【休日に“寝だめ”はNG!?】睡眠専門医が教える、夜更かし・遅起きの弊害
休みの前日についつい夜更かしした結果、朝起きられずせっかくの休みを無駄にしてしまった……なんて経験はありませんか? せっかくなら午前中から活発的に活動して、充実した休日を過ごしたいですよね。
そこで今回は、『青山・表参道 睡眠ストレスクリニック』で院長を務める中村真樹先生に、休日の午前中を充実させる方法を伺いました。
平日と休日で睡眠時間が変化すると「社会的時差ボケ」に?画像:mits/PIXTA(ピクスタ)--休日の朝だけ遅く起きるとどういったデメリットがありますか?
寝ている時間のちょうど真ん中にあたる時間を、一般的に『ミッドポイント』と呼びます。その『ミッドポイント』が、平日と休日でずれてしまうと、体内時計がずれ込んで、『社会的時差ボケ』と呼ばれる状態になるという研究結果があります(※1)。
例えば、平日は0時に寝て、6時に起きる方の場合、3時が『ミッドポイント』となります。しかし、休日は1時に寝て、11時に起きてしまうと『ミッドポイント』が6時になります。そうすると、『ミッドポイント』が3時から6時になり、3時間ずれ込んでしまいますよね。このずれによって“時差ボケ”と同じような状態になることがあります。これが『社会的時差ボケ』という状態です。
寝不足の解消のために、休日に昼ごろまで寝続けてしまうのもおすすめしません。平日に頑張って朝早く起きたとしても、休日に起きていた時刻を過ぎるまで眠気がとれなかったり、早く起きようとしても起きられない状態になることもあります。これだと、平日は眠気で仕事がはかどらず、休日は長寝してしまい、思う存分、休みを満喫できなくなってしまいます。
--とはいうものの平日と同じだけの睡眠では疲れがとれないという方も多いはずです。もう少し長めに寝たい人は、何時間までであれば睡眠時間を伸ばせますか?
睡眠の『ミッドポイント』を2時間以上ずらさないようにすることがおすすめ。つまり、就寝時刻を平日と同じか、平日より早くして、通常起きていた時刻よりも2時間くらい遅く起きる程度なら『ミッドポイント』はあまりズレないので、睡眠リズムに大きな影響はないでしょう。
休日の朝は予定を入れておく画像:Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)--休日を充実させたければ、早起き以外にどういったことが大切でしょうか?
まずは、睡眠負債を蓄積させないことが大切で、そのためにも週末だけでなく、日々の睡眠時間を7時間前後はとれるようにしておくことをおすすめします。そのうえで、週末だからといって夜更かしや深酒は避けましょう。可能な限り休みの前の日は早めの帰宅を心がけ、軽運動やゆっくりと入浴するなどして、リラックスして眠れるようにし、就寝時刻を遅らせないよう気を付けてみてるといいと思います。
--休日の朝に起きたらやったほうがいいことを教えてください。
まずは、寝不足にならない十分な睡眠を取ることが大切だと思います。さらに、午前中から予定を入れておくことをおすすめします。午前中に習い事や買い物など外出する予定を入れたり、資格や趣味の勉強の時間に充ててみてはどうでしょうか? また、平日の午前中ではできないような運動するのもいいでしょう。たとえば、長めのランニングや、朝からテニスなどのスポーツをする習慣もいいですよ。
いかがでしたか? 休日に早起きする習慣をつけて、有意義な休みを過ごしたいですね。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考・画像】
※Fast&Slow・mits・Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)
※1 Chronotype and Social Jetlag: A (Self-) Critical Review. Biology (Basel). 2019 Sep; 8(3): 54.
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