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世界に類を見ない、現代アートがあふれる里山「越後妻有」にこの夏、旧街道沿いの民家をリノベーションした東京移民たちのためのカフェ&ドミトリー「山ノ家」(やまのいえ)が誕生した。今、都市圏で居住・仕事をしている人たちは、新しいライフスタイル/ワークスタイルを探求し始めている。何もかも専有するのではなく、住まう場所、仕事場を共有/共用することで、自分のライフスタイルの拠点を複数持てることで広がる新しい世界があることに、気付き始めている人も多い。

そんな中、「仕事の拠点としての都市での生活と、ローカルの自然資源を心ゆくまで堪能できる田園生活と、複数の拠点を共有し、ネットワーキングできないものだろうか。」という一つの問いかけが投げかけられた。この発想から端を発して誕生したのが、第5回目を迎えるアート・トリエンナーレ "越後妻有大地の芸術祭" 開催エリアの中心地のひとつである「松代」地域の民家をリノベーションした、「山ノ家」だ。ここは、私たちの他拠点ワーク&ライフスタイル実験の場として、ワークショップや音楽イベントなどが開催できる多目的スペースとしてのカフェと、ドミトリー、レジデンスが一体になった一軒家。

山ノ家ドミトリーは、民家を地元の大工さん、インターンの若者たちといっしょに自らの手でリノベーションした、シンプルな素材主義スタイルの二段ベッド式簡易宿泊施設(共用シャワー有)。美しい雲海たなびく露天風呂温泉が車で15分(送迎バス付き)のところにあるのどかな山の宿泊施設だ。素泊まり一泊4,000円からで、9月1日にグランドオープンする。
山ノ家ドミトリーのオープン前、8月10日に既にオープンしているのが山ノ家カフェ。多目的スペースとしても機能するこのカフェでは、日本の原風景とも言える美しい山間の棚田で生み出される美味しいお米(いわゆる魚沼産コシヒカリ!)と、美味しい日本酒、そして特産の雪下にんじんや山菜、妻有ポークなど雪国の豊かな恵みを私たちなりに無国籍にアレンジした料理が食せる、まさに「移民たちのためのカフェ」。またここでは、地元で生み出される希少な手造りどぶろく、休耕地に移植された山の果実のジャムなどここでしか手に入らない美味しいものや、旅人や移民のための宿泊用アメニティ、日常雑貨、書籍、音楽ソフトなどの「必需品」を取りそろえる小さな市場、山ノ家マーケットも開かれるなど、地方という環境を最大限に活かしながら、都会で暮らす人々にとって、有意義なここでしか得られないスペースを作り出している。

日々多様化する私たちのライフスタイル。インターネットが普及し、いつでもどこでもオンライン上で仕事ができたりすることで、オフィスに縛られずに働くスタイル"ノマドワーキング”という言葉が口にされるようにもなった。また、ライフスタイルに関して最近注目されているキーワードの"シェアリング"。同じスペースを誰かと共有することで生まれる新しいアイデアや多様な人々との出会い。そんな相互作用によって引き起こされる、クリエイティブな活動の拠点の誕生が、私たちの新しい未来を形作っていくのかもしれない。今後の動きにぜひ注目したい。

■「山ノ家」施設概要
新潟県十日町市松代3467-5
Tel:025-595-6770
info@yamaiehito.jp
http://www.yamaiehito.jp


■「山ノ家カフェ」(22席)
朝食(ご予約制)
ランチ:11:30〜15:00
カフェタイム:15:00〜18:00
夕食&バータイム:18:00〜22:00
・無線LAN常時接続可能
・プロジェクター、音響設備有(イベント、ライブ対応可)
・ギャラリーとしての使用可能

■「山ノ家ドミトリー」(10ベッド予定)
素泊まり一泊: 4000円
予約受付: stay@yamaiehito.jp
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜10:00