余命3ヵ月の母親…24時間自宅介護で寝れない日々…それでも伝えたいのは「ありがとう」
SNSで自身の経験を漫画にして投稿しているキクチさん。現在インスタで連載中なのが「20代、親を看取る。」だ。31話まで更新されており、父娘で脳腫瘍を患った母を介護する様子を描く。投稿の1つ1つには、「漫画をみて苦しいのは自分だけじゃないと乗りきれました」「自分の境遇と重なり思わずコメントさせて頂きました」など、同じ経験をした人、今している人、介護職の人など様々な読者からのコメントが寄せられている。
【漫画】「お股を見られて母はどんな気持ちだったか」壮絶な自宅介護のリアル、娘による実録漫画
■入院連絡から急展開の余命宣告「家族3人で最期まで一緒に過ごしたい」
キクチさんは独り暮らしをしており、お母さんの入院を知ったのはお父さんから届いたLINE。お母さんへ連絡しても返事がないことを不思議に思っていると、「実は……」と明かされた。
お母さんは乳がんを患っており、治療で通院していた。連絡を受ける前から体調が悪くなっていたそうだが、「心配かけるから言わないで」とお母さんの希望で告げずにいたという。コロナの影響で面会禁止のため、がん封じの有名な神社を訪れ、絵馬やお守りを手紙に添えて送ったそうだが、容態は想像以上に悪化していた。お父さんから「お母さん、全然体が動かせないみたい。寝たきり状態」というLINEが入る。
乳がん治療中だったが、脳へ転移し、左半身が全く動かせず車いすにも乗れない、要介護5(最高度)へなってしまった。主治医からの説明に納得がいかなかったのと、お母さんからの「全然よくならないから他で、スーパードクターを探してほしい」というLINEを受け、セカンドオピニオンを受けられる名医を探すキクチさん親子。1ヵ月先のスーパードクターの予約前にお母さんと思いがけなく面会できたが、4ヵ月ぶりに会ったお母さんは、ベッドで寝たきり、ぼーっと天井を眺める別人のようだった。
その後、セカンドオピニオンでは、病状についてわからなかったことを説明してもらえ、2人の心のモヤモヤは晴れる。そんな中告げられた「余命3ヵ月」の言葉。「入院している時間がもったいない。早く退院して好きなことができるよう後悔ない日々を送ったほうがいい」というドクターの言葉で、お父さんとキクチさんが出した答えは「家族3人で最期まで一緒にいる」だった。
■思い返して漫画に描くのは、つらさよりも「心が温かくなる感覚」
その後、すぐに在宅看護と退院の準備をし、介護福祉士、ケアプランナー、訪問医師や看護師など様々なスタッフのサポートを受けながら自宅での介護がスタートした。介護未経験であるため、ちょっとしたことも漫画に描かれており、共感の声や励ましのコメントが数寄せられていた。
「ご自身のつらい思いを語る方も中にはいて『どうか無理しないで』と思っています。また、介護の内容についてお褒めの言葉をいただくことも多く、それには驚いています。私としては『もっとできたはず!』と思っていたので、そういったコメントにとても救われています」
介護の様子を描く「親の介護始めました」に続きスタートした「20代親を看取る。」では、より詳細に親子3人で毎日を暮らす様子が描かれている。2時間おきに起こされ体力が削がれていったり、お母さんの意向を汲み取れず親子が言い合いになったりと大変なことも多かった。そんな中、マッサージ中にかけてくれた「立派に育ってくれた…自慢の娘」という言葉に涙するキクチさん。
「家族は仲良しではありますが、割とドライな関係だったので、面と向かってお互いに正直な気持ちや感謝を伝えることがありませんでした。しかし最期だからこそ、私からは感謝を伝えることができましたし、母からは愛ある言葉をもらえました。言葉は宝物です」
漫画の連載は現在も続いている。悲しみが癒えぬなか、エピソードを思い出しながら描くのはつらくないのだろうか。
「悲しみのピークは母の脳腫瘍がわかったときで、そのときは毎日泣いていました。ですが、介護〜看取りまでは『やりきるぞ!』とポジティブな気持ちで、『この貴重な経験を記録に残さなきゃ!』という謎の使命感もありました。思い返して描くのは、心が温かくなる感覚があります。懐かしいな〜ありがとうお母さん、という気持ちです」
改めてお母さんへの思いを聞くと、愛情あふれるコメントが返ってきた。
