探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情をご紹介。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から解説します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントはどこなのかも紹介。

☆☆☆

今回の依頼者は、稲田真央さん(仮名・37歳)。もともと大手メーカーでマーケティング職をしていたのですが、2か月前に実家の事業を継ぐために、退職。今はお父様と一緒に、会合に出たり取引先を回るという忙しい日々を過ごしています。マフラー、手袋、バッグはフランスの有名メゾンのもの、一目でカシミアとわかるグレーのニットワンピ、黒のボブに赤リップという、フランス美人を地で行くようなファッションをしていました。

「問題は夫のことなんです。私は仕事が中心の毎日で、結婚してから10年間、夫のことは野放しでした。出会ったのは友達のパーティーで、当時の夫は有名なデザイン事務所に勤務していました。“俺はこのままでは終わらない”とか“もっと自分を突き詰めたい”、“理想は高く持ち、前進し続ける”などと言い、さまざまな資格や語学の勉強をしている彼がまぶしかったんです。私も目標がある人が好きなので、私からアプローチして結婚しました」

両親の大反対を押し切って結婚した真央さんは、マイアミの新婚旅行から帰って来て、夫の化けの皮に気が付いたそうです。

「向上心はあるんですよ。新婚旅行中も公認会計士の勉強をしていましたから。その後も、司法書士、不動産鑑定士、宅建、一級建築士などの資格取得の勉強をしてはすぐやめて他の資格に目標が移っていますけど。出会った頃はデザイン事務所に勤務していましたが、1年後に結婚するときは、司法書士事務所に転職していました。夫は優しいし背が高くてかっこいいので、“思ったのと違う。俺にはふさわしくない”と言われると、私も“はい、そうですか”と受け入れてしまうんですよね。あと、夫は人に甘えるのが上手。だからこのテクニックと魅力があれば世の中を渡っていけると思いました」

世渡りだけが上手な夫は、自分を甘やかしまくる傾向が……そこでハマったものとは?

真央さんたちの住まいは、実家が用意した世田谷区内の低層マンション。旦那さんは逆タマに乗り、いい気になってしまったのではないかと続けます。

「仕事を続け、自分のお小遣いを稼ぎ、私が大嫌いなギャンブルにハマらなければいいと思っていたのですが、最近はパチンコで作った内緒の借金が発覚。なんとその返済を、父に泣きついていたことがわかりました。父も私が激怒するのを知っているので内緒にしていたようですが、金額が300万円に膨れ上がったところで、私に教えてくれました。資格取得のための勉強費用も、私の父が払っていたことがわかり、1週間前に夫を問い詰めたんです」

すると旦那様は「俺の人生はこんなはずじゃなかったんだ」と、キレ出したのだそうです。

「結婚していなければ、自分の道が見えたかもしれない、と言いました。“ぬるま湯に浸かるという環境をオマエが作ったから、俺はダメになった”と人が変わったように暴れ、出て行ったんです。結局、その日は家に帰ってきたので、私も言い過ぎたかなと思い仲直りしましたが、その2日後に“俺はやっぱり1人になるよ”と言い、荷物をまとめて出て行ったんです」

旦那様に生活能力がないことを知っている真央さんは、出て行っても帰ってくると思っていたそうです。

「でも帰って来ないんです。ただ、私がいない時間帯を見計らって、荷物をとりに帰ってきている様子です。それだけではなく、私が内緒で置いてあった10万円ほどのお金がなくなっているんですよ。たぶん、夫は狙っていたのでしょうね。ほかにも現金はちょこっと置いてあり、これをエサにおびき寄せたいと思います。おそらく夫にはもともと彼女がいて、その人の家に転がり込んでいると踏んでいます。夫を幸せにさせるわけにはいかない。何らかの復讐を考えているのですが、そのためにも証拠が必要だと思い、山村さんに調査をお願いしたいのです」

文化的で意識高く見せる夫は、数々の資格取得試験を放棄。転職を繰り返しているも、人懐っこさと容姿の良さで世渡りをする。

盗んだお金を握りしめ、向かった先で待っていたのは、量産型美女。2人が向かった場所とは?……〜その2〜に続きます。