【インタビュー】志尊淳&芳根京子「淡いキスシーンは明太子味でした(笑)」
ドラマ「表参道高校合唱部!」で合唱部員仲間として同級生を演じた姿が記憶に新しい志尊淳さんと、芳根京子さんが、10月17日公開の「先輩と彼女」では“先輩と後輩”として恋愛物語を披露。淡い“片想い”をテーマにインタビューをすすめていくと、驚きの撮影エピソードを語ってくれました!今注目の若手俳優&女優の素顔と、仲の良さ全開の2ショットグラビアをお届けします! 


「表参道高校合唱部!」のコンビが再び…お互いの第一印象は?


S__6685023――「表参道高校合唱部!」よりも前に「先輩と彼女」での撮影が先で初共演だったんですよね。目の前のお二人はとっても仲が良い雰囲気ですが、お互いの第一印象はいかがでしたか?

芳根:素敵な方だなって思いました。(志尊さんが)先輩の役ということと、実際にも志尊さんが二歳年上でもあったので、映画の撮影現場では私、ずっと敬語だったんです。なので「表参道高校合唱部!」が始まってもまだ最初は敬語で…。ドラマで距離が縮まったかなって思います。


――「先輩と彼女」の時は役柄的にもそこまで距離は近くなかった…?

芳根:仲が悪かったわけではないですよ!(笑)

志尊:仲良かったです!

芳根:仲良かったんですけど今考えると、まだ「先輩」っていう壁があった…かな。

志尊:ホント?

芳根:私の中では…ありましたね。

志尊:そうなんだ〜。

芳根:(芳根さん演じる)りかちゃんは(志尊さん演じる)みの先輩に片想いしているので、「友達感覚では絶対にいたくない」という思いがあったんです。

――志尊さんはどうですか?初めてお会いした芳根さんの印象は?

S__6685023志尊:すごく透明感に溢れていましたね。年下の女優さんと共演させていただく機会があまりなかったので、「どう接したらいいんだろう?」と思っていました。でもすごくいい子で、とてもやりやすかったですね。

芳根:私もスッって自然と役に入れました。

志尊:ねっ!普段から芳根ちゃんが僕に対して自然と「先輩」という雰囲気を作ってくれたので、僕としてはどうこうするっていう感じでもなくて。…なんだろう、最初からみの先輩とりかの関係ができていたような気がしました。こういう関係性を作らないと、という意識も無かったですね。

芳根:うん。


志尊『やっぱり切ないですよ、片想いって(笑)』


――劇中では、りかちゃんの片想い、みの先輩の片想い、どちらもすごく青春時代の淡く可愛らしい姿が描かれていますが、お二人は“片想い”について思い出などありますか?

芳根:片想い…この作品を観て改めて「片想いするのって“いいなぁ〜!”」って私は思いました。りかちゃんは「先輩と付き合いたい!」ってすごくまっすぐなんですよね。片想いしている瞬間の女の子のキラキラって、これ以上のものはないんじゃないか!って思うので、なんかいいなぁって思いました。私自身は、りかちゃんみたいにあそこまで積極的にはいけないですね。なかなかちょっと…実は人見知りもあるので(笑)。積極性は多少欲しいなと思うんですけど…待っちゃうタイプです。

志尊:僕は…みの先輩のように、好きな人に彼氏がいるのに思い続けるってことはちょっとできないかもしれないですね。やっぱり切ないですよ、片想いって(笑)。でも片想いをすることで経験できることもすごくあるとも思います。自分が片想いしている時にりかが来て「好き」と言われたら、気持ちが揺れちゃうっていうみの先輩の気持ちもすごくわかるので、何とも言えない気持ちになりましたね。

――芳根さんは待つタイプとおっしゃっていましたけど、でも本当に好きな人に出会ったらお二人とも告白するタイプですか?


芳根:う〜ん、そうですねぇ、中学校の時は頑張ってました。でも、もう無理です!無理ですね。仲が良い男の子の友達とかも多いので、それで十分というか、関係を崩したくないなって思っちゃいますね。

志尊:俺は…自分から好きになることがあまりないんですよ…。

――やっぱりモテるから!

