【韓国・全州】「全州ナンジャン」のメインの建物。この中にさまざまなレトロ展示が

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釜山や済州に次ぐ人気エリア、全州(全羅北道)は、美味しいものと観光資源がギュッと詰まった観光都市。地方旅行の入門編として最適だ。

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今回も前回(【気になる韓国、ソウルの今 vol.8】アフターコロナを実感「全州」のホットスポットに咲く“チマチョゴリの花”)に続き、韓屋マウル(伝統家屋街)散歩を続けよう。

01 チーズ焼き鳥などの創作フードの店に行列を作る若者たち

韓屋マウルのランドマーク、殿洞聖堂

慶基殿の向かい側にある殿洞聖堂(ジョンドンソンダン)。全羅道初のロマネスク様式の聖堂だ。

若きチョン・ドヨンとパク・シニャンの主演映画『約束』(1998年)のラストや、チャン・ドンゴンとウォンビンの主演映画『ブラザーフッド』の中盤にも登場した、絵になる建物である。

取材時(5月)は補修工事の真っ最中だったが、室内には入ることができた。日本のみなさんが訪問する頃には全景を愛でることができるだろう。

朝鮮の神殿ともいえる慶基殿と西洋の神殿である殿洞聖堂が向かい合わせで存在しているところが、我が国のカオスな歴史を象徴するようでおもしろい。

伝統の街に『イカゲーム』の風

韓屋マウルの中央部にある工芸名品ギル(工芸品通り)には、シーズン2の製作も発表されたNetflixの人気ドラマ『イカゲーム』をモチーフにした路上アートや商品の販売が目立つ。

このドラマは韓国人が子供のときに遊んだメンコ、型抜き、ビー玉、ムクゲの花が咲きました(だるまさんがころんだ)などに、食いつめた大人たちが生死をかける人たちの物語だった。

横丁にはあちこちに型抜き(カルメ焼き)の屋台が出て、若者が群がっている。

『イカゲーム』で脚光を浴びた昔の遊びに興ずる子供たちの嬌声が耳に心地よい。

レトロの風が吹く全州ナンジャン

韓屋マウルを北上すると、70〜80年代の映画看板、昔のマッコリ酒場、錆びた自転車などでタイムスリップ空間を演出した施設に出合う。

その名も「全州ナンジャン」。ナンジャン(乱場)とは、露店が集まった状態などカオスな空間を指す言葉だ。いわばレトロのテーマパーク。

韓屋マウルの旧家約10軒をリノベーションしたもので、散歩しながらカラオケ、ゲームセンター、ゴーゴークラブ、昔のおもちゃなどを見物できる。展示されているレトログッズは7万点にも及ぶ。

「全州ナンジャン」の隣りは「現代劇場」という看板がかかった建物がある。昔の映画館を再現した居酒屋だ。

著作権に配慮したのか、映画の絵看板を架空らしきものにしているところがいかにも今っぽい。

取材協力:全州市観光拠点都市推進団、全羅北道国際協力課国際協力係

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