男女の「脳」の違いから見る! 彼氏とのケンカを劇的に減らす方法3つ

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どんなに仲のいいカップルでも、ささいなことでケンカになってしまうもの。できればケンカなんてしたくないと思っている女性は多いはずです。では、どうしたら男女間のケンカを減らせるのでしょうか。そこで今回は、男女がもつ「脳の違い」に焦点をあて、ケンカの起こる原因とその回避方法を脳科学コメンテーターの黒川伊保子さんに伺いました。

カップルは「既婚」「同棲中」「恋人」の3タイプに分類。女性499名にとったアンケート結果からそれぞれケンカの起こりやすいシチュエーションベスト3とその対処法を、脳科学の視点からアドバイスしていただきました。

既婚者編

[第1位]家事

ー既婚者のケンカの原因の第1位は「家事」でした。家事の分担や、旦那さまが手伝ってくれないことに不満を募らせるようです。女性の多くは働いているのは一緒なのに、自分ばかりが家事をやっているのは不公平だと感じています。

「家事労働に関すると女性脳は、男性脳に比べて3倍の処理能力があります。つまり、男性は実質6分の1しか働いていなくても、半分やったと認識するのです。たとえば、女性は歯を磨きながら鏡を拭いたり、洗濯物を干した帰りに床の新聞を拾い上げたりという、ついでに何かをするということができますが、男性は不得意です。」

「たとえば「ゴミ捨て」に関して。女性はまずゴミ袋を用意するとこからはじめて、分別の日時を確認し、ゴミを捨てるという一連の流れで認識しますが、男性は最後の『ゴミをゴミ捨て場にもっていく』だけをゴミ捨てと考えています。どうしても家事を半分手伝ってほしいのであれば、男性はやることの6分の1しか気が付かないので、残りの6分の2は具体的に指示を与えほうが、男性もやりやすくなります。『私はこれだけやっているのに、なんでできないの!』という言葉は男性には理解できないのです。(黒川さん)

[第2位]子育てについて

ー子育てについて、男女の意見が異なることは多いようです。進学を例にすると、私立に行かせたい母親と公立でいいという父親というような話をよく聞きます。意見が対立した時はどうしたらいいでしょうか?

「天才物理学者であるアインシュタインの話をさせてください。再婚同士で結婚したアインシュタインが、あるパーティーへ出席したときに『夫婦仲のいい秘訣(ひけつ)は何ですか?』と質問されたときのことです。夫妻は、奥さまの提案で、『話し合ってもケンカになるので、話し合いはせず、どうでもいいことは奥さまが、大事なことはアインシュタインが決める』ようにしていたそうです。だけどアインシュタインはそのことについて『でもね、不思議なことに今まで大事なことは一度もなかったんだ。』と答えているそうです。」(黒川さん)

「男女はもともと感性が真逆の2人が、生物対応性の論理にのっとってつがいになっているので、同じ考えになるはずがないのです。どちらかの意見で決めるしかない。折衷案を探るのは難しいのです。そのため、最後は相手の判断にゆだねると決めて、その上でもっと視野を広げてほしいから、別の案もみてほしいと頼んでみる。進学の例だと、最終判断をゆだねられた父親に、『私立の学校も見てみてね』と提案すると、『自分がきちんと決めなくてはいけない』という責任感からも、素直に話を聞いてくれるようになります。」(黒川さん)

ー旦那様が子ども面倒をみないという不満がケンカの原因になることもあるようです。この場合は、どうすればいいでしょう。

「子育てがとても楽しいことだとわかってもらいましょう。すごく楽しいことだから、私が全部やりたいのだけれど、あなたにもやらせてあげるわ……というふうに。嫌なものを押し付けるのではなくて、すごく楽しくからシェアしましょうというスタンスです。私とあなたの子どもなんだから、あなたにも半分手伝う義務があるのよ! と言ったら、ケンカになりますよね。」

[第3位]生活習慣(態度)について

ー帰宅が遅くなるのに、連絡をしない。飲むと楽しくなってしまって帰宅しない。という困った旦那様にはどのように対処したらいいのでしょうか?

「男性は家から出ると、家庭の情報は圧縮して格納してしまいます。一方、女性はひとつのテーブル上に全部出しておくことができる。たとえば、女性は職場にいても雨が降ってくれば、子どもは傘を持っているかと心配できるのです。女性は思考空間の中に、今使えるバッファの領域が男性の数十倍もあるためです。そのため集中力のある男性ほど、仕事に出たら、家庭のことは思い出せません。」(黒川さん)

ーでは、どうすれば、旦那様は連絡をいれるようになるでしょうか?

「自分がどれだけ心配していたかをアピールしてはどうでしょう。この時大事なのは、何が心配なのかです。「浮気」が心配なのではなくて、事故にでも巻き込まれたのではないかという「命」の心配をしていたと思わせること。事の重大さに気がついた旦那様は、必ず連絡をいれるようになりますよ。」(黒川さん)

同棲編

[第1位]家事

つづいて同棲カップルでも一番多かったケンカの原因は、家事についてでした。対処法については、既婚者カップル同様のアドバイスが参考になるとのことです。

[第2位]お金

ー最初は生活費を折半で払っていたのに、いつのまにか彼が払わなくなったというように、お金の配分の仕方やどちらかの浪費が原因でケンカになるようです。お金の話はなかなかしづらいということもありますが、どうすればうまくやっていきるでしょうか?

「同棲した当初は疑似結婚のようで、彼に責任感もあったのですが、期間が長くなってくると彼女がただの同居人になってしまい、自分は外で食事をしたりもするのだから生活費なんて入れなくてもいいんじゃないかと思ってしまうのではないでしょうか。」(黒川さん)

ーでは、そうなる前にどうしたらいいでしょう?

