顔のたるみを改善…3大ツボケアとマスク下ストレッチ 【鍼灸師が教える】
「マスク生活で表情筋がたるんだ」、「秋になって食べすぎた」、「リモートワークによる運動不足」などで、「マスクをはずしてふと鏡を見るとほうれい線がくっきり」といった読者の悩みが複数、届いています。
そこで、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、顔のたるみをケアする3大ツボと、マスクの下でもできる顔のストレッチ法を教えてもらいました。
目もと、ほうれい線、頬のたるみを改善する3大ツボ
丸尾さんははじめに、顔のたるみの原因についてこう説明をします。
「加齢とともに脚や腰、背中の筋肉が衰えるのと同じように、顔の筋肉も衰えていきます。その上にこのごろはマスクをする時間が長く続き、人に見られる緊張感も少ないからか表情筋を以前ほど使わなくなっている、また運動不足で代謝が低下した、血流やリンパ液の流れが悪化してむくむ、春夏の紫外線の影響で皮膚(ひふ)がたるんだといったことが考えられます。
いますぐ手軽に誰もができることとして、まずは、ツボケアで顔の血流やリンパ液の流れを促し、表情筋を動かすストレッチをしましょう。とくにたるみが目立つ、目もと、頬、口もとにあるツボを、位置を覚えやすいように上から順に紹介します。
起床時や通勤電車の中、デスクワーク時、バスタイム、夜のリラックスタイムにといつでも行ってください」
目の周囲…ツボ・瞳子髎(どうしりょう)を押し回す
「瞳子」は文字の通りに瞳や目、「髎」は目のすみやくぼみを表し、ツボの名称は目の近くにある骨のくぼみにあることを示しています。
目じりのたるみやシワの改善、目の下の血流やリンパ液の流れを促してクマを薄くし、また、目の疲れや充血、頭痛の緩和にも働きかけます。
<ツボ「瞳子髎」の位置>
目じりから、5ミリ〜1センチほど外側にある骨のくぼみの部分。左右にあります。
<刺激法>
左右同時に、手のひとさし指かなか指の腹で気持ちよいと感じる程度にそっと、5〜10秒ほど押し回すことを3〜5回くり返しましょう。
頬の周囲…ツボ・頬車(きょうしゃ)を押し回す
「頬車」はえらのすぐ耳側にあり、その名称は、口を開閉すると「歯が車のように動くところ」を示すと言われます。
顔のたるみやむくみ、フェイスラインのたるみ、口や目のゆがみのケアに作用します。また、口もとのシワの予防、二重あごやニキビ、そしゃく筋やあごのこわばり、肩こり、頭痛、筋肉痛による歯の痛みなどの改善にも働きかけます。
<ツボ「頬車」の位置>
えらのすぐ耳側で、歯を食いしばったときに筋肉が盛り上がり、口を開いたときにはへこむところ、左右にあります。
<刺激法>
左右同時に、手のひとさし指で、気持ちよいと感じる程度にそっと、少し上に向かってくるくると円を描くように5〜10秒、押し回します。3〜5回くり返しましょう。
口の周囲…ツボ・散笑(さんしょう)を押し回す
「散笑」は、ほうれい線の真ん中にあり、周囲には、口を取り巻く口輪筋(こうりんきん)や、頬のリフトアップに関係する頬骨筋(きょうこつきん)などの表情筋があります。
口もとと頬の筋肉を引き締める、口角を上げるなどして周囲にハリを与え、口もとや頬のたるみ、むくみ、ほうれい線の表出などの改善に働きかけます。
<ツボ「散笑」の位置>
ほうれい線の中央。左右にあります。
<刺激法>
左右同時に手のひとさし指の腹でそっと、くるくると円を描くように5〜10秒、押し回します。3〜5回くり返しましょう。歯ぐきをマッサージするイメージで刺激するとよいでしょう。
マスク下で表情筋を鍛えるフェイスストレッチ
マスクの下で、通勤時やデスクワーク中でもできる方法です。唾液の分泌を促すので口臭ケアにもなります。
(1)まず、口をゆるく閉じて舌先を上の歯ぐきの左の隅から右の隅へ、次に下の歯ぐきへと動かしてぐるっと一周なぞります。右回りと左回りを各1周し、これを2・3回くり返しましょう。
(2)次に、「散笑」の左のツボを口内から舌で触れてください。そこからスタートして、舌先で右へ、(1)より大きい円を描くイメージで頬の粘膜をぐるっと押し回します。右回りと左回りを各1周し、これを2・3回くり返しましょう。
聞き手によるまとめ
朝のメイク前とバスタイムなどに一連のケアを1週間続けてみたところ、顔のたるみやむくみ、また口やあごまわりのこりが改善されたように感じます。すぐ手が届く場所にツボがあって、ストレッチと合わせていつでもできるので、今後も無理なく続けられそうです。試してみてはいかがでしょうか。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)