現在タイで大ヒット中なのが、冬の北海道で撮影されたタイ映画『フェーンデイ フェーン・カン・ケー・ワン・ディアオ』(恋人の日:一日だけの恋人、英題:Fan Day)。

9月1日に公開されたのですが、7日間で興行収入約6330万THB(バンコク周辺とチェンマイのみの速報値)を記録しました。タイでは興行収入1億THBを超えるとその年を代表するヒット作となりますが、『フェーンデイ』も確実にその1本になりそうです。

 
この『フェーンデイ』を筆頭に、ここ数年で日本を舞台にしたタイ映画が増えてきました。その背景にあるのは2013年7月に実施されたタイ人の訪日ビザ免除。つまり、観光で日本に行く場合、タイ人はビザなしで渡航できるようになったのです。

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これをきっかけにタイでは日本旅行ブームが巻き起こり、一方、日本の各自治体でもタイ人旅行者を自分の土地に招こうと、あの手この手でのPR活動が活発化しました。その一環として、各自治体がタイのアーティストを招いてそこの観光名所を舞台にミュージックビデオを撮影してもらったり、制作費を補助して映画を撮影したり、という流れが生まれました。『フェーンデイ』はその中でも郡を抜く成功例になります。

では、ほかにはどんな日本ロケ作品があるのでしょうか? 今回は日本で撮影されたタイ映画を紹介します。

 

一日だけ記憶を失った女性との切ない恋のゆくえは
『フェーンデイ フェーン・カン・ケー・ワン・ディアオ』
(恋人の日 一日だけの恋人、英題:Fan Day)


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・ロケ地:北海道
・公開年:2016年
・監督:バンジョン・ピサンタナグーン
・出演:チャンタウィット・タナセーウィー、ニサター・ジラヤンユーン


冬の北海道を舞台に繰り広げる、1日だけの儚い恋物語。オタクのIT社員デンチャイはその口の悪さから社内の嫌われ者だが、自分と対等に話してくれる女性社員・ヌイに片想いしている。

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社員旅行で訪れた北海道の「愛の鐘」でデンチャイはヌイとの恋人関係を祈願するが、その直後、ヌイが事故に遭って1日だけの記憶障害になってしまう。デンチャイはわずかな望みをかけてヌイの恋人を名乗り出る。

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今年1月に立ち上がった映画会社GDHによる初の劇場作品。タイ映画史上No.1興行成績を記録した『愛しのゴースト』のバンジョン・ピサンタナグーンが監督を務める注目作。

 


 

雪景色に立つ美しき幽霊
『ブッパー・アリガト』


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・ロケ地:北海道ニセコ
・公開年:2016年
・監督:ユッタルート・シパパック
・出演:スパサラー・タナチャート、チャーリー・ポトヘス、チャルームポン・ティカムポーンティーラウォン


これまで4作品が公開されている大ヒット・ホラーコメディ・シリーズ『ブッパー・ラートリー』の最新作で、こちらも冬の北海道を舞台に撮影された。

浮気性の恋人を殺害してしまったローズは北海道ニセコ町の貸別荘に身を隠す。しかし、そこは「恋人に恨みを持つ幽霊が出る」という噂がある山小屋だった。
そこで出会った青年ナックが元恋人にそっくりだったことから、ローズに霊が憑依し、男性への恐ろしい復讐が始まる。しかしローズ自身の心には新たな恋心も芽生えていて……。

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幽霊役を現在人気急上昇中のガオ=スパサラー・タナチャートを務めたほか、タイ映画史に残る名作『フェーンチャン ぼくの恋人』(2003年)で当時子役だった俳優陣が勢揃いしたことでも話題を呼んだ。



 

『Timeline ジョットマーイ・クワームソンジャム』(タイムライン 思い出の手紙)


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ロケ地:佐賀県唐津市
・公開年:2014年
・監督:ノンスィー・ニミブット
・出演:ジェームス=ジラユ・タンスィースック、トゥーイ=ジャリンポーン・ジュンキアット、ポック=ピヤダー・ミッティーンジョーン


2004年に公開され、タイ全土が泣いたタイ映画『レター 僕を忘れないで』の10年ぶりの続編で、前作の主人公たちの息子が体験する一世一代の悲しい恋愛について描く。

夫をなくしたマット(ポック=ピヤダー)は、チェンマイ郊外で農業に従事しながら最愛の一人息子のテーン(ジェームス=ジラユ)を育てていた。しかし年頃になったテーンは「外の世界が知りたい」とバンコクの大学に進学してしまう。

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一方、テーンは大学生活を満喫しつつ、徐々に母の世界から独り立ちしていく。その中で同級の女子学生・ジューン(トゥーイ=ジャリンポーン)との友情を育んでいき、ついに無くてはならない存在だと気づくが、ジューンは日本(佐賀県)へ留学してしまった後だった。



 

猟奇的な男女は千葉でヨリを戻せるのか?
『ファッチャント』(都での真剣勝負)


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・ロケ地:千葉県
・公開年:2013年
・監督:ルックチャイ・プアンペート
・出演:イプソー=ラミター・マハープルックポン、ボーイ=パコーン・チャトボリラック、エーンナー・チュアンチューン、ポンチャック・ピサターンポーン


ほぼ前編を千葉県の成田市を中心に撮影されたタイ映画。長年付き合ってきたケープ(イプソー=ラミター)とコープ(ボーイ=パコーン)のカップルだが、関係がこじれて、そろそろ別れそうな雰囲気。

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というところでケープが応募した懸賞で日本旅行に当選。しかし、旅行には2人で参加するのが当選の条件だった。そこでケープは仕方なくコープを誘い、不穏な雰囲気の2人によるドタバタ珍道中が始まる。



 

軍艦島を舞台にしたホラー映画
『ハシマ・プロジェクト』


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・ロケ地:長崎県端島(軍艦島)
・公開年:2013年
・監督:ピヤパン・チューペット
・出演:マイク=ピラット・ニティパイサーンクン、アレクサンダー・サイモン・ランデル、アピンヤー・サクンチャルーンスック、西野翔


世界遺産にも指定された長崎県の端島(軍艦島)で撮影されたホラー映画。超常現象を撮影してほしい、と依頼を受けた5人の男女が軍艦島に上陸して出会った恐怖体験を描く。

恐怖体験よりも軍艦島の光景の方がよっぽど恐ろしいとの評判。普段は立ち入ることのできない居住区などの光景が観られるのが、歴史ファンにはうれしい一作。
劇中では「この島では1日のうちに6000人が命を落とした心霊スポット」と描かれるが、そんな場所ではないことは日本人ならご存じのとおり。

なお、主演にはかつてジャニーズのKitty GYMの一員として活動していたマイクが抜擢された。



 
(text : fuku)

 
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