京都蹴鞠保存会メンバーが下鴨神社・糺ノ森で日本の伝統球技「蹴鞠」を実演

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関西ラグビー協会は京都迎賓館で行われた「ラグビーワールドカップ2019プール組み合わせ抽選会」に合わせて、5月10日にワールドカップ参加国のコーチなどの関係者を招いて、下鴨神社・糺ノ森にて蹴鞠と「第一蹴の地」記念碑の視察会を開催した。

【写真を見る】下鴨神社・糺ノ森で初めて日本人同士のラグビーの練習が行われたことを記念した「第一蹴の地」の記念碑

日本のラグビーの起源は、1899年にイギリス人のE.B.クラークが慶應義塾大学でラグビーの指導を行ったことに始まるが、1910年9月には下鴨神社・糺ノ森で、慶應義塾大学生と旧制第三高等学校(現 京都大学)生徒による、日本で初めてとなる日本人同士によるラグビーの練習が行われた。

そのことから、下鴨神社・糺ノ森は“日本ラグビーの聖地”としてラグビー関係者を中心に知られており、1969年10月には、この歴史を後世に伝えるために、糺ノ森を「第一蹴の地」とする記念碑も建立された。

視察会には、アイルランド、アルゼンチン、南アフリカ、日本をはじめとしたラグビーワールドカップ2019の参加国のヘッドコーチをはじめ、京都市の門川大作市長、慶應義塾大学や京都大学のラグビーチームOBが出席した。

下鴨神社の新木直人宮司とラグビーワールドカップ2019組織委員会の御手洗冨士夫会長による挨拶に続き、京都蹴鞠保存会による「蹴鞠」の実演がスタートした。

約1400年前、仏教伝来とともに中国大陸から伝わったとされる蹴鞠は、中国や東南アジアで廃れていったのに対して、日本で独自の発達を遂げて、鎌倉時代になる頃には、宮中で親しまれるようになった。蹴鞠の“和を以って尊しとなす”の精神は、ラグビーの“ONE FOR ALL, ALL FOR ONE”の精神にも通じることから、抽選会のために海外からやってきた参加国関係者に向けて披露された。

蹴鞠の披露のあとには、参加国関係者が「第一蹴の地」記念碑を視察。その後、ワールドカップの成功を祈願するために用意されたラグビーボールを模した大型絵馬への署名が行われた。

今回の視察会を企画した洛北高校ラグビー部出身の関西ラグビー協会、坂田好弘会長は、視察会後の記者会見で「“第一蹴の地”の記念碑を世界に紹介したいという夢が叶った。2019年のラグビーワールドカップに向けて関西からもどんどん情報発信をしていきたい」と喜びを滲ませた。

2015年にイングランドで行われたラグビーワールドカップでは、強豪国・南アフリカへの勝利や五郎丸の活躍など、2019年に向けての飛躍を感じさせてくれたラグビー日本代表チーム。2019年は、ホスト国の代表チームとしてどんな活躍をしてくれるのか、今後の日本ラグビー界の盛り上がりに注目したい!【関西ウォーカー編集部/スズキヒロシ】