祝福の中ミルクを一気飲みする佐藤/Honda Racing

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第101回インディ500が5月28日(日)、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催。佐藤琢磨が日本人ドライバー初となる初優勝を成し遂げた。

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日本人最高位の第4グリッドからのスタートとなった佐藤。しかし、佐藤のマシンは出遅れ、序盤はポジションを落としてしまう。先行したのはトニー・カナーンとポールポジションだったスコット・ディクソン。チップ・ガナッシ勢がリードしたまま28周目から各車がピットインに入る。ピットイン後はエド・カーペンターがトップに立ち、アレクサンダー・ロッシ、現役F1ドライバーでワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソは3番手に続いた。その後アロンソはカーペンター、ロッシを交わし首位に浮上。アロンソとロッシがしのぎを削る中、佐藤琢磨も順位を上げ3番手につけていた。

しかし、53周目に重大なアクシデントが発生する。ジェイ・ハワードがコーナーを曲がり切れずにウォールに激突し、衝撃のままコースに弾かれたところにスコット・ディクソンが衝突してしまったのだ。ディクソン車はマシン後部が折れるような形で損失するという大クラッシュ。コース修復のためにレースは一時中断となった。

1番手アロンソでレースは再開されたが、ロッシが挑みかけトップを奪取する。ロッシ、アロンソ、佐藤、ライアン・ハンター-レイがトップ集団を形成。65周目には佐藤がロッシを交わし先頭に立った。しかし直後の66周目にコナー・デイリーのクラッシュが発生、2度目となるコース全体の危険を告げるイエローコーションとなる。中盤、ピット作業がうまくいかず佐藤は順位を落としてしまう。100周目ごろになると、あえてピットインしないという戦略をとったことで追い上げを見せたエリオ・カストロネベスが首位に浮上し、その後ろをロッシ、アロンソ、ハンター-レイが追う展開となった。

その後、ハンター-レイがエンジントラブルで脱落、ロッシはピット作業がうまくいかずエンジンがストールしてしまいトップ集団から遠ざかってしまう。リスタートするもカーペンターのフロントウイングが破損し再度イエローコーションになるなど、レースは混迷を増していく。172周目にリスタートすると、佐藤はエリオ・カストロネベスとともに順位を上げていく。180周目にはマシントラブルでアロンソがリタイア。多くの声援がアロンソに送られた。

184周目のリスタートのすぐ後、5台が巻き込まれる多重クラッシュが発生し、またもやイエローコーション。残り11周でリスタートが切られた。先頭のマックス・チルトンをカストロネベスがかわすと、それに続いて佐藤も2番手に浮上する。残り5周、とうとう佐藤がカストロネベスをかわしてトップに立つ。カストロネベスとの一騎打ちの形になりながら、佐藤は先頭を維持。そのまま逃げ切りを見せた佐藤がトップでチェッカーフラッグ。佐藤琢磨にとってインディーカー・シリーズ2勝目、そして日本人初の快挙となるインディ500の初制覇を成し遂げた。

レース後、大勢が歓喜に沸く中、インディ500の勝者が行う「ミルクの一気飲み」で、佐藤は悲願の優勝をかみしめていた。【ウォーカープラス編集部/国分洋平】