「長生き」するかは、旦那(妻)次第!?  婚活で選ぶべき相手とは?

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“孤独は喫煙よりも体に悪い”

感慨深い気持ちにさせられるこの文は、『友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法』の著者・石川善樹さんによるものです。

『科学が証明する「つながり」の驚くべき健康力』を副題にした本書は、さまざまなつながりがどんな効果をもたらすかを、予防医学の観点を含めて立証してくれています。

さて、あなたには大事な「つながり」がいくつありますか? 仕事仲間? 同窓生? つながりの「多さ」ももちろん大切ですが、もっとも幸福感が高く、長寿になりやすいのが、身近な人たちとのつながりの「質」だと石川さんはいいます。であれば、一生のうち多くの時間を一緒に過ごす「伴侶」選びは、慎重に行いたいものですよね。婚活中の人は以下のような人を探せば、あなたを長生きさせるベストパートナーになるかもしれませんよ⁉

■あなたの寿命を延ばす「体にいい人」とは?

一言でいうと、頼れる人。心から信頼できる人といえるでしょう。当たり前のように聞こえますが、実際に婚活する際、とにかく頼れる人は、“いい人”で終わってしまいがちなことがあります。これから出会う人は、あなたの健康を助長してくれる人物だと思って、観察してみましょう。

予防医学を研究する石川さんによれば、食生活やウォーキングよりも、健康になるためには「つながり」がもっとも重要だといいます。

「つながりを平たく言えば、人間関係です。接する人すべてが、あなたの体や心、さらには脳にまで影響を与えます。そう考えると富を築くより、親密でよい人間関係を築くことが、人生でもっとも大事といえるかもしれませんね」(石川さん)

■SNSでの「つながり」の捉え方

投稿された写真や文章への捉え方はおのおの。例えば、レストランガイドで三ツ星のレストランに行ったという投稿を見たとして、「いい大人が自慢して、恥ずかしい」と捉える人がいれば、「家にばかりいないで、自分も次の休日は友達でも誘って行ってみよう」と捉える人もいます。

活動量を増やす、という意味ではSNSがいい役割になってくれることもあり、つながりの観点からは賛否両論です。また投稿された“感情”が、伝染することも明らかになっています。結論から述べると、ポジティブな投稿をみた人は同じようにポジティブな投稿をするようになり、ネガティブな投稿も同じように連鎖していたのです。また、昔であればもう二度と会うこともなかった人との関係が、SNSを通じて何十年ぶりかに生まれることがあるほか、病床についていて外出がままならない人にとっては、大切なつながりツールにもなり得るのがSNSです。

「つながりを作るのが下手だと自認している人は、SNSをきっかけにつながりを作るのもいいかもしれません」(石川さん)

SNSは、あなたの心持ちと使いかた次第で、QOL(クオリティオブライフ)を向上させるか否かが決まるといえそうです。

■親密なつながりを作りたいなら……

「必要のない残業をするなら、ぜひ友だちに会いに行きましょう」と石川さん。家に帰ってもすることがないし、だったら仕事でもしておこうという脳の持ち主は、発想の切り替え時です。

「あまり知られていませんが、他人のためにお金を使うことは、実は脳の大好物。幸せホルモンの異名をとるセロトニンがどんどん出るんですよ」(石川さん)

“お金では買えない幸福感を味わえるのが、他人のためになにかをすること”なのですね。確かに、感謝されたいわけではないのに誰かを助けるとき、達成感が得られますよね。

「最初は難しいかもしれないですが、この人と仲良くなりたいなと思ったら、弱みを見せることが有効だったりします。相手も『実はわたしも……』と本音を語り始めてくれるからです」(石川さん)

親密なつながりを持つ方法がわからなかい人は、まずは自分のことをオープンに話してみるといいかもしれません。とはいえ何を話せばいいか分からない場合は、相手に負担にならない程度の話題、「単純な失敗談」を披露してみましょう。

■欧米では孤独死がまれ

「昨今、日本で頻繁に話題になるのが、孤独死です。家族も友だちもいない高齢者が、ひっそりと一人で亡くなってしまい、腐敗臭がするまで気づかれないということが、多々起きています。いっぽう欧米では、たとえ家族がいなくても近所の人と関わりを持つことが多いので、孤独死があまり起きないそうです。意外かもしれませんが、日本人は家族以外の人との付き合いが少ないというデータがあります。つまり家の外にどれだけつながりを作れるかが孤独死を防ぐのには大きな役割を果たすともいえますね」(石川さん)

本書には、作り笑いをするだけでも、2年寿命が伸びたという研究も記されています。ということは、ひとり身でも作り笑いをしていれば長生きできる!? ……でも、それはちょっと悲しいですよね。つながりを増やすことは、お金のかからない健康法だといえそうです。

■まとめ

いかがでしたか? 人とのつながりが健康や寿命に関係しているなんてビックリですよね。とはいえ冒頭でお伝えしたように、つながりは多ければいい訳ではなく「質」が大事。友情でも家族でも、あなたが心から信頼できて、心から笑える相手を大切に、時間を過ごしてくださいね。

(パツワルド敬子)

■石川善樹さんプロフィール

1981年、広島県出身。予防医学研究者・医学博士。東京大学医学部を卒業後、ヘルスケア系コンサルティング会社の勤務を経て、ハーバード大学公衆衛生大学院を修了。現在は「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして研究し、常に「最新」かつ「最善」の健康情報を提供している。専門分野は行動科学、ヘルスコミュニケーション、統計解析等。著書に『友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法』、『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座』、『最後のダイエット』がある。

■『友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法』(マガジンハウス)