「母は本当に素晴らしい人間でした。優しくて、強くて、美しくて、おしゃれで、リーダーシップもあり、たくさんの人が母を愛していました。母のような人間になりたいと思っていたので、目標となる人が近くにいなくなったのは残念ですが、これまでに母がくれた思いを大事に、思い出しながら生きていきます」なるような漫画を描いていきたい」と語ってくれた。
■入院連絡から急展開の余命宣告「家族3人で最期まで一緒に過ごしたい」
キクチさんは独り暮らしをしており、お母さんの入院を知ったのはお父さんから届いたLINE。お母さんへ連絡しても返事がないことを不思議に思っていると、「実は……」と明かされた。
お母さんは乳がんを患っており、治療で通院していた。連絡を受ける前から体調が悪くなっていたそうだが、「心配かけるから言わないで」とお母さんの希望で告げずにいたという。コロナの影響で面会禁止のため、がん封じの有名な神社を訪れ、絵馬やお守りを手紙に添えて送ったそうだが、容態は想像以上に悪化していた。お父さんから「お母さん、全然体が動かせないみたい。寝たきり状態」というLINEが入る。
乳がん治療中だったが、脳へ転移し、左半身が全く動かせず車いすにも乗れない、要介護5(最高度)へなってしまった。主治医からの説明に納得がいかなかったのと、お母さんからの「全然よくならないから他で、スーパードクターを探してほしい」というLINEを受け、セカンドオピニオンを受けられる名医を探すキクチさん親子。1ヵ月先のスーパードクターの予約前にお母さんと思いがけなく面会できたが、4ヵ月ぶりに会ったお母さんは、ベッドで寝たきり、ぼーっと天井を眺める別人のようだった。
その後、セカンドオピニオンでは、病状についてわからなかったことを説明してもらえ、2人の心のモヤモヤは晴れる。そんな中告げられた「余命3ヵ月」の言葉。「入院している時間がもったいない。早く退院して好きなことができるよう後悔ない日々を送ったほうがいい」というドクターの言葉で、お父さんとキクチさんが出した答えは「家族3人で最期まで一緒にいる」だった。
■思い返して漫画に描くのは、つらさよりも「心が温かくなる感覚」
その後、すぐに在宅看護と退院の準備をし、介護福祉士、ケアプランナー、訪問医師や看護師など様々なスタッフのサポートを受けながら自宅での介護がスタートした。介護未経験であるため、ちょっとしたことも漫画に描かれており、共感の声や励ましのコメントが数寄せられていた。
「ご自身のつらい思いを語る方も中にはいて『どうか無理しないで』と思っています。また、介護の内容についてお褒めの言葉をいただくことも多く、それには驚いています。私としては『もっとできたはず!』と思っていたので、そういったコメントにとても救われています」
介護の様子を描く「親の介護始めました」に続きスタートした「20代親を看取る。」では、より詳細に親子3人で毎日を暮らす様子が描かれている。2時間おきに起こされ体力が削がれていったり、お母さんの意向を汲み取れず親子が言い合いになったりと大変なことも多かった。そんな中、マッサージ中にかけてくれた「立派に育ってくれた…自慢の娘」という言葉に涙するキクチさん。
「家族は仲良しではありますが、割とドライな関係だったので、面と向かってお互いに正直な気持ちや感謝を伝えることがありませんでした。しかし最期だからこそ、私からは感謝を伝えることができましたし、母からは愛ある言葉をもらえました。言葉は宝物です」
漫画の連載は現在も続いている。悲しみが癒えぬなか、エピソードを思い出しながら描くのはつらくないのだろうか。
「悲しみのピークは母の脳腫瘍がわかったときで、そのときは毎日泣いていました。ですが、介護〜看取りまでは『やりきるぞ!』とポジティブな気持ちで、『この貴重な経験を記録に残さなきゃ!』という謎の使命感もありました。思い返して描くのは、心が温かくなる感覚があります。懐かしいな〜ありがとうお母さん、という気持ちです」
改めてお母さんへの思いを聞くと、愛情あふれるコメントが返ってきた。
「母は本当に素晴らしい人間でした。優しくて、強くて、美しくて、おしゃれで、リーダーシップもあり、たくさんの人が母を愛していました。母のような人間になりたいと思っていたので、目標となる人が近くにいなくなったのは残念ですが、これまでに母がくれた思いを大事に、思い出しながら生きていきます」なるような漫画を描いていきたい」と語ってくれた。