今まで一生懸命キャリアを積み、周囲からも期待され、尊敬されてきたはずの自分の価値が最近落ちてきた……そんな経験、ありませんか? 年齢を重ねるにつれて、そういった話はよく聞くもの。もちろん年齢が上がればそれだけ要求されることも変わるし、やはり周囲の評価を保つことはとても難しいものなのかもしれません。今回は、そんなキャリア女性の悩みをクローズアップ! 臨床心理カウンセラー/パーソナルコーチ松山真己さんがその解決法を教えてくれました。

<悩み>
今まで仕事を頑張ってきて、そこそこのキャリアも築いてきたつもりです。実際、周囲からの評価も高く頼りにされていると思うし、自分で言うのも何ですが、後輩からも「憧れ」の対象として見られています。プライベートでもちやほやされモテる方だと思っていました。勿論そのための努力もしてきましたし自信もありました。なのに、なぜか最近では、仕事でも蚊帳の外のような感じなのです。「○○さんは、いいから」といわれ、私よりキャリアの浅い子に仕事を任せられることも多く、自分の存在価値に疑問を感じるのです。そういえば前と比べ食事に誘われる機会も少なくなりました。歳をとったから? このまま自分の価値が下がっていくと思うと不安でたまりません。どうすればいいのでしょうか?(36歳・広告代理店)

アラフォーになると急にお局扱いされる事実……。

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まず「自分の価値は自分で決める」ことです。

仕事の成果は別として、他人や世間からの評価を自分の存在価値だと思うのは、遅くとも27を過ぎたらやめましょう。ちやほやされたり、憧れの対象とされたり、一目置かれるというのは嬉しいことですし、それが自信にもつながるのは頷けますが……勘違いや自惚れの素にもなり得るのです。また、そういった期間が長ければ長いほど、プライドと傲慢さとの区別がつかない上から目線のイタイおばさんになっていくというもの……。

その場合、大抵自分の正しさを疑わないから、相手への配慮はお構いなしに自分の有能さを織り交ぜながら不満を堂々と主張していたりするのです……危険ですよね。

ここで不都合な真実について、お話しましょう。

それは、あなたが職場で「使い勝手の悪いコワイ人」だと思われている可能性があるということです。実は、経営者や幹部役員へのコーチングやカウンセリングの中で「部下との関係について」やりづらいという相談がベスト3に入っているのですが……。ゆとり世代、さとり世代の扱い方が分からないという最近ふえてきたもの以前は、団塊ジュニア世代以降の、つまりアラフォーあたりの女性が扱いづらいという本音を多く聴きました。

口では女性の活躍をウェルカムだと言っておきながら、実際は(特に男性の)上司である自分を押しのけて前に出られるのは嫌だということなんですね。この辺、男性の方が上手です。もともと上下関係を重んじるので、自分の方が優秀だと思っていても上司を立てます。しかし女性の場合、相手構わず単刀直入に意見を言ってしまいやすく、内容がいくら正しかったり優れたものであったとしても、その威圧感に、相手は攻撃をされているように感じて自分を守るために盾をかざしたくなるのです。勿論、盾越しになると、言葉も思いも届きません。伝わるのは、反発されている、文句を言われている、という感覚だけ。残念ですがそういうことがしばしば繰り返されているように思えます。

結果、こんな仕事を頼んだら怒られそう、意見をしたら倍になって反論されそう、使いにくいお局様、ご機嫌を損ねないためには、さわらぬ神にたたりなし、と思われることになるのですね。

多くの場合、世間でモテる要素は優秀さより可愛げです。職場なら、頼んだことを素直に聞いてくれるこ、気遣いや配慮のあるこ、理解力が有り、テキパキと仕事をこなしてくれるこ、がいいのです。

私だって頼まれた仕事は完璧にこなすし、いろいろとレベルアップのための努力をしているのに……と思うかも知れませんね。後編では、この対策について2つの提案をさせて頂きます。

■プロフィール

女子メンタルの賢人 松山真己

臨床心理カウンセラー/パーソナルコーチ
個人や企業へのカウンセリング、コミュニケーション教育、各種セミナーなど。
心の多面性を見つめながら「心の健康と美」を育んでいくカウンセリングには、経営者や専門家、アーティストなどのクライエントも多い。
また、TV雑誌等でのコメントや心理テストの作成分析などにも多く携わっている。
http://www.calix.jp ( 心の健康と美の研究所Calix/株式会社CIELO )