【今更聞けない】オンラインだからって油断してない?タクシー、会議室の「上座」って?
社会人として覚えておきたい“席次と上座”。今まできちんと理解せず、なんとなくやり過ごしてきた……なんて人もいるのではないでしょうか。相手に失礼な印象を与えないためにも、今一度正確に把握しておきたいところです。
そこで今回は、マナー・コミュニケーション講師の樋口智香子先生に、席次についてシーン別に教えてもらいました。
会議では出入口・椅子がカギ画像:xiangtao/PIXTA(ピクスタ)--そもそも席順とは何ですか?
ビジネスでいうところの“席次”とは、社内での役職や取引先との関係などによって座る席が決まるという約束事のようなものです。自分よりも相手に、よりいい席に座ってもらうというおもてなしの心に由来しています。
そのため、部屋ごとに決められた上座・下座の位置に沿って、お客様や目上の人には上座に座ってもらいます。
--打ち合わせや会議では、どんな席順のマナーがありますか?
会議室や応接室などの洋室の場合、下記の2つが原則といわれています。
(1)出入り口から最も遠い席が上座、最も近い席が下座
(2)ソファなどの長椅子と1人がけの椅子では長椅子が上座
ただし、議長やファシリテーターなどがいる場合は、この席次にこだわらずともいいでしょう。会議を進行する中心となる人物が中央にくるようにして座れば、参加者は話が聴きやすく会議も円滑に進むはずです。
タクシー内は3つの基準で判断する画像:Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)--タクシーの中では、どんな席順のマナーがありますか?
タクシーなど車での席次は、3つのポイントを基準に考えます。
(1)安全性
万が一、事故などのトラブルがあった場合を想定し、お客様など大切な人にはなるべく安全な席に座ってもらうという視点です。
(2)快適性
大切な人には、乗車中、なるべく快適に過ごしてもらうという配慮から、窮屈な席を避けて座ってもらいます。
(3)右上位という考え方
国際的な儀礼の場では、右側に上位者が位置するという考え方があります。その考えに従ってお客様などには右側に座ってもらいます。
以上、3つのポイントを踏まえ、運転席の後ろが上座、助手席が下座となり、後部座席に3人で座るとき中央は目下の人が座るといいでしょう。
例えば、社長・部長・課長・一般社員の4人で乗る場合、後部座席の運転席後ろに社長、中央に課長、左側に部長、助手席に一般社員が座ります。
--会社の車の場合は、どんな席順のマナーがありますか?
原則タクシーと同じですが、誰が運転するかによって変わります。
例えば、社長自らがハンドルを握るのであれば、その隣は車中で社長との会話を最も必要とする人がいいですよね。
同様に、会社訪問をして取引先のお客様が運転する車に乗せてもらう場合も、お客様への敬意として助手席には社長が座ることをおすすめします。
エレベーター内で気を付けたい2つのポイント画像:foly/PIXTA(ピクスタ)--エレベーターの中では、どんな席順のマナーがありますか?
厳密にいえばエレベーターにも席次はあるのですが、乗車人数や先客の有無などによって変わるので複雑です。そのため、それほどこだわらなくてもいいと思います。
ただし、気をつけるべき点が2つあります。1つ目は、操作盤やドアの開閉ボタンはなるべく自分で操作するということ。相手に手間をかけさせないという配慮です。
もう1つは、乗り降りは相手優先ということです。「お先にどうぞ」の心配りがあるといいかと思います。
--そのほかにも、席順に気を付けるべきシチュエーションはありますか?
席次を覚えるときのポイントは“基本を知りつつも、臨機応変に対応する”ということです。
一般的な席次の決まりを覚えておきつつも、そのときのシチュエーションによって、どうすれば一緒にいる人が快適に過ごしてもらえるかを考えるといいでしょう。
例えば、タクシーに乗車するときです。運転席の後ろが上座とはいえ、乗車後お尻をすって移動しなければならない位置でもありますよね。スカートを穿いた女性には大変かもしれません。
あるいは、目上の人から上座をすすめられた場合、「奥の席に、失礼いたします」「お先に失礼します」など、席次を知っている人ならではのひとことが出るかどうかがポイントだと思います。
いかがでしたか?その都度、柔軟に対応して失礼にならないように、基本を知ることが大事なんですね。今回取り上げた内容をもとに、それぞれのシーンでぜひ活かしてみてください。
【画像・参考】
※foly・xiangtao・Fast&Slow・foly/PIXTA(ピクスタ)
【今更聞けない】オンラインだからって油断してない?タクシー、会議室の「上座」って?はWoman Wellness Onlineで公開された投稿です。
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