陰謀説を立証するためにピラミッドを破損−エジプト
2013年4月にエジプトのギザを訪れた2人のドイツ人が、実はピラミッドは古代エジプト人ではなくアトランティスの人々が建てたものだという説を立証するべくピラミッドを破損、告訴されることになりました。
彼らは普通の観光客は入れない考古学者限定の場所にも入場しており、これを許したエジプト人も拘留されているそう。政情不安で観光客の減ったエジプトで、お金持ちの観光客のためにルールをまげてしまったようです。
考古学者ではなく、趣味人（hobbyists）の彼らは、カルトゥーシュと呼ばれるファラオの名前を表した壁画の一部を採取、他の遺物とともに国外へ持ち出そうとしていたそうです。
この2人のドイツ人に加え、彼らの行動を撮影していたドイツ人カメラマンと、警備員などをしていた6人のエジプト人も関与していた模様。ドイツ政府は彼らはドイツの考古学機関とは全く関係のない一般市民であるとし、彼らの行動に憤りを表明しています。
彼らはこのクフ王のカルトゥーシュがにせものであることを証明したかったそう。ピラミッドがアトランティスの人々によって建てられたという説は1968年に出版されたベストセラー本にものっており、彼らはこれを信じていたようです。
しかし、そもそもアトランティスの存在自体、古代ギリシャの哲学家プラトンの著書に出てくる伝説であり、フィクションなのです。
専門家によれば、ピラミッドの建設は古代エジプト人が何度も試作を重ねた結果、編み出した技術であって、不可能なものではないそう。
また、建築にたずさわった人々が残した落書きも、クフ王のために建てたということを証明しており、古代エジプト人がピラミッドを建てたことに疑問の余地はありません。
この歴史を書き換えようとしたり盗掘まがいのことをしたりする人々は、考古学者でもなんでもない犯罪者で、ピラミッドを建てた何千人もの労働者を侮辱することにもなると、専門家は語っています。
世界遺産が落書きされたり内戦で破壊されたりするニュースは、本当に昔の人たちに申し訳ない気持ちにさせられます。しっかり罪を償って反省していただきたいですね。
参考：Great Pyramid at Giza Vandalized to ‘Prove’ Conspiracy Theory
http://uk.news.yahoo.com/great-pyramid-giza-vandalized-39-prove-39-conspiracy-130326469.html
