今週末(10月12日〜14日)は三連休で、遠くの紅葉名所に足を伸ばす大チャンス。北日本を中心に、関東や中部地方でも早いところでは紅葉の見頃を迎えるスポットが現れ始めた。今回は、今週末に見頃を迎えそうな紅葉名所をピックアップして紹介したい。

【画像】見頃時期を迎える全国の紅葉スポット

見頃を迎えそうな紅葉名所をピックアップ ※写真は栗駒山(岩手県の紅葉)


※各スポットの見頃は2024年10月9日時点の情報です。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。

※そのほかの内容は取材時点の情報です。また、写真は2023年以前のものです。

■【北海道】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【北海道】阿寒湖畔 / 鮮やかに色づく景勝地、阿寒の紅葉

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

赤や黄の紅葉の間を清流が流れる/阿寒湖畔


阿寒湖の滝口は、阿寒湖の水と太郎湖の水が合流し阿寒川となる景勝地。阿寒湖畔から国道240号釧路方面へ約4キロほど下がると滝見橋がある。ここは滝口から阿寒川の源流となる滝と多彩な木々や草花の鮮やかな色彩が融合し、見事な景色を生み出している。例年、9月下旬〜10月上旬が見頃で、ヤマモミジ、ナナカマド、イタヤカエデ、カツラなどの紅葉を見ることができる。

■【北海道】層雲峡(紅葉谷) / 岸壁の柱状節理と滝が同時に見られる紅葉ポイント

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

色鮮やかな紅葉が楽しめるスポット/層雲峡(紅葉谷)


鮮やかな紅葉が自慢の紅葉スポット。多少のアップダウンはあるものの、温泉街から片道約30分の散策で紅葉滝に到着するので、山歩き初心者にもおすすめの場所だ。運がよければ、キタキツネやエゾシカといった野生動物の姿を見ることも。今では見ることができなくなった「小函」のような柱状節理と、水量がある滝から出るミストが楽しめる。例年、10月上旬〜10月中旬頃が紅葉の見頃となる。

■【北海道】ニセコアンヌプリ / 雄大な山々が美しく彩るニセコアンヌプリ

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

紅葉シーズンには紅葉が山々を覆いつくす/ニセコアンヌプリ


秋になると、北海道のニセコアンヌプリ、イワオヌプリなどの山々の紅葉を楽しむため、多くのレジャー客や登山者でにぎわう名所。例年、9月下旬から色づき始め、10月初旬から中旬に見頃を迎える。ナナカマド、ダケカンバ等の紅葉を楽しむことができ、有料のニセコアンヌプリゴンドラを利用すれば、標高1000メートルの展望台から羊蹄山、洞爺湖等の雄大な景色を望むことができる。

■【北海道】定山渓(定山渓温泉) / 紅葉の名所、定山渓温泉

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

二見吊橋付近に広がる美しい紅葉/定山渓(定山渓温泉)


国立公園に指定され、豊かな自然に恵まれた全国でも有数の紅葉名所である定山渓温泉。札幌中心部から1時間足らずで気軽に訪れられることから「札幌の湯の杜」として人気を集めている。四方が山々に囲まれているため、温泉街を散策するだけでも鮮やかな紅葉を楽しめる。二見吊橋から見る渓谷の景色は必見だ。また、10月上旬から5カ所の紅葉エリアへ、それぞれシャトルバスで行ける「五大紅葉」がスタートする。

■【東北】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【東北・青森県】八甲田連峰 / 八甲田ロープウェーから眺める巨大パノラマ

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

空の上から紅葉を楽しめる/八甲田連峰


青森県の八甲田ロープウェーで味わえる約10分間の空中散歩は、360度のパノラマから、季節によってその姿を変える。津軽平野や陸奥湾、遠くは北海道までも見渡せる贅沢な時間だ。山頂付近は9月下旬、山腹付近は10月上旬、山麓付近は10月中旬から色づき始める。

