鬼滅からバッハまで、リアルでシュールなおにぎり作品 「握って撮ってすぐ食べる。」儚いアートに魅せられたワケ
立体的なおにぎりアートで様々なモチーフに挑戦し、ツイッターに投稿している“おにぎり劇場”さん。『鬼滅の刃』のキャラクターから、バッハ、アマビエ、河童など、その芸術的な仕上がりには毎回大きな反響が。鮭を持った熊のおにぎりには、「かわいい、食べるのもったいない」「好物の鮭を大事そうに抱えた構図が完璧!」と称賛の声が続々。具材をうまく使ったアート作品のこだわりと、知られざる苦労について聞いた。
【写真】鬼滅の鬼舞辻無惨もおにぎり化! バッハにベートーベン、源頼朝、紫式部…表情がたまらないおにぎりアート集
■キャラ弁からエスカレート 完全趣味で始めたおにぎりアート
――まずは、おにぎり作品を作り始めたきっかけを教えてください。
昔から子どもの遠足のお弁当でキャラ弁を作っていて、それが段々とエスカレートしつつありました。2019年の夏頃におにぎりのコンテストがあることを知り、応募してみたことでおにぎりアートに目覚めたのがきっかけです。
――お仕事というわけではなく、おにぎり作品は趣味ですか?
完全に趣味です。料理関係の仕事ではありません。
――最近では人気の鬼滅キャラのおにぎりも反響がありました。モチーフはどのように決めていらっしゃるのでしょうか?
まずは何よりも、ご飯と具材で再現できそうな色と形を持ち合わせているモチーフを選んでいます。季節柄のものや流行りの中から探したり、インパクトがあるものやかわいさのあるものが好きなので、そのような系統も多いかなと思います。
――おにぎり劇場さんのお気に入り作品は?
「河童」が気に入っています。材料は寿司飯ときゅうりのみ。きゅうりの皮も使って試しに何となく作ってみたら、簡単にぬめっとした河童になったので、わりと好きです。あとは、全身を形にした「メンフクロウ」は、足と枝も違和感なく再現できたのでお気に入りです。
――特に印象に残っている作品があれば教えてください。
「織田信長」は初めて人物を上半身で作ったおにぎりというのと、大葉の色と肩衣の色が合致した爽快感があり、思い出深いおにぎりです。
■おにぎりアートの秘密と苦労「想像したのと違う形に仕上がることがほとんど」
――立体的でリアルな作りが、おにぎり劇場さんのアートの特徴かと思いますが、作るうえでのこだわりは?
完成した画像からはわからないですが、なるべくおにぎりの具を入れるようにしていることです。具を入れることで隙間ができたり、具の水分が滲みだしたりすると、強度が落ち崩れやすくなり難易度も高まります。しかしやはり「おにぎり」といえば、具も楽しみのひとつ。具に辿り着いた時の幸福感も味わいたくて、なるべく具を入れるようにしています。
――なるほど。モチーフを作っていくための具材へのこだわりもありますか?
具材は“ご飯と一緒に食べておいしいもの”から選んでいます。その中からモチーフの色に近いもの、ご飯に貼りつくもの、垂れないもの、滑らないもの、イメージした形に加工できるか等を考え、条件に合えばそれらを使って作成していきます。
――YouTubeで作り方の動画等もアップされています。完成版だけでなく、作業工程が見られるのも魅力ですが、動画をアップしようと思われた理由を伺えますか?
当初は完成したおにぎりを写真に撮って記録として残していましたが、どのように作っているのか、具や材料は何を使っているのか聞かれることがしばしばありました。そこで制作過程を撮影したものを編集して短い動画にすれば説明の手間が省けるし、それもまたひとつの作品として楽しめるのではないかと、手探りで動画作りを始めてみました。場所をとらないおにぎりの作品記録を、こつこつ溜めている感覚です。
――撮影にあたっての苦労はありますか?
撮影しながらの制作はとても気を使いますし、編集作業にはかなりの時間を要しますが、メイキング動画として残ることと、世界中の人に観てもらえる状況になっていることが嬉しくてモチベーションになっています。後から見返しては反省を繰り返す日々ですね。
――おにぎりアートを作る楽しさとは?
三角や俵型などのおにぎりの固定概念を壊して、様々なカタチを作ることにチャレンジしています。想像していたものと違う形に仕上がることがほとんどなのですが、観てくださった方から温かい応援のメッセージをいただくと本当に嬉しく励みになっています。
――では逆に、難しさは?
難しいことだらけです! そもそもご飯がとても崩れやすい素材ですし、それを半立体ではなく立体で表現するのが難しいです。どっしりとした形でないと安定しないのでモチーフ選びから苦戦します。ご飯を握った表面はご飯粒による凸凹。トロっとした素材は凸凹を伝い流れてしまいますので、素材と向き合って仕上げていっています。
■握って見て楽しんだ後はすぐ食べる“儚きアート”
――おにぎりアートの魅力は、どんな部分にあると思われますか?
これまで私は見て感じるアートを作成してきてばかりでしたが、おにぎりアートは見て楽しんだあと食べてしまえるという、もう1つの楽しみ方があると思います。また「おにぎり」という和の食材を堪能できることも、魅力ではないかと考えております。
――おにぎり劇場さんにとって、「おにぎりアート」はどんな存在ですか?
