「ファイアパンチ」27話。フラグがいっぱいすぎてわからない

写真拡大

Web無料漫画配信サービスジャンプ+にて「ファイアパンチ」第27話が配信されている。憎きベヘムドルグも崩壊し、当面の敵も倒したアグニ。まだまだ連載は続いてくれそうだが、一体どういう方向にストーリーは進んでいくのだろうか。


今話はフラグだらけ


今まで何度もユダが妹のルナではないという描写があったのにも関わらず、アグニは今話でやっとユダの「お兄さん」発言で、呼び方の違いからユダが本当にルナではないと悟った。しかし、本当は呼び方の違いのおかげで悟った訳ではないように思える。今回のベヘムドルグ奴隷解放騒動で、アグニは困った人を助けたいという自分の素直な気持ちと向き合うことができた。これにより、アグニは大人になったのだろう。ルナが死んだという事実にやっと向き合えたのだった。

一方、開放された奴隷達を乗せるトラックでは、運転手のウテイと助手席に乗るトガタが会話をしていた。何でもウテイ達はアグニ信者で、アグニの伝説を遠くから聞き集まってきたという。「炎に覆われた神様が、天から降りてきて悪い行いをする人を燃やして、善い行いをする人を助けるんだ」とのことだ。

しかし、気になるのは「天から降りてきて〜」の部分。確かにアグニは、フガイタイに大気圏寸前まで飛ばされ、天から降りてきた。しかし、それはこの日の出来事のはず。これを聞いて遠くから集まれるわけがない。これは比喩表現で「なんて美しい姫なのだ!天から舞い降りて来たに違いない!」みたいなことなのだろうか?その上で、たまたま本当にアグニが天から舞い降りちゃっただけなのだろうか?何かのフラグかもしれない。覚えておこう。

まだこのシーンには気になる事がある。それはトガタがピラミッドを発見したところ。ピラミッドには詳しくないが、世界中にあるピラミッドの中でも見た目的にどうやらエジプトのものらしい。ということは、ベヘムドルグは未来のエジプト辺りにある国なのだろうか?そして、このピラミッドには大勢の人影らしきものがあった。この先、ストーリーに関わってくることは間違いないだろう。

そして、このシーンでもう一つ。最後にトガタが「アグニがいくら頑張ってもオチは絶対バッドエンドだよな〜」と独り言を言う。これはどんな意味で、何に対して言った言葉なのだろうか?トガタが撮る映画のラストのことだろうか?それとも、アグニの人生についてか?もしくはそんな小さな規模のことではなく、氷河期に突入したこの世界そのものについてだろうか?

いずれにしろ、確かにハッピーエンドは想像し辛い。何せ氷河期で人類は滅亡に向かって着々と準備を進めているのだから。しかし、ここであえてトガタのバッドエンド発言は、ハッピーエンドへのフラグの可能性が高い。不幸が積み重なり、幸せになりそうもない「ファイアパンチ」だけに、なんとかこのフラグは回収して欲しい。

再びアグニとユダのシーンへ。すると「ドマはとっくに死んでいる」とユダから衝撃の発言が飛び出す。言い切ってはいるが、これは手錠を掛けられ牢屋にいたドマはガレキの下敷きになって死んだはず、という予測に過ぎない。おそらくは、復讐相手がいなくなってしまったアグニの前に、近いうちにドマが現れるフラグかと思われる。

フラグばかりで肝心のスジがまだ見えない


新章へ向かう為か、今話はフラグが盛り沢山の回となった。しかし、フラグが立ったのは良いが、肝心の本筋はまだ全く見えてこない。ドマが予想通り生きていたとしても、今のアグニに殺意が残っているかは微妙。鍵を握るのは覆面バット男をリーダーとするアグニ信者達だろうが、彼らがどこに向かっているのか、アグニに何を求めているのかもよくわからない。どこに向かっているかわからない上に、乗り物を持たないアグニは彼らに合流する術もない。

ドマの生存確認や、覆面バット男との再会や、死にたがるユダをどうするか、など、やれる事はいくらでもあるが、絶対にやらなければならない事は現段階で何一つ無いように思える。どうなるにしろ、11月7日の配信の次話あたりで大きな展開が待ち受けていそうだ。

(沢野奈津夫)