(スタッフどよめき)

志尊:違います、違います!!そういうことじゃなくて!そういうことじゃなくて(笑)!!自分から「本当にこの人が好きだっ!」みたいな感じというよりは、親しくなってから徐々に好きになっていく方が自分には向いているのかなって思っていて。でも親しくなって気持ちが芽生えたら絶対自分から行きますね。

――相手のことをちゃんと知ってから好きになっていくっていう感じなんですね。

志尊:そうですね、意外と。最初から恋愛目線で人と接するということはないですね。


芳根『ちょっと学校が恋しくなりました(笑)』


――でもその方がいいですよね。今回、学園モノということもあってリアルな高校生が観ても楽しめるし、この時代を過ぎた人たちも懐かしいなと思いながら観ることのできる作品でもあると思いますが、お二人ももう卒業された状態で高校生を演じるということで、現場とかの雰囲気はどうでしたか?


芳根:私は撮影の時はまだ高校を卒業していなかったんですよ。ちょうど1か月後に卒業というタイミングでした。でも私、2年間通信制だったんです。高校1年生の時は普通の学校だったんですけど、高校2年生から通信制だったので、だからこういう普通の学園生活をもう1回やりたいなって思っちゃいました。自分の学校よりも「学校に通っている」感があったので、やっぱり「こういう学園生活って楽しいよな〜」ってちょっと学校が恋しくなりました(笑)。

志尊:僕も高校の時から芸能活動を始めていたので、あまり高校生活を過ごしてたという感じがなかったんです。でも役者って、そういう実生活で感じられなかったことを役で感じられるすごくいい職業だなって思います。といいつつも、いざ現場に行くと、役者として呼ばれて作品をやっているという意識が強いので、待ち時間とかは楽しいけど、高校生活を体験しているって感覚には全然ならないんですよね(笑)。作品を観た時に、「ああ、こんなにキラキラした世界に自分はいたんだぁ」って思いましたし、逆に「こういう作品に出たいなぁ」と思うというか。自分が演じている感覚がないんですよね。


芳根『キスシーンの前に二人で、うまい棒を食べました(笑)』


――面白いですね。志尊さんは、役を客観的に受け止めつつも、ものすごく役を生きているんでしょうね。だからこそ、完成作を観てハッと我に返る自分がいるというか…。例えば二人のキスシーンもすごい可愛らしいなと思ったんですけど、その撮影はどんな状況だったのでしょう?


志尊:スタッフさん達は「キスシーンだ!キスシーンだ!」ってはやし立てるんですけど(笑)、演じている側からしたら、気持ちが入ってると「キスします」って、あまりそこに意識がいかないというか。役を演じているので自分としては恥じらいも抵抗もないんですけど…みの先輩としては色々感じてるものはあるんじゃないんですかねぇ(笑)。

芳根:私はキスシーンの撮影は「すごい寒かったなぁ」って記憶があります(笑)。

志尊:土手でしょ?

芳根:あの土手の所、寒かったんですよねぇ。私もりかとしては、あのキスはドキドキだと思うんですけど、芳根京子としては本当に志尊くんと同じで緊張はなかったんです。撮影の前までお菓子をみんなでワイワイ食べてましたから(笑)。

志尊:お腹すいちゃって、キスシーンの撮影前にね(笑)。

芳根:あっ!ヒドイんですよ、志尊くん!(笑)。

志尊:お腹すいちゃって、「芳根ちゃん、俺うまい棒食べていいかな?」って(笑)。ちゃんと許可とって食べましたよ。

芳根:それが明太子味なんですよ!それって結構強烈なタイプですよね(笑)!

志尊:でもちゃんと歯磨きましたよ、食べ終わったあとにコンビニのトイレで。

芳根:「食べていい?」って言われたので、「じゃあ二人で食べれば同じだ!」って私も食べました(笑)。それでそのあと1回リハーサルをやったんですけどその時に…。

志尊:やめろ、やめろ!