■【東北・山形県】天元台・西吾妻スカイバレー / 天元台ロープウェイの眺めは朝がおすすめ

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

ロープウェイは山麓・湯元駅より標高差430メートルの高さを6分で運行/天元台・西吾妻スカイバレー


天元台の入口である白布温泉の裏手から白布三十三観音への紅葉道は、桜、イタヤカエデ、ブナなど色とりどりの紅葉がトンネルを形成している。また、秘湯「新高湯」から天元台ロープウェイの脇を流れる湯ノ入沢は、ナナカマド、ヤマウルシ、ヤマブドウの赤が美しく、白布大滝、大樽川へと流れが続く。さらに、天元台高原の南東滝見台から見る明道沢は、ナナカマド、ヤマウルシなどの深紅とダケカンバの黄色、トドマツの緑色や滝の白色が鮮やかなコントラストを作り出す。

■【東北・山形県】月山花笠ライン / 名峰・月山の紅葉を望む、山形を代表する景勝道路

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

紅葉に包まれたドライブを楽しめる/月山花笠ライン


月山花笠ラインは「日本の道100選」にも選ばれている全長30.9キロメートルの国道。山形自動車道月山ICから山形方面へ10分ほど行ったところには、寒河江ダム月山湖があり、ここでは噴射高112メートルの「月山湖大噴水」が見られる。秋にはナナカマド、カエデなどで色とりどりに包まれ、道路から、赤く染まった名峰・月山の姿を望むことができる。紅葉は、例年10月中旬から11月上旬頃にかけて見頃を迎える。

■【東北・岩手県】栗駒山 / 栗駒山麓を一望できる絶景地

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

栗駒山の絶景に紅葉がさらに彩りを加える/栗駒山(岩手県)


岩手、宮城、秋田三県にまたがる標高1626メートルの名峰、栗駒山。数々の花や高山植物に恵まれ、雄大な自然美を楽しめる。東北地方のほぼ中央に位置し、栗駒山の中腹には毎分6000リットル湧出する須川温泉があるなど、魅力的なスポットが点在する。秋は全山を覆うブナ、ナナカマドなどが紅葉し、登山と合わせて紅葉狩りができる。麓から見上げる山肌、上から見下ろす山肌それぞれが一面赤やオレンジに染まり、まさに絶景。

■【東北・岩手県】葛根田渓谷 / 約10キロにわたって続く圧巻の渓谷美

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

空、紅葉、川のコントラストが美しい/葛根田渓谷


岩手山南麓を流れる葛根田川の上流にある渓谷で、国指定天然記念物に指定されている景勝地「玄武洞」のほか、轟音とともに流れ落ちる落差30メートルの「鳥越の滝」などの名所を擁する。周囲はブナの原生林をはじめ、モミジやナナカマドなどさまざまな木々が生い茂る大自然。秋は紅葉が美しく、例年10月上旬〜下旬に見頃を迎える。渓谷から立ち上る地熱による白い湯煙と紅葉の赤や黄色のコラボレーションによって、より一層幻想的な風景が作り出される。

■【関東】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【関東・群馬県】尾瀬(尾瀬ヶ原) / 草紅葉から木々へと移りゆく湿原の紅葉

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

9月中旬ごろから草原が金色に色づく草紅葉を堪能できる/尾瀬(尾瀬ヶ原)


周囲を2000メートル級の山々に囲まれた標高1400メートルの湿原、尾瀬ヶ原。この湿原の紅葉は草紅葉(くさもみじ)と呼ばれ、9月中旬から10月初めにかけて草原が金色に色づく。9月下旬頃から、広葉樹が赤や黄色に色づき、緑の針葉樹との美しいコントラストを見せる。尾瀬一帯は原始林に囲まれた日本最大級の高層湿原で、800種の珍しい植物群の宝庫。特別記念物、特別保護地区に指定され、至仏山、燧ヶ岳の山岳美や、高層湿原に咲く高山植物など、多くの自然美が堪能できる。

■【関東・群馬県】谷川岳 / 切り立った岩肌に紅葉のコントラストが映える

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

ダイナミックな山並みを紅葉が赤く染め上げる/谷川岳


日本百名山の1つ、標高1977メートルの谷川岳。頂上だけでなく稜線からの眺望も素晴らしく、10月上旬、天神尾根周辺のナナカマドが赤く染まると間もなく紅葉が始まる。谷川岳の東麓の一ノ倉沢の大岩壁は絶景で、みなかみ町を代表する名勝となっている。そのほかにも、山頂に続くロープウェイからは美しい山々の紅葉と空を一望することができる。