「2人の生活費用にお財布を作っておくこと。そこから自分の趣味の分、洋服とかは出したらルール違反ですね。また、同棲をはじめるときに、ゴールを決めておくことです。たとえば、そのお財布の中から少しづつ貯金をしていってある程度の金額になったら結婚するとか、次にアパート更新時には同じ名字になろうとか。漫然と一緒に暮らしているから、ただの同居人になってしまって、今更結婚しなくてもイイヤ状態になり、さらには別離につながっていくのではないでしょうか。」(黒川さん)

[第3位]トイレ問題

ー男性にとっては小さなことでも、一緒に暮らす女性にとって大事な問題です。トイレの便座の上げ下げや、汚れるので座って使うようにしてほしいという意見がありました。解決方法はあるでしょうか?

「女性と暮らす上でのリスク管理の問題ですね。トイレの便座が上げっぱなしになっているところへ、うっかり腰をかけてしまったら危険です。これをわかってもらうことです。男性にしてみたら、便座が上がっているほうが楽だから、自分か、彼女の「どちらが楽であるか」くらいにしか思っていません。しかし実際に、便座が上がっている状態に気づかずに座ることがどんなに危険であるかがわかれば、男性は理解してくれるものです。ただ便座に座ることに関しては、どうしてもできないという男性もいるようなので、ここは大目に見てあげてもいいのではないでしょうか。」(黒川さん)

恋人編

[第1位]食べ物

ー現在お付き合いをしている人がいる独身女性のアンケートによると、ケンカの1位は「食べ物」についてでした。デートの時に何を食べるかなかなか決まらなくてイライラする、何でもいいよと譲られすぎても腹が立つという声が聞かれました。

「LOVEの語源は、“愛する人に食べさせる喜び”なんですけどね。女性は食べ物自体よりも、彼が自分のために選んでくれたことがうれしいので、食べるものはなんでもいいんですよ。それを、どうでもいいと言われるから腹が立つんですよね。ただ、考えられない男性もいるので、そこは女性がプランをだしましょう。相手に何を食べさせてあげたいか、一緒の時間をどうやって楽しく過ごすかをお互いに考えられないカップルはダメです。」(黒川さん)

[第2位]約束を守らない

ー男性が仕事を優先してドタキャンしたり、予定を変更することが原因でケンカになるそうです。このようなケンカを減らすにはどうすればいいでしょうか?

「男性脳は、太古のころから「狩り」をして危険を察知する脳として進化しているので、 “遠くから優先順位が高い”です。物理的なことだけでなく、思考の世界でも男性は手前にあるほど、そのモノに対しての意識が薄くなります。女性は逆ですが。
つまり、自分じゃない人との約束を優先させたりするのは、ないがしろにしているわけではなく、気を使わなくてもいい存在、彼のモノであると認識されている証拠ですので、喜んでください。」(黒川さん)

ーとはいえ予定の変更やキャンセルがつづくとへこんでしまいますよね。どうやって「愛されている」実感をすればいいでしょうか?

「男性は“定番の責務”を果たすことが得意で、それに喜びを感じます。そのため土曜日の夜には必ず電話をするとか、必ずこれだけはやってほしいという責務を与えることです。課題は忠実にクリアしてくれますので、それが重なっていくことで女性も愛情を確認できます。」(黒川さん)

[第3位]連絡がない

ー携帯電話の登場で、いつでもどこでも気軽に連絡がとれるようになりましたが、その弊害がカップルに起きているようです。「彼から連絡がない、取れないなど」のケンカについて、彼が連絡をするようにする秘訣(ひけつ)はあるでしょうか。

「女性はかまってほしいのですよね。これは女性特有の感情なので、男性にはわからないのです。『ご飯ちゃんと食べてる?』とメールがきたら、女性はうれしいですが、男性は『は?何言ってんの、ちょっとウザい』と感じてしまいます。何と返事をしていいのかわからないのです。返事が欲しいのであればどうして欲しいのかをはっきりと、『今日は大変だったから、お疲れさまといってほしい』といえば、即返事が来ますよ。」(黒川さん)

黒川さんによると連絡が減ってゆくことは、前述したとおり男女の距離感の違いが原因なので、「自分の右手にあいさつなんてしない」くらいに思っておけばいいとのことです。また、電話やメールに応答する際は一定のテンションでいることも大事とのこと。一週間ぶりの連絡だったとしても、変わらない明るいテンションで答えるようにすれば、間が空いた連絡時に「きっと不機嫌になっているだろう」と連絡を取るのがおっくうにならず、安心して連絡できるそうです。

そして、女性はいつでも「自分は愛されているんだ」というスタンスでいること。彼の気持ちが離れているのではないか? と疑わず、信じることが大切だそうです。実際に、ドタキャンされても笑って許せる女性は成婚率も高いと黒川さんはいいます。彼のドタキャンを心から納得できなくても、戦略として使うのもいいかもしれませんね。

まとめ

女性にとって何てこともない家事作業が、男性脳にとってはとても負担なことや、連絡がなくなるのは「彼のもの」になったと認識された証しなど、目からうろこがぽろぽろ落ちる結果となった今回の取材。黒川さんのお話を聞く前はパートナーに不満だらけだった人も、アドバイスを読んで急にパートナーがいとしく思えてきた人もいるのではないでしょうか? 相手との違いを認識し、受け入れることは関係を築く上で大事なこと。これからはパートナーにむっとすることがあっても「彼の男性脳がそうさせるのかも!」と受け入れて愛を深めてくださいね!

(岩崎弘美/フォルサ)

※画像は本文と関係ありません
※『マイナビウーマン』にて2015年9月にWebアンケート。有効回答数499件(22〜34歳の女性)