相手を傷つけないばかりか好感度がアップ!摩擦を生まない断り方

写真拡大

仕事を頼まれたり、飲み会に誘われたり…上司や取引先の人などからだと、誘いや依頼を断りにくいもの。とはいえ、相手と今後信頼関係を築いていきたいのなら、むしろすべてにYESと答えないほうがよいそう。

「断りにくいからといってなんでも引き受けていると、お互いによくない結果を生むことにつながる可能性があります。上手に断ることは、社会人としてのマナーのひとつです」

そう話すのは人材育成やスキルアップのセミナー講師などとして活躍する新井淳子さん。こうした相手からの依頼や誘いを断るとき、相手にきちんと納得してもらうとあとで摩擦が生まれないとか。

「まずは誠意をもって断る意識を持つことが基本です。そのうえで、次のような断り方を心がけると、相手も気持ちよくNOを受け止められるでしょう」(同)
◆1.相手の依頼内容を最後まで聞く

話をさえぎられると、どんな理由があったにせよ、相手は反発を覚えるもの。相手の話の途中で引き受けることが無理だと判断できても、その時点で断らずに、とにかく話を最後まで聞こう。

◆2.理由を明確にして伝える

理由が明確であれば、相手は断られたことを感情的に引きずることなく、また誘ってみようという気持ちになりやすい。逆に理由があいまいだと不信感を抱かれる危険があるので要注意。

◆3.返事はできるだけ早くする

誘った相手は返事を早く知りたいものだし、時間をおくほど断りにくくなってしまうはず。断るときこそ、返事は早く伝えるのがマナーと心得て。

◆4.大勢の前で断らない

人前で依頼や誘いを断られると、相手は自己否定されたと感じたり、面子を失ったと傷ついたりする可能性が。周りに人がいる場合はその場では「スケジュールを確認してあとでお伝えします」などと伝え、追って断るほうがベター。

ただし、いくら上手に断れても自分の都合ばかりで断っていては、信頼関係は築きにくい。そのため、小さな頼みごとに関しては日頃からできるだけ引き受けて。そうすることで、本当に断らなければならない案件があったときに「いつもは引き受けてくれる○○さんが断るのだから、本当に難しいのだろうな」とすぐに引き下がってもらえるという効果も

「相手の依頼に応じ、望む結果を出すことで、信頼関係は築かれるもの。例えば、一度に複数の仕事を頼まれた場合なども、すべて断るのではなくひとつだけ断ってあとは引き受けましょう」(同)

自分のスケジュールや許容量を考えて、依頼や誘いにできる限り応じて。断るべきときにはコツを心得た返答をすることで、相手との信頼関係を上手に築こう。

新井淳子
オフィスフローラン代表。日本プレゼンテーション協会認定講師、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。職場の課題発掘と人材育成、モチベーションアップなどを図るコンサルティングやセミナー開催などを行い、スキルアップのサポート役として多方面で活躍中。