■【甲信越】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【甲信越・長野県】湯の丸高原 / 黄金色に輝くカラマツの黄葉

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

山肌を染めるカラマツの黄葉/湯の丸高原


長野県の湯の丸高原には手頃な登山コースがあり、山頂からはほかの山並が一望でき、遠く北アルプスの山並から八ヶ岳、南アルプス、奥秩父の山々まで360度の大展望を楽しめる。雨が少なく気候が安定しておりロケーションもよいため、初心者でも安心して登れるコースとして人気だ。紅葉の季節には、ダイヤモンドダストのように空中をキラキラと輝かすカラマツの落ち葉が楽しめる。例年10月上旬頃からカラマツなどが色づき始め、10月下旬頃にかけてが紅葉の見頃となる。

■【甲信越・長野県】八方尾根 / 雄大な山岳景観と紅葉を楽しむ

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

ハイキング客の目を色とりどりの紅葉が楽しませる/八方尾根


八方池まで続く八方尾根自然研究路の広がる「白馬八方尾根」。スキー場内のゴンドラとリフト2基を乗りつぐとあっという間にそこは標高1830メートル。そこから八方池まで約90分のトレッキング。空気の澄んでいる日には南アルプスから富士山まで見渡せる壮大な景色が広がる。また、八方尾根は位置的にも白馬三山に最も近く、素晴らしい紅葉のみならず、山々の稜々とした岩肌なども見ることが。圧倒的なスケールで広がる大パノラマを思う存分堪能できる。

■【甲信越・長野県】乗鞍高原 / 高原内を写真を取りながら散策

色づき状況:色づき始め(※2024年10月9日現在)

山頂に冠雪が降りれば三段紅葉を眺めることも/乗鞍高原


標高2700メートルの山頂付近の紅葉が徐々に中腹、そして高原へと下りてくる。高原内には至るところに見所があるので、カメラを片手に散策をするのも楽しい。小大野川沿にかかる番所大滝、善五郎の滝、三本滝の3滝と紅葉、そして雄大な乗鞍岳を背にした一の瀬周辺の紅葉も見事。毎年10月、乗鞍岳に初冠雪がある頃に、紅葉のピークが重なり、美しい三段紅葉を楽しむチャンスもある。

■【東海】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【東海・岐阜県】乗鞍スカイライン / 日ごとに下に降りてくる紅葉を楽しむ

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

木々の間を縫うように走る乗鞍スカイラインを紅葉が彩る/乗鞍スカイライン


北アルプス(飛騨山脈)南端に位置する乗鞍岳を望む景勝の地、標高1684メートルの平湯峠から乗鞍岳の畳平に向けて標高2702メートルまで達する乗鞍スカイライン。ナナカマドやモミジカエデ、ダケカンバなどが赤や黄色に美しく色づく。ナナカマドが最盛期を迎える頃には、日当たりのよい斜面に生えているコケモモなどの実が赤く熟して、葉も赤ピンクにさま変わり。

■【北陸】まもなく見頃を迎えそうな名所

■【北陸・富山県】立山(黒部ダム:標高1470メートル付近) / 高さ日本一のアーチ式ダム・黒部ダムと日本屈指の立山連峰

色づき状況:今見頃(※2024年10月9日現在)

ロープウェイから眺める絶景/立山(黒部ダム:標高1470メートル付近)


大自然の中に、なだらかなアーチを描く標高1454メートルの黒部ダムは、高さ186メートル、堤長492メートルという世界でも屈指の規模を誇る。立山連峰をバックにした、高さ日本一のアーチ式ダムだ。ダム駅の屋上には展望台があり、目前に広がる黒部ダムの雄大な姿と立山連峰の大パノラマを楽しむことができる。例年、10月上旬頃からナナカマド、ミネカエデ、ダケカンバなどが色づき始め、10月中旬から10月下旬が紅葉の見頃となる。