「しゃけキーマカレー」(918円)。オクラやショウガなどと一緒に“トキシラズ”を炒め、ほぐしていってキーマカレーに。スパイシーで独特の食感がクセになる

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東京・代田橋にある「しゃけスタンド」。その名の通り、サケ料理に特化した人気の立ち呑み屋だが、そこで味わえる“サケカレー”がカレー通の間で評判に。2018年6月からは夏限定の新作が登場したとの噂を聞き、さっそく食べてきた!

【写真を見る】「しゃけキーマカレー」に用いるスパイス。手前から時計回りにターメリック、メティ、クミンなど。このほかにもまだあり、全部で10種を使っている

■ 定番のカレーを休止し、この夏限定の新作「しゃけキーマカレー」を販売中

春から夏にかけて水揚げされる天然サケの“トキシラズ”は、産卵前のため、身に栄養が行き渡り、脂がたっぷりのっているのが特徴。「しゃけスタンド」ではその“トキシラズ”を使ったさまざまな一品料理が味わえる。なかでも人気なのがカレー。通常は皮をパリパリに焼いた“トキシラズ”の切り身をトッピングしたシャバシャバ系のカレーだが、夏の間は一時休止。代わりに現在(2018年6月)は新作カレーを出している。それが今回紹介する「しゃけキーマカレー」(918円)だ。「同じものをずっと作るのは飽きちゃって。僕自身、サケと同じくらいカレーが好きなんで、いろいろと作りたくなっちゃうんです」と店主の小林雄一さん。カレー作りは独学だそうだが本格派。店には数十種のスパイスを備えていて、メニューに応じて使い分けている。

【カレーデータ】しゃけキーマカレー <辛さ>中辛 <米銘柄>新潟産コシヒカリ <ライス>80g <スパイス>ターメリック、コリアンダー、クミン、マスターシードなど10種

■ “トキシラズ”の脂と塩味(えんみ)が、スパイスと融合して独特の味わいを作り出す

「しゃけキーマカレー」にはトータル10種のスパイスを使用。そのうちの数種を配合したカレーペーストを事前に仕込んでおき、そのほかは注文を受けてからフライパンで調理する。まずはハーブの一種、メティのホールとオクラ、ショウガを炒めて香りを出してから、ターメリックで下味を付けた“トキシラズ”の切り身を投入。炒めながらほぐしていき、キーマカレーにしていく。そこにカレーペーストやガラムマサラなどを加えてさらに炒め、全体をなじませたら出来上がり。新潟産コシヒカリのライスにかけて、パクチーを散らし、ライムをトッピングすれば完成だ。辛さはさほど強くないが、さまざまなスパイスと“トキシラズ”の塩味(えんみ)、パクチーの清涼感のバランスが絶妙。その三味が重なり合い、噛むほどに複雑な味わいが口いっぱいに広がっていく。また、途中からライムを絞るとさわやかになり、また違った味わいが楽しめる。サケを知り尽くした店主が放つオリジナルカレー。一見奇抜だがカレーの知識も豊富で、巧みに計算されたバランスが見事だ。そんな「シャケキーマカレー」が味わえるのはこの夏だけ(販売期間は未定)。気になる人はお早めに!(東京ウォーカー・取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦)