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9月1日時夕方6時頃に乙女座で起きる新月ですが、今回は日食となります。

この金環日食はアフリカ周辺から見る事が出来ますが、日本からは見えません。

 

さてこの日食は、私たちにどのような影響を与えるのか。

まず最初に、今回新月が起きる乙女座の性質ついて考えて見ましょう。

 

乙女座=Virgoは、ラテン語でヴァージンを意味します。

みなさんは“乙女”という言葉から、何かをイメージするでしょう?  “乙女”という言葉から喚起されるイメージって、清らかさではないでしょうか。 清楚で美しい“乙女”は周囲を魅了します。

しかし年齢を重ねるとうるさいお局様になって、周囲から煙たがられたりするイメージがある。

なぜか? 白いハンカチ、清潔で美しい髪や爪、すがすがしい香り…乙女と結び付けられる清純なイメージは“きちんとしている”ことで成り立っているもの。 これは言い換えれば、大雑把とは正反対の細かさですから、これをネガティヴに捉えれば“細かくてうるさい”ということになるんですね。 この“細かさ”は、乙女座特有のものです。

12星座にはそれぞれ対応する身体の部位があって、乙女座は腸。腸というのは、身体に役立つものを栄養として吸収したり、役に立たないものを選り分けて体外に排出する“選別”機能を司るところ。 とても現実的ですし、物事をふるいに分ける能力に長けています。

今回はこの乙女座で新月が起きるため、まさに“断舎捨”に適した運気と言いたいところなのですが、乙女座9度にある太陽と月は、射手座の火星、土星、そして魚座の海王星とハードな角度を形成しています。

ケイローンが弓を引く姿を象徴とする射手座は、的(まと)となるものをもとめる星座です。この冒険心溢れる星座に入った火星は、火のついた矢のごとく好戦的でもある。そして今、夜空を見上げてもわかるように赤い火星の側に、同じく赤い星アンタレス、そして土星がいます。 古来から赤い星は、戦争や災いの星だといわれてきました。

ただし、その側には抑圧や制限のシンボル土星が同伴していますから、まるでワイルド・スピードで飛ばしたい走り屋のお兄さんが、教官を乗せて運転しているような、フラストレーションがたまる配置なんですね。

まとめると、捨てるべきものを捨てて、すっきりしたい新月の力。理想に向けて走り出したい火星、それに抑圧をかける土星、心の中にたゆたう願望や恐れのシンボル海王星が相互に干渉し、矛盾にみちた、混沌とした状態を作っています。

こういう時、私たちは迷いに迷った挙句、活路が見いだせず疲れてしまうとか、 がんばり過ぎて、何かのきっかけでプチンと感情のタガが外れたり、お酒を飲んで悪酔いする、なんてことが起きがちです。

 

では、このちょっと悪天候のような天体配置をどう乗りこなすか。

上手に運のサーフィンをしたら良いかというと、 これは秩序とバランス感覚を大切にすることです。

私たち日本人は、幼い頃から畳の縁や敷居を踏んではいけないと教わりますよね。畳の縁、敷居というものは、こちらの領域と向こうの領域を分けるライン。いわゆるひとつの結界です。 私たちは、ついこの境界線、自分の限度、自分の領域を超えてしまったりする時があります。 それは生活時間の乱れ、寝るべき時間に寝ないという軽いものから、浮気や不倫といったタブーまで、いろいろあるでしょう。 しかし秩序があるからこそ、物事が保たれ、自分自身の境界が明確になります。これを教えてくれるのが、分析と選別の乙女座でもあるのです。

 

9月9日、物事を拡大方向にいざなう天体・木星が天秤座入りをします。

乙女座の次に位置する天秤座はまさにバランスを象徴した星座、そして“あなた”と“わたし”という対人関係を司る星座です。 わたしたちは、自分自身の秩序、境界が保たれてこそ、他者との関係を上手に築くことが出来ます。ですから自分の秩序を改めて見直すことは、天秤座に移行した木星の保護を最大限受け取るために、大切なことなのです。

夏の疲れが出やすいこの時期、無理をせず身体のメンテナンスをしながら、 あなたにとっての“畳の縁や敷居とは何か?”考えてみてくださいね。

 

IKKA (辻 一花 つじ いっか) 占星家

AFA米国占星学者連盟終身会員 日本占術協会会員

受胎占星学を得意とする専門的な占星家としての活動を中心に、プロフェッショナル向けの勉強会を開催するなどコアなニーズに応えてきたが、近年では一般に向けて星の世界を楽しんでもらおうと女性や子供向けの活動にも力を入れている。

ブログ 一花一空  http://ameblo.jp/ikkastra/