できたおにぎり達はYouTubeやSNS等を通して突然多くの人の目に留まることもあり、いろいろなタイミングで私にハッピーなドキドキと刺激を与え続けてくれる存在です。
――今後作ってみたいモチーフがあれば、教えてください。
今後は日本特有のものを、おにぎりで表現してみたいと考えております。作品は毎回、完成後すぐに「自分で」食べています。完成したらあっという間に作品がその場からなくなってしまう儚いアートなんですよね。物体として残らないものだから、動画に残し記録しているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
【写真】鬼滅の鬼舞辻無惨もおにぎり化! バッハにベートーベン、源頼朝、紫式部…表情がたまらないおにぎりアート集
■キャラ弁からエスカレート 完全趣味で始めたおにぎりアート
昔から子どもの遠足のお弁当でキャラ弁を作っていて、それが段々とエスカレートしつつありました。2019年の夏頃におにぎりのコンテストがあることを知り、応募してみたことでおにぎりアートに目覚めたのがきっかけです。
――お仕事というわけではなく、おにぎり作品は趣味ですか?
完全に趣味です。料理関係の仕事ではありません。
――最近では人気の鬼滅キャラのおにぎりも反響がありました。モチーフはどのように決めていらっしゃるのでしょうか?
まずは何よりも、ご飯と具材で再現できそうな色と形を持ち合わせているモチーフを選んでいます。季節柄のものや流行りの中から探したり、インパクトがあるものやかわいさのあるものが好きなので、そのような系統も多いかなと思います。
――おにぎり劇場さんのお気に入り作品は?
「河童」が気に入っています。材料は寿司飯ときゅうりのみ。きゅうりの皮も使って試しに何となく作ってみたら、簡単にぬめっとした河童になったので、わりと好きです。あとは、全身を形にした「メンフクロウ」は、足と枝も違和感なく再現できたのでお気に入りです。
――特に印象に残っている作品があれば教えてください。
「織田信長」は初めて人物を上半身で作ったおにぎりというのと、大葉の色と肩衣の色が合致した爽快感があり、思い出深いおにぎりです。
■おにぎりアートの秘密と苦労「想像したのと違う形に仕上がることがほとんど」
――立体的でリアルな作りが、おにぎり劇場さんのアートの特徴かと思いますが、作るうえでのこだわりは?
完成した画像からはわからないですが、なるべくおにぎりの具を入れるようにしていることです。具を入れることで隙間ができたり、具の水分が滲みだしたりすると、強度が落ち崩れやすくなり難易度も高まります。しかしやはり「おにぎり」といえば、具も楽しみのひとつ。具に辿り着いた時の幸福感も味わいたくて、なるべく具を入れるようにしています。
――なるほど。モチーフを作っていくための具材へのこだわりもありますか?
具材は“ご飯と一緒に食べておいしいもの”から選んでいます。その中からモチーフの色に近いもの、ご飯に貼りつくもの、垂れないもの、滑らないもの、イメージした形に加工できるか等を考え、条件に合えばそれらを使って作成していきます。
――YouTubeで作り方の動画等もアップされています。完成版だけでなく、作業工程が見られるのも魅力ですが、動画をアップしようと思われた理由を伺えますか?
当初は完成したおにぎりを写真に撮って記録として残していましたが、どのように作っているのか、具や材料は何を使っているのか聞かれることがしばしばありました。そこで制作過程を撮影したものを編集して短い動画にすれば説明の手間が省けるし、それもまたひとつの作品として楽しめるのではないかと、手探りで動画作りを始めてみました。場所をとらないおにぎりの作品記録を、こつこつ溜めている感覚です。
――撮影にあたっての苦労はありますか?
撮影しながらの制作はとても気を使いますし、編集作業にはかなりの時間を要しますが、メイキング動画として残ることと、世界中の人に観てもらえる状況になっていることが嬉しくてモチベーションになっています。後から見返しては反省を繰り返す日々ですね。
――おにぎりアートを作る楽しさとは?
三角や俵型などのおにぎりの固定概念を壊して、様々なカタチを作ることにチャレンジしています。想像していたものと違う形に仕上がることがほとんどなのですが、観てくださった方から温かい応援のメッセージをいただくと本当に嬉しく励みになっています。
――では逆に、難しさは?
難しいことだらけです! そもそもご飯がとても崩れやすい素材ですし、それを半立体ではなく立体で表現するのが難しいです。どっしりとした形でないと安定しないのでモチーフ選びから苦戦します。ご飯を握った表面はご飯粒による凸凹。トロっとした素材は凸凹を伝い流れてしまいますので、素材と向き合って仕上げていっています。
■握って見て楽しんだ後はすぐ食べる“儚きアート”
――おにぎりアートの魅力は、どんな部分にあると思われますか?
これまで私は見て感じるアートを作成してきてばかりでしたが、おにぎりアートは見て楽しんだあと食べてしまえるという、もう1つの楽しみ方があると思います。また「おにぎり」という和の食材を堪能できることも、魅力ではないかと考えております。
――おにぎり劇場さんにとって、「おにぎりアート」はどんな存在ですか?
できたおにぎり達はYouTubeやSNS等を通して突然多くの人の目に留まることもあり、いろいろなタイミングで私にハッピーなドキドキと刺激を与え続けてくれる存在です。
――今後作ってみたいモチーフがあれば、教えてください。
今後は日本特有のものを、おにぎりで表現してみたいと考えております。作品は毎回、完成後すぐに「自分で」食べています。完成したらあっという間に作品がその場からなくなってしまう儚いアートなんですよね。物体として残らないものだから、動画に残し記録しているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。