「これって不倫?」義理の弟にときめく主婦、「今の生活が孤独だから」姑の味方をする夫に失望し…裏切りの理由
夫の転勤で義実家のある埼玉に引っ越してきた専業主婦のアヤ。幸せな生活から一変、姑との関係や夫のマザコンぶりに息苦しさを感じている。孤独なアヤに唯一、優しく接してくれたのが、義理の弟・ツバサ。惹かれあった二人は、密かに愛を育んでしまう――。ネットで大きな反響を呼んでいるコミック『夫がいても誰かを好きになっていいですか? アヤの選択』(KADOKAWA刊)。平凡な主婦が夫を裏切ってしまった理由は…? 著者のただっちさんに、作品に込めた想いを聞いた。
【漫画】「夫はいつも義母の味方…」孤独に追い込まれた主婦の心が離れた瞬間
■話を聞かない夫に意見が言えない、孤独な主婦のリアル
――主人公のアヤは、夫以外の男性にときめき、不倫の恋に走ってしまいます。何が彼女をそうさせたのでしょうか?
【ただっちさん】アヤは、夫や姑にもなかなか強く意見を言えないキャラクターで、本来は不倫するようなタイプではありません。でも、親族とコミュニケーションをとる中で、夫が自分の味方になってくれないので、孤独感がどんどん大きくなっていきます。そんな時に、好きだなと思う人が現れ、心をストップしてくれるものがなかったんです。
――恋する気持ちを止めてくれる人や環境?
【ただっちさん】そうですね。熱中したくなるような趣味もなく、マイペースに過ごしています。もしかすると、アイドルとかにハマっていたら、そんなことはなかったのかもしれないですけど。
――姑から食べきれないほどの柿が何度も届いて、アヤが困るシーンがあります。断っても聞き入れてくれず、夫からは「なんで母さんの好意を無下にするんだ」と怒られてしまいます。
【ただっちさん】柿がありすぎても困りますよね(笑)。夫が姑から自分をかばってくれたり、量が多くて困っているという気持ちをもっと伝えてくれたりしていたら、また違っていたと思います。柿のエピソードを機に夫は自分の気持ちを理解してくれないとわかり、アヤのなかでモヤモヤが積もっていきます。
■趣味や生きがいがない=恋人に依存? 不倫をしてしまう理由
――ただっちさんは、東京大学大学院で心理学を学んでいます。作品中にもそれは活かされていますか?
【ただっちさん】はい。作品のなかで、恋愛や他人に依存傾向のある人物をよく描いているので、大学院で学んだ「どういう人が依存してしまうか」ということが活かせているかなと思います。例えばこの作品では、アヤが経済的に自立しようとせず、旦那さんに依存しているところ。あとは、趣味を見つけようとしない。趣味や生きがいがあまりない人は、恋人や友達に依存しちゃうことが多いです。友達も少なかったりしますね。
――それでアヤは恋愛に依存して、不倫してしまったんですね。また姑も、だいぶ子どもへの依存傾向がありそうです。
【ただっちさん】田舎の専業主婦で親世代の方は、自分の家や家族を守るのが一番の役割だと考えている方が多いように思います。そして、趣味や仕事や生きがいがないので、子どもに依存してしまう。あと、田舎のほうが噂話を好きな人が多いのかなと思っていて。噂話が好きということは、自分の世間体を気にする人が多いのかなと。
――「まだうちには孫がいない」なんてエピソードはよく聞きますね。
【ただっちさん】そうですよね。夫もこれといった趣味がなく、帰宅後や休日はずっと自宅に居るタイプで、彼もまた母親に依存しています。妹も親に依存している。弟だけは、大学へ進学してすぐに一人暮らしを始めているので、あまりそういうタイプではないですね。ただ、誰でも多かれ少なかれ、依存する傾向はあると思います。
――逆に、依存傾向が少ないタイプは?
