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これが若獅子寮の撮らせ方だ!

三連休を終え、ついに本格的な「平日」がやってまいりました。金さえあれば絶対に働かないのに、金がないから働かなければならないという屈辱の日々。社会人とは生命を削って生命をつなぐ、自転車操業のようなものであります。

さて、そんな社会に無駄に希望を持って飛び出した若者たちがいます。プロ野球の新人選手たちです。彼らの多くはこの年明けから選手寮へと入り、そこでプロとしての生活を始めます。もちろん、我が埼玉西武ライオンズの選手たちも。

今年の選手たちは本当にラッキーです。ギリギリセーフのラッキースターです。我が西武が誇る栄光の若獅子寮、全プロ野球ファンから「一体なかはどうなっているんだろう?」と関心を集めるラビリンスに入寮することができるのですから。

先頃西武が発表した改修計画によれば、新たな選手寮は2019年6月頃完成の予定とのこと。つまり、若獅子寮の四季をマックスで体験できるのは、今年の選手たちが最後ということです。春の寒さ、梅雨の染み渡る湿気、夏のうだるような暑さとビーバーエアコンのきしみ、秋に舞い落ちる枯葉と鳴り止まない虫、そして凍てつく冬…。「栄光の若獅子寮世代」「ザ・サバイバー」「ラストサムライ」など、彼らを祝福する言葉には終わりがありません。

彼らに今こそ伝えたい。我が埼玉西武ライオンズが長い年月をかけて熟成してきた、若獅子寮との付き合い方を。我々がいかにしてこの入寮の日のクッソショボさをごまかしてきたのかというテクニックを。そのテクニックが2019年以降も彼らの手によって伝承されていくように願って。誇り高き若獅子寮世代に幸あれ!

若獅子寮撮影テクニック、基本はヒット・アンド・アウェー

「今日は東京タワーにきました」というレポートがあったとき、その背景は100%東京タワーですよね。しかし、それをやられては困る。我が若獅子寮はどこを切り取ってもオンボロであり、読者モデルがインスタを撮影するときには絶対に選ばない背景なのです。そこで我々はどうしてきたか。我々はカメラがどうこうという頑張りではなく、選手を動かすことで問題を解決してきたのです。

↓一般的な「今日は寮にきました」のインタビューの例!


寮の入り口を通過

寮の看板の前で記念撮影

寮の食堂とかで談話

これでは寮の様子がわかってしまう!

これではダメです!

↓若獅子寮世代はヒット・アンド・アウェーの動きでカメラを引き連れながら移動していく!

寮の入り口に接近

寮の看板の前で記念撮影

そこからテクテクと歩いて

向きを変えて

球場を背景にして談話

これがヒット・アンド・アウェーの動きだ!

なお、ドラ2・西川選手の「汚いって聞いていたんですけど、全然自分は大丈夫です」というコメントのことは気にしないでください!

「余計なフォローするな」とあとで厳しく言っておきます!



若獅子寮撮影テクニック、距離を一気に詰めて密着する

戦いの基本は距離感です。守りを固めるために、あえて逆転の発想で接近するというのも有力な方策のひとつ。ヒット・アンド・アウェー作戦でさばき切れないときには思い切って接近してみましょう。総合格闘技でも、中途半端な距離でブン殴られるより、相手に抱きついて密着したほうがパンチの威力が弱まって安全ですよね。若獅子寮も同じなのです。

↓一般的な撮影時の距離感の例!

部屋の真ん中くらいに選手を置いて、部屋の全体像が何となくつかめる距離感!

この中間距離が一番よくない!

広さとか家具とか設備の感じがわかってしまうではないか!

↓若獅子寮世代は壁にピッタリと背中を押しつけて、壁紙以外の情報はフレームに入れさせない!


密着することによって壁紙以外の情報を一切与えない!

何となく犯罪者の写真撮影みたいだけれど、これでオンボロ感は極めて薄まった!


↓先輩たちがやってしまったよくない距離感での撮影の例!


いろんなことをガムテープで処理する感じとか!

「画鋲使ってね」みたいな顔で壁をはっている細い木とか!

置きどころのないエアコンのリモコンとか!

そういう情報を与えてはいけない!

