2015.08.24


突然ですが、”BOZ-1(ボズワン)”というショップを知っていますか?どうやら都内にしか店舗はなく、しかも世田谷・目黒の東急線沿線駅でしか見かけないというレアなショップ。私の知る限りでは、自由が丘、武蔵小山、学芸大学、三軒茶屋にショップがあり、どこも最新のファッションアイテムが激安特価で売られている。トップス1,000円以下は当たり前、コートでさえ2,000円しない。さらに、ハイブランドの最新モデルと同型のバッグが破格で売られているという始末。今や”H&M”や”Forever21″といったファストファッションの台頭が目覚ましいが、自身が中高生の頃はどれだけ”BOZ-1″のお世話になったことか。あいにく数年前から太子堂店、学芸大学店、武蔵小山店と相次いで閉店。そこで、最後の砦となった自由が丘店に向かい、”BOZ-1″のコストパフォーマンス力を調査することに。

初めての”BOZ-1″に胸躍らせる、TOKYOWISEきってのオシャレ番長M氏が取材に同行。が、残念なことに、かつて”BOZ-1″のあった場所は「leclat(レクラ)」というショップに変わっていた。店員さんに聞いたところ、自由が丘店も2014年12月をもって閉店、もう全国どこにも”BOZ-1″は存在しないという。ただ、このレクラは”BOZ-1″と同じ経営者が経営するショップで、”BOZ-1″より少し年齢層を上げたラインナップになっているそう。言われてみれば、値段は多少アップしているものの、雑多な感じやチープな印象は懐かしき”BOZ-1″のまま。そして、ありましたよ。プラダ?マーク?アニヤ?ハイブランドを意識し過ぎているアイテムの数々。パチモン以下のクオリティにM氏も大爆笑。ちょっと前になるが、スナイデルのデザインをパクリまくって逮捕された衣料販売会社の事件があったが、”BOZ-1″は大丈夫なのだろうかと心配してしまう。



個人的に”BOZ-1″の面白さはネームタグにあると思う。「I ♡ I(アイラブアイ)」「Listen to listen(聞いて聞いて!)「Fortune cookie(指原か!)」などなど。一度洗濯するとネックラインが伸び、タグが首元で跳ねて丸見えになるのもご愛嬌。”BOZ-1″着用の友人の首元から「DEKOPIN(でこぴん)」のタグが見えたときは腹筋崩壊。人に見られたら最後、笑い者にされること必至です。

さて、オシャレ番長に全身5,000円以内でコーデしてもらったアイテムがこちら。



Tシャツ¥500(税別)/ストライプワイドパンツ¥2,900(税別)/コンフォートサンダル¥1,200(税別)

遠くから見ればすごく今っぽいが、そこはさすが番長。手厳しいお言葉をいただいております。

まず、Tシャツのロゴは「メゾン キツネ」だよね。そして、ネックのあき、丈感ともにヘン。身幅のボックス感も「ヘインズ」かよって思う。次に、この透けるほど薄い生地のパンツ。透けるデザインのパンツでもないのに、なぜこの素材を選んだのか疑問。デザインと素材がマッチしていない。右と左のシルエットもすでに違うし、洗ったら確実に斜行するでしょ。そして、この靴の留め具。ラクなのかもしれないけど、安物でしか見たことない。ソールのリネンの素材も新品のはずなのにボサボサ……(続く)。





ここまで一刀両断に切って捨てられると、着る気もゼロに。「流行りの服は1年着られればいいから安い物で」なんてこともよく聞くが、レクラに関しては1年も着られない可能性が。品質の問題だけではなく、ファッションの中心地で暮らす東京人ピープルたるもの、やはり細部までこだわって洋服は買いたいもの。よって、東京コストパフォーマンス的には「悪い」という結果に終わったのでした。

(Text: Ayako Takahashi-TPDL)
(Photo: Yuuko Konagai)