「絶対復縁したい!」おまじないに5万円を費やしたところ……

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マッチングアプリ専門家の伊藤早紀です。現在は株式会社Parasolの代表取締役として、マッチングアプリメディアや婚活サービス事業を中心に会社経営もしています。

そんな私ですが、日々、男女の恋愛相談をされる中で、この話題だけは即答で「やめとけ」と返事をします。

それは
「別れた彼女or彼氏と復縁したい」
「恋愛占いに行こうと思っている」
です。

それは、私の大学時代の過去一忘れたいイタい失敗談から来ているので、今日はその話をしたいと思います。

■大好きな先輩にフラれ、ヨリを戻す方法を調べていたら……

「好きな先輩がその大学に行ったから」という理由だけで志望大学を1ランク下げてまで追いかけるほど恋愛ジャンキーだった私は、志望大学に入学したものの、その先輩には彼女がいることを知って入学早々失恋。しかしすぐに別の先輩に一目惚れをしました。

その先輩はフットサルサークルの代表を務めていて、運動嫌いなのに入部したものの、5カ月で振られてしまいます。

諦めきれなかった私は、どうにかして「ヨリを戻せないか」と考えるのですが、メールもあまり返事がないし、別れてすぐサークルも辞めてしまい、学年も違うので大学でも会えません。

彼の近況もわからず、どうしたらいいかわからないまま「ヨリを戻す方法」とググる日々。その時、当時大流行していたmixiで大量の「復縁コミュニティ」を発見したのです。

「今日は一年に一度の復縁の星が近づく日です! 南南東を見ながら、彼のことを考えて祈りましょう!」と、明らかに怪しげな節分イベント的催しの書き込みや、「お祈りのおかげで今日彼から電話がきました!」というような幸せ報告の数々。

今考えたら笑ってしまうようなコミュニティでしたが、元カレと復縁するために藁をもすがる思いでさまざまな復縁コミュニティに所属をしていました。

■復縁コミュニティで「カリスマ復縁まじない師」を発見

その中で、とあるカリスマ復縁まじない師の主催コミュニティを見つけました。そこでは復縁のおまじない袋が売られており、

・復縁のおまじない 1万円
・復縁+魅力アップ 1万5,000円
・復縁+魅力アップ+関係性向上 2万円

などのメニューがあり、血迷った私は依頼することに。

支払いは銀行振り込みで、住所を伝えるとおまじない袋が自宅に郵送されてくるシステム。おまじない袋の中には折り紙で追ったような物が入っていて、まじない師はそれを「だるまさん(仮名)」と呼んでいました。

そのだるまさんを3日間、肌身離さず持ち歩き、3日目にきれいな川に流して浄化する……という、なんとも工数のかかるもの。

当時、アルバイトはしていたものの、収入は月に5万円程度。貧乏学生にとってはかなり高いお買い物でしたが、最初は1番安い1万円のものを頼み、浄化が終わると1万5,000円、さらにもっとと2万円と、月のバイト代丸々、約5万円もの金額を復縁のおまじないに注ぎ込んでしまいました。

3回目のおまじないのとき、プチ事件が起きました。大学に行くときに「だるまさん」を家に置いてきてしまったのです。

まじない師にmixiを通してみると、もらった答えは「あなたがだるまさんの立場だったらどう思いますか? 相手の立場に立って、するべきことをしなさい」と返信が。

家に帰るなり「だるまさんごめんなさい。寂しかったですよね。一生やりません」と誰もいない部屋で小袋に向かって頭を下げる私は、今考えても鳥肌が立つぐらいヤバい女子大生でした。

■イタい恋から得た教訓「復縁に関しては無理なものは無理」

さて、その5万円で復縁ができたのか? ですが、もちろんできていません。でも、この5万円を払う前と後では、ある変化がありました。それは「mixiで彼から足跡がついた」こと。

mixiの足跡1回5万円。コストパー足跡、CPA5万円です。

この1カ月後、別の彼氏ができた私はおまじないのことも元彼のこともすっかり忘れていたのですが、告白しても、距離をおいても、まじないをしても、復縁できないものはできません。

復縁をしたい男女のみなさん、おまじないや高額復縁マニュアルや復縁工作を頼もうとしているみなさん。基本は、好き同士で別れていない限りは諦めて次の恋愛にいったほうが幸せになれますよ。

みなさんの恋愛、応援しています。

(文・伊藤早紀、イラスト・菜々子)