「今日から痩せる!」と宣言したばかりの人から、いつも「痩せたい」と思っている万年ダイエッターまで、多くの人が一度はダイエットにチャレンジしたことがあるはず。しかしどんなに決意は固くても、簡単には痩せられなかった経験もあるのでは?

ダイエットは簡単ではないからこそ、基礎知識をしっかり学んで賢く取り組むのがベター。そこでイギリスのダイエット専門家たちが語る「ダイエット効果をあげる黄金ルール」を<Good Housekeeping>からご紹介。ぜひ参考にして、健康的にダイエットに取り組んで!

1.タンパク質をしっかり摂取する

「1グラムのタンパク質は4キロカロリーですが、1グラムの脂肪は9キロカロリーもあります」と語るのは、登録栄養士のヘレン・ボンドさん。タンパク質をしっかりと摂ることは、ダイエット効果を高めることに繋がるんだとか。「タンパク質は、炭水化物や脂肪よりも体内で分解するのに時間がかかるため、満腹感を持続させてくれます。また体温を上昇させるため、結果カロリーを使うことに繋がります」。

しかしタンパク質摂取のためにお肉ばかり食べたほうがいい、ということではないそう。「豆類などのタンパク質豊富な植物ベースの食品は、カロリーが低いだけでなく、繊維も多く含まれています。キヌアはすべての必須アミノ酸を含むことから、ぜひおすすめしたい食品です」。

2.隠れた糖質を見逃さない

「低脂肪または無脂肪と謳っている食品にも、砂糖がたっぷり含まれている場合があります」と指摘するのは、<Good Housekeeping >で栄養監修を担当する、管理栄養士のアニータ・ビーンさん。「また、市販の飲み物、スナック、加工食品には砂糖や脂肪がたっぷり含まれているうえに、栄養価も低い食品がたくさんあります。それらの甘さに慣れ切った味覚をリフレッシュし、(フルーツなどの)自然な甘さだけで満足できるようになることもダイエットへの近道です。あと、蜂蜜、アガベシロップ、メープルシロップ、ココナッツシュガーのような一見ヘルシーに見える糖質にも惑わされないでください。体の中に入れば同じ“糖”として吸収されてしまいます」。

3.水分補給を心がける

ビーンさんによると、ダイエット中に水分をたっぷり補給することで、無駄な間食や食べすぎを避けることも可能なんだとか。「空腹感と喉の渇きを認識する脳内部位は近くにあり、この2つの感覚は時に混同しがちだと言われています。例えば、実際には脱水気味のときに『何か食べなくては』と感じてしまうこともありますし、逆に水分をたっぷり取っておくと満腹感が持続し、食欲を抑える効果も期待できるのです」。

また、水分を摂取すると微量ではあるものの代謝が上がるという研究結果もあるんだとか。「効果が期待できるのは1時間以下と短く、代謝上昇率は25%程度と言われています。しかしわずかではあるものの、カロリー消費には貢献してくれるはずです」。

4.睡眠を充分にとる

睡眠について研究しているニール・スタンレー博士は「睡眠不足になると、食欲調整ホルモンであるグレリンやレプチンの分泌量に影響を与えます」と語り、ダイエット効果と睡眠の関係を解説。「グレリンは脳に『食べなさい』と指令を出すホルモンであり、またレプチンは満腹中枢を刺激するホルモンです。睡眠不足なるとグレリン濃度は上昇し、逆にレプチン濃度は下がります」。つまり睡眠不足の状態では、実際には空腹状態でなくても空腹感を感じ、つい食べてしまうことに繋がるのだそう。

5.食べ物に意識を向ける

イギリス栄養士協会(British Dietetic Association)の管理栄養士ディンプル・タクラーさんは、自分が口にする食べ物にもっと注意を払うことを提案。「“意識しながら食べる”習慣が身につくと、気づけば減量に成功している場合もあるんです」。

ディンプルさんによると、昼間の時間帯に(何気なく)食べたものを、きちんと摂取カロリーとして認識しない人が多いんだとか。「食べたものすべてを記録しましょう。また食事中、スマホやテレビなどの電子機器から離れることもおすすめします。通常より20分余分に食事時間を設け、食べ物にしっかり向き合ってください」。食事に集中することで味や香りを認識し、かつ時間をかけることで脳に「食事をしたこと」をきちんと伝達することができるのだとか。

6.筋トレを怠らない

「有酸素運動だけでなく、筋肉を増やす運動をすることもダイエットには不可欠」と指摘するのは肥満専門医のサリー・ノートン博士。「短期決戦ダイエットの場合、体内の脂肪だけでなく筋肉も減少してしまうケースが多いのです。そうでなくても40歳以降、10年ごとに約8%程度筋肉は自然に減少するとの研究結果もあります」。筋肉は脂肪よりも多くカロリーを燃焼するため、筋肉量が多い方がエネルギー消費量は上昇するそう。また筋肉は骨や関節を守る働きもあるので、一挙両得なんだとか。

7.バランスの良い食事を心がける

人間の脳の60%は脂肪であり、EFA(必須脂肪酸)は脳内の細胞が効率的に働くために必要なもの。中でも魚の油分に含まれる、オメガ3脂肪酸を摂取することの重要性をノートン博士は指摘。「オメガ3脂肪酸の欠乏と、過度な糖分の摂取が組み合わさると、依存症、過食、肥満、鬱などを引き起こす可能性があります。ダイエットを始めるとカロリーにばかり目が行き、栄養について忘れがちです。こういったことがダイエットの失敗につながることもあります」。

どんなダイエット方法を採用するにしても、この7つのルールを合わせて取り入れれば、効果がぐっとアップするかも!?

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

Good Housekeeping