「今朝言ったやつ、今日中にやっといて」「何のこと!?」上司からの指示LINEで、職場がパニックに

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「あの案件」「この間のあれ」など、仕事中に指示語が使われることは少なくありません。指示語が指す内容がわかれば問題ありませんが、わからないとトラブルが起きてしまうことも……。今回は私が職場で経験したエピソードをご紹介します。

上司から送られてきた業務連絡

事件は、上司から送られてきた1通のLINEから始まりました。
「今朝のあれ、やっぱり今日中にやっといてくれる?」
シンプルな業務連絡のメッセージでしたが、このLINEが原因で波乱の1日になってしまったのです。

LINEの送り主の上司は、「約束を守れない人は社会人として信用されない」という考えの持ち主で、締め切り厳守を部下に徹底していました。
上司本人は仕事ができるタイプで、誰よりも働くタイプ。部下に厳しい人ではありましたが、信頼できる上司として慕われていました。

そんな上司からの指示メッセージです。
すぐにとりかかる必要がありましたが、部下たちはみんな動くことができませんでした。

「今朝のあれ」って?

全員、LINEにある「今朝のあれ」の内容がわからないのです。
「あれって何?!」「誰か聞いてないの?!」
職場はパニックに陥りました。

その日、朝に定例のミーティングをしたあとに上司は出張に出発しました。
メッセージが届いた時間は、午前11時頃。
業務内容によっては、今日中に間に合わない可能性があります。

すぐに上司のスマホに電話をかけたけれど、移動中のようで連絡がとれません。
何度もリダイヤルをしたけれどつながることはなく、刻々と時間は過ぎていきます。
12時を過ぎた頃はみんな「まだ連絡がとれないの!?」と焦っていましたが、13時を過ぎる頃には「だめだ。終わった……」と絶望し、14時になると「みんなで仲良く叱られよう。みんな一緒なら怖くないよ」と諦めの笑顔を浮かべるようになっていきました。

「あれ」の内容がようやく判明

結局、上司と連絡がついたのは15時頃。
「今朝のあれって何ですか!?」と上司に尋ねると、上司は「え? 何?」と戸惑った様子です。「いや、LINEで業務連絡をされましたよね?」と事情を説明すると、驚きの真相が明かされたのです。

一通り話を聞いた上司は、「ごめん、それ妻に送ろうとしたやつだ」と一言。
部下への業務連絡ではなく、奥さまへのLINEの誤送信だったことが判明したのです。

人騒がせすぎる!

誰にでも間違いはありますが、まさかの誤爆に、部下たち一同はホッと一安心。
でもそのあとすぐに「人騒がせすぎるわ!」と怒りがわいてきました。
職場を混乱の渦に巻き込んだ上司は、そのお詫びとして部下が希望するお土産をポケットマネーで買ってくれることに。
「あれが食べたい!」「これも良くない?」と普段はおねだりできない豪華なお土産を物色する部下たちに、上司はがっくり。
誤送信が原因で、手痛い出費をすることになりました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2023年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。