輔がそっと手を握ってきた。まだ帰るには早い時間。2人の間に静寂の時間が流れ、大輔から誘ってきてくれた。
「この後、どうしようね…」
「うーん…まだ帰るには早いし」
「良ければ…僕の家来る？あ、でも変な意味じゃなくて！！ワインが家にあるから」
こうして、彼の家へ行くことになった。ただ大輔の家へお邪魔して、私はある違和感を感じる。
「お邪魔します…あれ？意外に綺麗じゃない？」
家事が苦手だと言っていたはずなのに、想像以上に部屋が綺麗だった。でも次の言葉で、テンションが一気に下がった。
「あぁ、母が来ていたのかも」
― ちょっと待って。お母さんが勝手に家に来て、掃除したってこと？
もう28歳にもなる一人暮らしの息子の家の鍵を持っていて、自由に出入りしながら家事をする母親。
これを異常だと思う私は、変なのだろうか？
何より一番怖いのが、大輔自身が“マザコン”という認識がないことだった。
仮に結婚して母親が家に押しかけてきても、自覚がない彼は素直に受け入れるのだろう。
彼と結婚したら、かなり面倒なことは目に見えている。
お酒も入り、キスはしてみたものの、背後に彼のお母さんの影がチラついてしまい、気持ち悪くなってきた。
だから早々にお暇し、私は次の人を探すことにした。
ソフトマザコンは、一番厄介だから。
▶【Q】はこちら：「俺ってまさか、キスが下手…？」家へ来て唇を重ねた途端、女の態度が変わったワケ
▶1話目はこちら：「この男、セコすぎ…！」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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体の関係から先に進まない理由
