今秋の花粉症は「目」に注意、インフルやコロナとの見分け方は?眼科医に聞く傾向と対策
花粉症と言うとスギ花粉のイメージが強いですが、8月下旬から10月にかけて花粉症を引き起こす人も多いそうです。原因となる植物はブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど。特に今年はブタクサが猛威を振るっているとか。医療法人社団久視会いわみ眼科の岩見久司先生に、この秋の花粉症について聞きました。
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Q:この秋の花粉症の傾向を教えてください。
【岩見久司先生】花粉症は季節性アレルギーとも呼ばれますが、春は木の花粉であるスギ・ヒノキ、秋は雑草の花粉であるブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの植物から花粉が飛び出したものに触れて生じます。
人によっても異なりますが、この秋の花粉は鼻水・くしゃみなどのアレルギー性鼻炎の症状は軽度で、目の症状が強い方が多いです。また、目が痒いだけでなく、目やにが出る、目の異物感が出るという方が、個人的には多い印象です。
Q:やはり受診する人も増えてきていますか? かゆみ以外に見られる症状はどんなものがありますか。
【岩見久司先生】アレルギー性結膜炎が酷くなったという方が、8月下旬頃から激増していますね。
目のかゆみで受診される方もおられますが、アレルギー性結膜炎の症状として、目の充血、白い糸を引くような目やに、目の異物感も含まれます。目やには非常に特徴的で、粘りが強く、擦って取ろうとしてもなかなか取れないという訴えもよく患者様から伺います。異物感から「ドライアイでは?」と自己判断されて受診される方も少なくありません。
■変異株によりインフルやコロナなど感染症との見分け方は難しい
Q:これからインフルエンザも本格的なシーズンとなってきます。風邪や新型コロナウイルスなどの感染症と、花粉症の見分け方がつかないなんてこともありますか?
【岩見久司先生】非常に見分けるのが難しいと思います。いわゆる風邪は急性上気道炎という名前が正式名称なのですが、上気道の症状として鼻水くしゃみもあり言えますし、コロナウイルスで目の充血もあります。
新型コロナウイルス患者を初めて指摘したのは中国の眼科医でありましたし、特に最近の株は目の充血が多いと言われています。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスの患者様との接触歴や、地域での流行を考えて総合判断する必要があると思います。
Q:日常生活でできる花粉症対策は?
【岩見久司先生】花粉症を含めて、アレルギーは「アレルギーの元(アレルゲン)を体に入れない」が基本になります。花粉は外の環境中で飛んでいますので、洗濯物を家で干す、家に帰ったときは体や髪の毛を軽くはたいてから入る、こまめな掃除機をかける、は有効です。
また、重症の方であれば目に直接入らないようにするためにゴーグル型の眼鏡で保護するのも効果的。マスクの使用も体全体のアレルギー症状を和らげることから、有効になります。
Q:市販の薬もありますが、病院や医院を受診するとどんな治療が受けられますか?
【岩見久司先生】日本の医療制度の関係で、市販薬は長く使われて安全を確認されたものが販売されています。そのため、言ってみれば市販薬は少し古い世代の薬になります。
新しい世代の薬は医師の処方が必要で、点眼としては抗ヒスタミン剤、ステロイド、免疫抑制剤があり、非常に良く効きます。
アレルギー性鼻炎の症状も併発しているのであれば、抗ヒスタミン剤の内服で目にも同時に効くこともあります。花粉症による症状や集中力の低下から、無治療の花粉症は労働効率を低下させ社会的な負担になると言われております。「花粉症かな?」と思ったら我慢せずに受診することをおすすめします。
〇記事監修/岩見久司先生
医療法人久視会 いわみ眼科理事長。眼科専門医。医学博士。2018年にいわみ眼科を開業。専門は加齢黄斑変性などの網膜疾患だが、前眼部から後眼部まで、眼科全般の診療を行う。小児の近視治療にも力を入れている。ライフワークは「眼科医療の底上げ」であり、啓蒙活動や後輩の教育にも力を入れている。
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Q:この秋の花粉症の傾向を教えてください。
【岩見久司先生】花粉症は季節性アレルギーとも呼ばれますが、春は木の花粉であるスギ・ヒノキ、秋は雑草の花粉であるブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの植物から花粉が飛び出したものに触れて生じます。
Q:やはり受診する人も増えてきていますか? かゆみ以外に見られる症状はどんなものがありますか。
【岩見久司先生】アレルギー性結膜炎が酷くなったという方が、8月下旬頃から激増していますね。
目のかゆみで受診される方もおられますが、アレルギー性結膜炎の症状として、目の充血、白い糸を引くような目やに、目の異物感も含まれます。目やには非常に特徴的で、粘りが強く、擦って取ろうとしてもなかなか取れないという訴えもよく患者様から伺います。異物感から「ドライアイでは?」と自己判断されて受診される方も少なくありません。
■変異株によりインフルやコロナなど感染症との見分け方は難しい
Q:これからインフルエンザも本格的なシーズンとなってきます。風邪や新型コロナウイルスなどの感染症と、花粉症の見分け方がつかないなんてこともありますか?
【岩見久司先生】非常に見分けるのが難しいと思います。いわゆる風邪は急性上気道炎という名前が正式名称なのですが、上気道の症状として鼻水くしゃみもあり言えますし、コロナウイルスで目の充血もあります。
新型コロナウイルス患者を初めて指摘したのは中国の眼科医でありましたし、特に最近の株は目の充血が多いと言われています。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスの患者様との接触歴や、地域での流行を考えて総合判断する必要があると思います。
Q:日常生活でできる花粉症対策は?
【岩見久司先生】花粉症を含めて、アレルギーは「アレルギーの元(アレルゲン)を体に入れない」が基本になります。花粉は外の環境中で飛んでいますので、洗濯物を家で干す、家に帰ったときは体や髪の毛を軽くはたいてから入る、こまめな掃除機をかける、は有効です。
また、重症の方であれば目に直接入らないようにするためにゴーグル型の眼鏡で保護するのも効果的。マスクの使用も体全体のアレルギー症状を和らげることから、有効になります。
Q:市販の薬もありますが、病院や医院を受診するとどんな治療が受けられますか?
【岩見久司先生】日本の医療制度の関係で、市販薬は長く使われて安全を確認されたものが販売されています。そのため、言ってみれば市販薬は少し古い世代の薬になります。
新しい世代の薬は医師の処方が必要で、点眼としては抗ヒスタミン剤、ステロイド、免疫抑制剤があり、非常に良く効きます。
アレルギー性鼻炎の症状も併発しているのであれば、抗ヒスタミン剤の内服で目にも同時に効くこともあります。花粉症による症状や集中力の低下から、無治療の花粉症は労働効率を低下させ社会的な負担になると言われております。「花粉症かな?」と思ったら我慢せずに受診することをおすすめします。
〇記事監修/岩見久司先生
医療法人久視会 いわみ眼科理事長。眼科専門医。医学博士。2018年にいわみ眼科を開業。専門は加齢黄斑変性などの網膜疾患だが、前眼部から後眼部まで、眼科全般の診療を行う。小児の近視治療にも力を入れている。ライフワークは「眼科医療の底上げ」であり、啓蒙活動や後輩の教育にも力を入れている。