最近は、離婚も再婚も、珍しいことではなくなった。

それでも、シングルマザーの恋愛や結婚には、まだまだハードルはある。

子育ても、キャリアも、これ以上ないくらい頑張っている。

だけど、恋愛や再婚活は、忙しさや罪悪感からついつい後回しに…。

でも、家族で幸せになりたい、と勇気を持って再婚活に踏み出せば「子どもがかわいそう」「母親なのに…」と何も知らない第三者から責められる。

これは、第2の人生を娘と共に歩む決意をした、シングルマザー沙耶香の物語だ。

「東京マザー婚活」一挙に全話おさらい!



第1話:ママが再婚するなら早いうち!子どもが大きくなってからでは遅いワケ

真子が離婚した理由は、元夫の浮気。彼がある日、浮気相手に子どもができたからと、突然家を出て行ったのだ。

バリキャリの真子は「もう男なんて信じないし必要ない」と言っていたが、出会いは人を変えるものだ、と沙耶香は感心する。

「ねぇ、2人は?いい人はいないの?」
「いや、私はもう結婚とか恋愛とかはいいです。今は子育てと仕事で精いっぱいなので…」

沙耶香がそう答え切らないうちに、真子は前のめりに「でもね」と話を遮った。

「沙耶ちゃんも由梨ちゃんも、もう34歳でしょう?再婚市場だってね、若さって大事なのよ。それにね…」

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第2話:婚活パーティーで男性の列が絶えない30代女性。彼女がモテる意外な理由

「性格の不一致!?あははー、それは沙耶ちゃんが悪いね、うん。一回結婚までして子どもまで作ったんだから、一応最後まで頑張るのが筋でしょ?なのに、理由が“性格の不一致”なんて、忍耐力なさすぎでしょ。一応言っておくんだけどさ…」

そこから“イチオー”はスイッチが入ったのか、延々持論を繰り広げた。

“男の数回の浮気など裏切りのうちに入らない”とか、“女の子育ては当たり前で、最近の男性育児参加の傾向が日本を弱くしている”とか、謎の意見を並べ立てる。

そして、最後に言い放った。

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第3話:婚活パーティーで出会った31歳男。見た目も職業も完璧なのに、デートで見せたヤバい一面

『Yuta:良かったら、ご飯でもどうですか?来週とか』

沙耶香は驚き由梨にLINEの画面を見せる。

「沙耶香も?なら、同じ日で時間をずらして、お互いに子どもを預け合わない?」
「いいね、夕方に会えるか聞いてみる」

由梨の息子の和樹は5歳。沙耶香の娘・美桜は6歳と年齢が近いので、たまに一緒に遊ぶ仲だ。子どもたちも遊べるしと、沙耶香は心が軽くなり、早速デートの約束を取り付けることにした。

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第4話:「デートのルールを決めようか」38歳男が言い出した、驚きの提案とは

土曜日の18時。好美の夫である圭の会社の先輩を紹介してもらうため、沙耶香は中目黒にある『韓すき 東山』に来ていた。

好美はこの日のために、シッターまで雇い、子どもを預けて圭と一緒に参加している。

「あー、美味しい!大人だけの飲み会なんて、久しぶり!」
「今日はありがとうね」
「全然、沙耶香ちゃんのためだから。あ、先輩、もう少しで来るって」

5分ほどして、その男性がやってきた。

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第5話:ブランドバッグを持っているだけで、嫌味を言われる…。シンママの知られざる苦悩とは

わざわざ言いたくなかったが、離婚のことを隠すと後々面倒くさそうなので、沙耶香は正直に答えた。すると、雪ちゃんママの顔色が変わった。

「あ、そうなんだー。なんかごめんね。1人なんて大変だよね、頑張ってるね」
「いえいえ…」

今度は同情モードか?と思っていると、彼女はさらに饒舌になった。

「でもそっか。シングルマザーだと学童とかタダになるんでしょ?ここの学童人気だから、ラッキーだったね」

沙耶香は「はい?」と思わず聞き返した。

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第6話:バツイチ同士の恋は難しい。再婚間近だった女が、直面した悲しい現実

子どもたちが別室で遊んでいるのを確認すると、由梨はワインの入ったグラスをゆっくりと回しながら言った。

「私ね…実は、ちょっといい人ができたんだ」
「本当?どんな人?」
「会社の人。ずっと憧れの上司って感じだったんだけど、最近プロジェクトが同じになって、それで急に親しくなって…」

沙耶香は嬉しそうに「よかったね」と祝福するが、由梨の表情はどこかくらい。

「何?問題でもあるの…?」
「それがね…」

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第7話:初デートの後、毎日LINEしていたのに…。ある日突然男からの連絡が途絶えたワケ

『Sayaka:ごめんなさい、娘が熱が出たので、またにしてもらえますか?』
『Ryuji:大丈夫ですか?何か必要なことがあったら言ってください。お大事に』

こんな感じで、お互いの子どもが風邪になったり怪我をしたり、または仕事が入ったりと続き、結局5回連続キャンセルが続いた。

しかし、LINEは毎日送り合い、たまに電話で話していたので、お互いに熱が冷めることはなかった。

そうして1ヶ月ほど経ったある日。突然、隆二からの連絡が途絶えたのだ。

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第8話:2年半ぶりに再会した元夫とキス!?でも次の瞬間、元妻が幻滅したワケ