芳根:パッと見たら志尊くんのネクタイにうまい棒がついてたんです!!(爆笑)

志尊:ハグして、キスした後に「カット!」で離れたら…。

芳根:志尊くんの胸元にうまい棒がついてたんです!その時はまだ敬語だったから「あの…うまい棒ついてますよ」って言いましたね、私(笑)。

――そんな裏話があったんですね、あのキスシーンに(笑)。

志尊:あぁ〜!!もうそこは是非、そういう裏ネタ言わないで観ていただきたい!もっとキラキラした印象で観て欲しいです(笑)。うまい棒食べてたなんて絶対聞きたくないですよね(笑)。

芳根:私にはあのイメージしかない!インパクトが大きすぎました(笑)。

志尊:僕が空気読めていないみたいになるから(笑)。女優さんとキスするのにうまい棒食うなんて本当にダメだなってなるでしょ?うまい棒くらい我慢しろってなるでしょ!?絶対(笑)。

――でも、そこで芳根さんも一緒に仲良く食べて…。

志尊:そこは僕なりのコミュニケーションっていうか、「キスだからってそんなに硬くなる必要はないんだよ!」っていうことだったんです。本当に(笑)。

――だそうですよ(笑)。

芳根:だから結果、うまい棒ついてたんでしょうね(笑)。

志尊:つけたんです(笑)。


志尊『たくさんの経験を積んだ先に「自分」ができるのかな』


――こうしてお話を聞いていると、本当にすごく仲がいいんだなぁって思うのですが、ドラマ「表参道高校合唱部!」に「先輩と彼女」を経て、今後、俳優や女優としての目標はありますか?

S__6685023芳根:私はそんなに、ココ!っていう目標は決めてないんです。「こうなりたい」「ああなりたい」っていう願望はあるんですけど。もともと人生計画をするタイプではないし、しても計算ミスもなかなか激しいタイプなので(笑)、そんなに頭で考えないで感覚で進んでいるというか。目の前にあることを全力でやればきっと自分にとって一番いい環境に行けると信じて、やらせていただけることをひとつひとつコツコツと進んで行こうと思っています。努力すればきっと実るっていうのも信じてやっています。


――周りの人が示してくれた流れに乗るのも大事だったりもしますよね。

芳根:そうですね、すごく周りの環境に恵まれているなと思うことが昔から多いので、周りを信じて、自分を信じてやっています。

――志尊さんはいかがですか?

志尊:以下同文です(笑)。びっくりした!僕も目標とか聞かれる時、芳根ちゃんと同じようなことを言ってるんです。僕の場合、役者としてお金を頂いている立場として、やらなきゃいけないって思いが強くて。本当にガムシャラに、悩んでる暇も先のことなんて考えてる暇もない状況で、ずっとここまで来たんです。作品ごと、役ごとに感じるものも違いますし、出会う人で考え方も価値観もすごく変わってくる職業だと思っています。まだまだ経験が浅いので、とにかく経験を積んで力もつけて、そこからだと思うんですよ。「自分」っていうのは。まだまだ見えていない世界がたくさんあるので。まずは一通り経験して、そこから自分に向いてる所だったり、自分がやりたい所にベクトルの方向を向けていければと思っています。それまでは本当に周りの人に感謝して、たくさんの人に出会って、たくさんの作品に出会っていきたいなって思いが強いですね。

――とってもしっかりされていて。

志尊:いえいえいえ(照)。


二人のHappyの源になっているものは・・・


――最後に「Peachy」とは“ごきげん”“HAPPY”という意味のスラングなのですが、お二人のハッピーの源を教えてください。


志尊:僕は食事している時ですね。

芳根:私はトマトを食べている時です。大好きです(笑)。あればあるだけ食べちゃうので。トマト食べている時が幸せですねぇ。

――芳根さんは、お料理もお上手ですよね?

芳根:お料理も大好きで、どちらかというと自分で作って、食べてもらうことが好きですね。

――女子力が高いですね!

志尊:女子力高いって!よかったね!!(笑)

芳根:はは!(笑)。

――志尊さんは、ご飯は友達とか大勢で?

志尊:そうですね。大勢で話しながら食べるのが好きです。気分転換にもなるし、いろんなものを発散できますね!

「先輩と彼女」は10月17日(土)ロードショー。
「先輩と彼女」公式サイト: http://senpaitokanojo.jp/

撮影:鈴木愛子
取材・文:木村友美
制作・編集:iD inc.