若獅子寮撮影テクニック、集合しない

距離感をコントロールするためには、被写体のサイズも重要です。富士山を撮影するときはめちゃめちゃ遠くから撮り、豆つぶを撮影するときはすごく接近する、それが自然な動き。その意味で、人間をたくさん集めれば、それだけ広い範囲が画像におさまってしまいます。集合写真などは言語道断なのです。

↓一般的な選手入寮時にやりがちな集合写真の例!


集まれば集まるほど広い範囲を撮影することになる!

範囲が広がれば、それだけいろんなものが写ってしまう!


↓若獅子寮世代は同じ日に同じ場所にきた連中であっても、ひとりずつ別々にしか登場させない!



室内には記者を入れたくないし、寮の全景は写されたくない!

まとまってるのが撮りたいなら新入団選手発表記者会見で撮るべし!

なお、育成ドラフト2位の齊藤誠人選手の「こんなにすごい環境で幸せです」「室内練習場があるだけで幸せに感じます」というコメントも、ナイステクニックです!

何の設備もない環境で育った選手にだけ、あえて「西武の寮はどうや?あーん?」と聞いてみるという匠のワザ!

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若獅子寮撮影テクニック、看板は上のほうにつける

できれば一枚の写真でなるべくたくさんの情報をおさめたいのが人情。観光地で「今日はここにきましたー」をやるとき、その地名がわかる看板と一緒に撮りたいですよね。その欲を逆手に撮ることで、カメラの動きをコントロールすることは可能なのです。

↓一般的な看板の配置とそれによって生まれる写真の例!

これでは水平に撮られてしまう!

建物の感じとか、いろんなものが映り込みかねない!

↓若獅子寮世代は寮の名前を屋根にくっつけることで、自然とカメラを上に向けさせ、青空を背景とする!

手に持ったジャムをさりげなく上に掲げたのもナイス!

不自然に仰ぎ見る角度にカメラを誘導することに大成功!

若獅子寮撮影テクニック、持ち込んだモノを一旦外に持ち出す

入寮に限らず、引っ越しとなれば荷物が気になるもの。そのとき、成り行き任せだと室内での荷開け作業を撮影してしまいがちです。ダンボール箱を開けて、こんなものを持ってきました…的な。でもそれじゃ、カメラが屋内に入ってしまいますよね。そうさせないためには荷物を室内に運び込んだあと、荷開けして、もう一回外に持ち出せばよいのです。たとえ絶対に室内でしか使わないものだとしても!

↓一般的な持ち込んだモノの紹介の例、寝具の場合!

寝具を紹介するなら当然室内だと思いますよね!

室内で使うものなんだから!


↓若獅子寮世代は寝具の紹介であっても一旦外に持ち出す!


枕:「ここが新しい勤務先かぁ」
枕:「古民家風の建物ですねぇ」
枕:「え?また外に出るんですか」
枕:「今きたばっかりなのに」
枕:「うわ、めっちゃ写真撮られてる…」

寝具とて甘えは許さない!

撮影場所は外です!

↓一般的な持ち込んだモノの紹介の例、たくさんある場合!

ベッドとかテーブルとかに並べて紹介するのが当たり前だと思いますよね!

たくさんあるんだから!

↓若獅子寮世代は見せたいモノがいくつあろうが、外に持ち出して紹介する!たとえ2回にわけたとしても!
<両手に野村克也氏の著書を持つ齊藤誠人選手>


<両手にボールと寄せ書きを持ったうえで器用にノートパソコンを持つ齊藤誠人選手>


野村本:「え?外?」
野村本:「出たくないな…」
ボール:「何で外なんですか?」
寄せ書き:「こんなにゾロゾロ行かなくても…」
ノーパソ:「ノマドワークはおまかせください!」

絶対に室内には入れさせないという強い気持ち!

今年も若獅子寮のプライドは守られた!

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いかがでしょうか。長年に渡り磨かれてきた若獅子寮の撮影テクニックは。モデルには自分の得意な角度があるといいますが、若獅子寮にも「こう撮ってください」というスタイルがしっかりと確立されている。まさに伝統のチカラと言えるのではないでしょうか。

新しい選手寮になれば、どこを切り取っても新築感が出るのでしょうが、それで逆に撮影テクニックの衰退をまねくようではいけません。漫然と撮られるのではなく、しっかりと主張を持って撮らせていくこと。新しい選手寮にも、そんな「意志」を求めていきたいものですよね。

限界集落の若き民たちよ、このテクニックを後世に伝えてくれ!

キレイなものはより美しく、オンボロなものはそれなりに写ります!