函館にある「居酒屋じゅげむ堂」。地元民に愛される理由とは……

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地元民の間で海鮮料理が評判の居酒屋とあって、「居酒屋じゅげむ堂」のカウンター席の前には、その日に仕入れた魚介が並んでいます。もちろん、近海ものということで津軽海峡や噴火湾で獲れたものが大部分。取材日(2017/8/1)の開店前には、毛ガニのほかにホタテやホッキ、活ホヤ、アブラコなどが出番を待ち望むかのように氷の上に控えていました。

「居酒屋じゅげむ堂」のカウンター席の前に並ぶ魚介

その他、刺身のメニューを見れば戸井産の生マグロのほか、無添加ウニ、活イカなどの名前があり、こちらも充実。驚いたのはその価格です。毛ガニは「これって、1パイの値段ですか?」と聞き返してしまうほどの値段で、聞けば、毛ガニは漁師から直接仕入れていると言います。

と、ここまではウワサ通り海鮮居酒屋なのですが、地元民のハートをつかむのはそんな魚介だけではありません。海鮮居酒屋の風体を保ちつつも、「実は……」というのが、この店の本当の実力。海鮮以外のジャンルでも積極的に新メニューを取り入れ、常連たちのハートをがっちりキャッチしています。お客さんの「これ、食べたいな」なんていう何気ない一言をヒントに、次々と新メニューを考案。そこから人気メニューが誕生することもあるそうです。

その一つが「ホエイ豚のロース 西京焼」(864円)です。ホエーとはチーズの生産過程で出来る乳清のこと。近年、高タンパク、低脂肪で、かつ栄養価が高いことで注目され、それを飼料として育った豚がホエー豚です。昨今では十勝や道東を発信源に人気が高まっています。

最初、「じゅげむ堂」ではホエー豚を串揚げで出していて、なかなかに好調だったのですが、次第に飽きられたのかもしれません。そこで工夫を凝らして西京焼に仕上げたところ、再び人気のメニューとなりました。

また、今年お客さんの要望で始まったのが青森シャモロック。肉質がきめ細かく、濃い味が特徴で、今や全国で注目されている青森の地鶏です。試しに取り入れたところ、これが、なかなかに好評。「タタキ」(648円)、「手羽焼」(756円)、「とりわさび」(756円)、「手羽元」(594円)などで出していますが、貴重な地鶏ゆえに入荷の量が限定。これは日々、早い者勝ちという人気メニューです。

新しいメニューを頻繁に登場させているだけに、あっという間に消えてしまうメニューもあります。そんな中、根強い人気となっているのが「鶏のパリパリぎょうざ」(594円)。こちらも見逃せませんね。

常連の多さは、店内の壁面の並ぶキープボトルを見ればすぐに分かります。その顔ぶれは焼酎が大半ですが、中には「サントリー響」や「ボンベイサファイヤ」の瓶が並んでいたりします。どうやら、こちらも客の要望を聞き入れ、入れたボトルです。地元民に愛されるお店、ぜひ足を運んでみては?

居酒屋じゅげむ堂■住所:函館市昭和2-37-15 ■電話:0138・45・2020 ■時間:17:30〜24:30(LO24:00) ■休み:木曜 ■席数:50席(喫煙可) 

【北海道ウォーカー編集部】