【ただっちさん】何か熱心に取り組めるものがあったら、依存傾向は少ないと思います。例えば仕事とか、自己実現できるものですね。この作品では、そういった依存傾向についても隠れたテーマとしています。
■じつは隠れた願望…不倫の恋に“憧れる”女性たち
――読者の方は、どんな方が多いでしょうか。
【ただっちさん】不倫や浮気に興味がある…という人が結構いるのではないでしょうか。ちょっと失礼かもしれませんが、この漫画を読んでくださっている方がたくさんいるのは、そういう部分があるからじゃないかと思います。
――日々にストレスを感じていて、気持ちを発散させたいという読者もいるかもしれません。
【ただっちさん】1回結婚すると、離婚するのにはかなりのエネルギーが要りますからね。みなさんが日々抱えている旦那さんやお姑さんなどとのモヤモヤを思い出しながら、この漫画を読んでくださることで、ちょっとだけスカッとしていただけたらいいですね。
(取材・文/渡辺麻美)
■話を聞かない夫に意見が言えない、孤独な主婦のリアル
――主人公のアヤは、夫以外の男性にときめき、不倫の恋に走ってしまいます。何が彼女をそうさせたのでしょうか?
【ただっちさん】アヤは、夫や姑にもなかなか強く意見を言えないキャラクターで、本来は不倫するようなタイプではありません。でも、親族とコミュニケーションをとる中で、夫が自分の味方になってくれないので、孤独感がどんどん大きくなっていきます。そんな時に、好きだなと思う人が現れ、心をストップしてくれるものがなかったんです。
――恋する気持ちを止めてくれる人や環境?
【ただっちさん】そうですね。熱中したくなるような趣味もなく、マイペースに過ごしています。もしかすると、アイドルとかにハマっていたら、そんなことはなかったのかもしれないですけど。
――姑から食べきれないほどの柿が何度も届いて、アヤが困るシーンがあります。断っても聞き入れてくれず、夫からは「なんで母さんの好意を無下にするんだ」と怒られてしまいます。
【ただっちさん】柿がありすぎても困りますよね(笑)。夫が姑から自分をかばってくれたり、量が多くて困っているという気持ちをもっと伝えてくれたりしていたら、また違っていたと思います。柿のエピソードを機に夫は自分の気持ちを理解してくれないとわかり、アヤのなかでモヤモヤが積もっていきます。
■趣味や生きがいがない=恋人に依存? 不倫をしてしまう理由
――ただっちさんは、東京大学大学院で心理学を学んでいます。作品中にもそれは活かされていますか?
【ただっちさん】はい。作品のなかで、恋愛や他人に依存傾向のある人物をよく描いているので、大学院で学んだ「どういう人が依存してしまうか」ということが活かせているかなと思います。例えばこの作品では、アヤが経済的に自立しようとせず、旦那さんに依存しているところ。あとは、趣味を見つけようとしない。趣味や生きがいがあまりない人は、恋人や友達に依存しちゃうことが多いです。友達も少なかったりしますね。
――それでアヤは恋愛に依存して、不倫してしまったんですね。また姑も、だいぶ子どもへの依存傾向がありそうです。
【ただっちさん】田舎の専業主婦で親世代の方は、自分の家や家族を守るのが一番の役割だと考えている方が多いように思います。そして、趣味や仕事や生きがいがないので、子どもに依存してしまう。あと、田舎のほうが噂話を好きな人が多いのかなと思っていて。噂話が好きということは、自分の世間体を気にする人が多いのかなと。
――「まだうちには孫がいない」なんてエピソードはよく聞きますね。
【ただっちさん】そうですよね。夫もこれといった趣味がなく、帰宅後や休日はずっと自宅に居るタイプで、彼もまた母親に依存しています。妹も親に依存している。弟だけは、大学へ進学してすぐに一人暮らしを始めているので、あまりそういうタイプではないですね。ただ、誰でも多かれ少なかれ、依存する傾向はあると思います。
――逆に、依存傾向が少ないタイプは?
【ただっちさん】何か熱心に取り組めるものがあったら、依存傾向は少ないと思います。例えば仕事とか、自己実現できるものですね。この作品では、そういった依存傾向についても隠れたテーマとしています。
■じつは隠れた願望…不倫の恋に“憧れる”女性たち
――読者の方は、どんな方が多いでしょうか。
【ただっちさん】不倫や浮気に興味がある…という人が結構いるのではないでしょうか。ちょっと失礼かもしれませんが、この漫画を読んでくださっている方がたくさんいるのは、そういう部分があるからじゃないかと思います。
――日々にストレスを感じていて、気持ちを発散させたいという読者もいるかもしれません。
【ただっちさん】1回結婚すると、離婚するのにはかなりのエネルギーが要りますからね。みなさんが日々抱えている旦那さんやお姑さんなどとのモヤモヤを思い出しながら、この漫画を読んでくださることで、ちょっとだけスカッとしていただけたらいいですね。
(取材・文/渡辺麻美)