放生池の美しい紅葉の景色

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空海の弟子・真紹(しんしょう)が藤原関雄(ふじわらのせきお)の山荘を譲り受け、尊像を安置し真言宗の道場としたのが始まりで、現在は浄土宗西山禅林寺派の総本山。853(仁寿3)年の創建以来、幾多の文化人が“モミジの永観堂”と言うほどの紅葉の名所でもある。本尊の阿弥陀如来立像は振り返っている姿から“みかえり阿弥陀”として知られるほか、国宝の絹本着色山越阿弥陀図(鎌倉期)など多くの寺宝を所蔵。ライトアップ期間に寺宝展も開かれる。

■ 文化財

<絹本着色山越阿弥陀図(国宝)>雲に乗る観音様と勢至菩薩に幡を持つ童子が描かれている。

<金銅蓮華文磬(国宝)>読経の際にひもでつるし打ち鳴らす仏具。平安様式を反映した美しい作品。

<阿弥陀如来立像(重要文化財)>像高77cm。頭部を左に向けた珍しい像で“みかえり阿弥陀”と呼ばれる。

※上記3つの文化財は通常非公開

■ その他の見どころ

<三鈷(さんこ)の松>葉先が3つに分かれている珍しい松の古木。三鈷は智慧、慈悲、まごころを表す。この松の葉を持っていると3つの福が授かると言われる。

<阿弥陀如来像>ご尊顔のみかえり阿弥陀如来の姿に、自分より遅れる者を待つ姿勢や、自分自身の位置を顧みる姿勢、愛や情けをかける姿勢など、阿弥陀仏の心を学ぼう。阿弥陀堂に安置。

■ ライトアップ

イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど約3000本が色付く錦秋にライトアップを実施。ライトアップ時は阿弥陀堂、画仙堂と庭園のみの拝観となる。寺宝展も同時開催となるので注目。

■ 混雑状況

<昼>モミジが有名なだけあり週末は大混雑。ゆっくりと拝観したいなら休日は避けて。

<夜>受付終了30分前ぐらいであれば、徐々に混雑が緩和されているので比較的快適。

■ 紅葉

イロハモミジなど約3000本。見ごろ11月下旬。放生池に映り込む紅葉や多宝塔を包み込む紅葉などが見事。石畳の道もロマンチック。2016秋の紅葉ライトアップ11月8日(火)〜12月4日(日)。

■ 桜

ソソメイヨシノなど約10本。見ごろ3月下旬〜4月上旬。紅葉の名所ながら、春になると桜が華やかに庭を彩る。本数は少ないが見事な美しさ。

■ 年中行事

<2月>念仏行道会/永観堂の故事にまつわる念仏行道会。誰でも参加できるとあって、毎年多くの参拝者が参加する。

<4月>御忌会(ぎょきえ)/法然上人のお亡くなりになった忌日を讃える大法会。

<8月>緑蔭法話/夏の朝の恒例行事で、法話のあとに点心の接待がある。予約不要で気軽に参加可能。

【関西ウォーカー編集部】