「私たちさ、もっと離婚の前に本音を話せたら良かったのかもね」
「そうだな、今さらだよな。でも、離婚をしたからこそ、大切なことに気がつけたんだ」

きっかけは、些細なことだった。美桜の保育園の発表会にこないだとか、遊園地に行く約束を破っただとか、そんなこと。

けれど、小さなすれ違いが積み重なって、気がつけば修復できない大きな溝になっていたのだ。

本音を話そうにも、お互いこれ以上傷つきたくないとばかりに、心に鎧を纏い相手を攻撃して、まともな話もできなかった。

― もっと素直になれていたら、今もまだ夫婦でいられたのかな…。

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第9話:既婚者との恋に溺れた34歳女。デートの度に罪悪感に苛まれるも、気持ちが抑えられず

「ごめんね、ありがとう。うちの親が旅行に行ってるから、助かったよ」
「全然、和樹くんならいつでも大歓迎だよ。美桜も喜ぶし」

由梨は、いつも以上におしゃれをしている。いつもは履かないシフォンのロングスカートにヒール、そしてわずかな香水の香り。

「由梨、もしかして既婚者の彼と続いてるの?」
「うん…」

由梨は、嬉しさと後ろめたさで揺れ動いているように見えた。

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第10話:同窓会で高校時代の彼氏と16年ぶりに再会。女が今は独身だと伝えると…

高校時代の同級生、春子から『久しぶりに、同級生で集まらない?東京で』と連絡がきてから1ヶ月。彼女から、沙耶香にLINEが届いた。

埼玉出身の沙耶香たちは、上京組でプチ同窓会をすることになったのだ。参加を表明した沙耶香だったが、参加メンバーを見て、がっかりする。

― なんだ、陽平は来ないんだ…。

沙耶香は陽平を誘ってみようと思ったが、あれから偶然会うこともなく、連絡先を知っているわけでもない。

はぁ、と沙耶香がため息をついた時、自分が陽平を気にかけていることに気がついた。

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第11話:「えっ、うそ…」定期的に会っていた男が結婚することを知り、34歳女はショックを受け…

「陽平、結婚するの…?」
「うん、僕のパパとそんな話してたよ。結婚式がどうとか、スピーチをどうするか、とか」

浩太は、そう言い残すと、向こうの遊具で遊んでいた美桜と陽平のところに駆け寄って行った。

― 嘘でしょ…?

頻繁に会っているから、陽平に彼女がいるなど想像すらしていなかった。けれど由梨の言う通り、彼も34歳でいい大人だ。婚約者がいたって、何も不思議ではない。

由梨の前では「そうかもね」などと答えていた沙耶香だったが、いざ本当に結婚をすると聞かされると、心臓がバクバクと大きな音を立てる。そこに、遊び疲れた陽平が戻ってきた。

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第12話:「子どもを預けてデートなんて、ネグレクト!?」シングルマザーの再婚活を阻むものとは

「2人分ですか?」
「えぇ、うちは2人なので」

晶子は「へぇ」と言いながら、沙耶香と美桜の全身をじっくりと見る。

「子どもがいるって、いい武器ですね」

そう言い残して、晶子は「それじゃ」とにっこりと笑って去って行った。

― 子どもが武器ってどういう意味?っていうか、この女何なの?

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第13話:元夫とも別の男とも定期的に会うバツイチ34歳女。「バランスがいい」と豪語するが、本音は…

「俺は沙耶香が好きだよ」

まさか陽平から告白されるとは、しかもこのタイミングで言われるとは想定しておらず、沙耶香は思考が止まる。

「本当は、沙耶香と美桜の気持ちがもっと固まるまで、待とうと思っていたんだ。けれど、気持ちを伝えないことで沙耶香が離れてしまうくらいなら、自分の気持ちを知っておいて欲しかった」

初めに沙耶香の心を占めたのは、ただ嬉しいという感情だった。

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第14話:彼氏を初めて家に泊めるタイミング。付き合ってからどのくらいがいい?

陽平と付き合うようになってから、半年。大きく生活が変わることなく順調に、沙耶香たちの仲は深まっていった。

お互いに仕事に追われていない休日は、陽平が沙耶香たちの家に来たり、3人で遊びに出かけたりして過ごす。

陽平と2人きりになれるのは、美桜が習い事に行っている間か、彼女が寝た後の1、2時間だけ。

ただ、沙耶香は陽平を家に泊めることには、まだ抵抗があった。

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第15話:「仕事が忙しかったのは本当なんだけど…」突然3週間連絡が取れなくなった男。予想外のお願いとは

陽平とは、定期的に連絡を取り合っていたのに、ある日を境に突然連絡が来なくなった。

心配した沙耶香はLINEをしたが、仕事が忙しいので少し待ってほしい、と言われていた。

3週間ほどして、ようやく彼から連絡がきた。

『Yohei:今週末、どこかで会えないかな?2人で』

週末の土曜日は、梅雨に入る直前のからりと晴れた日だった。

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