10月は「乳がん」の早期発見と早期治療を啓発・促進する取り組みを行なう「ピンクリボン月間」です。「ドコモ・ヘルスケア」では、乳がんに罹患した女性160人を対象に、アンケートを実施し、早期発見のために必要なことなどを調査しています。

早期発見者の半数以上は、2年に1度は健診を受けている

もはや、若い世代でも他人事ではない乳がんのリスク。早期発見のためにはセルフチェックや定期的な検診が重要なことは良く知られていますが、実際に罹患した方たちはどのような方法で乳がんが発覚したのでしょうか?

マンモグラフィだけではなく、視触診も超音波検査を併せて受けることで発見率は数倍上がります。

一番多いのは「セルフチェック」(40%)。僅差で「マンモグラフィ検査」(37%)となっており、この2つの方法の有効性が分かります。乳がんは「自分で発見できる唯一のがん」といわれていますが、その方法が毎月1回、自分で触診するセルフチェックです。乳房の張りが少ない月経後がセルフチェックに最適とされているので、「生理が終わったらセルフチェック」と決めるのもいいかもしれません。

マンモグラフィーは視触診と併せて最低2年に1度、できれば1年に1度受けるといいそうです。

また同調査では乳がんに罹患しても、ステージ0やステージ1の早期発見だった人を対象に「乳がん検診の受診頻度」も尋ねています。その結果、一番多かったのは「年1回」(37%)で、次は「何もしていなかった」(24%)。3番目以降は「2年に1回」(16%)、「数年に1回」(13%)、「セルフチェックのみ」(7%)、「年に2回以上」(3%)という結果です。「年1回」と「2年に1回」「年に2回以上」を合わせると56%となり、早期発見した人の半数以上が、2年に1度の検診を受けているといえます。

乳がん罹患中でも、約8割は何らかの仕事に就いている

「乳がん」は進行具合によっては、命にかかわる病気です。もちろん完治を目指すことが第一ですが、それと同時に治療などの影響で「仕事が続けられるか?」といった、普通の生活を送ることへの不安もあるのではないでしょうか?

同調査では、何らかの仕事をしていた人を対象に「乳がん発覚後の就労状況」についての質問をしており、その結果がこちらです。

休職せずに仕事を続けた人が半数以上。がん治療と仕事は両立できるケースが多いようです。

「やめた」人は14%。一番多いのは「休職せず仕事を続けた」人が46%と半数近くにのぼっています。さらに「休職後復職した」や「仕事をやめた後に再就職した」人を合わせると、全体の79%が罹患中の現在も何らかの仕事に就いているのです。もちろん仕事ができるかどうかは、がんの進行具合や治療方法にもよりますが、たとえ乳がんにかかっても仕事を手放していない人が大半という事実は、ポジティブな結果だと思います。

とはいえ治療と仕事を両立するためには、家族や仕事先など周囲の理解があってこそのケースも多いでしょう。同調査では「治療と仕事の両立に関して、誰かに相談しましたか?」と罹患者に尋ねたところ、以下のような結果となりました。

治療と仕事の両立に関して、誰かに相談しましたか?

1位 会社の上司・同僚……36%

2位 主治医……30%

3位 家族……28%

4位 誰にも相談していない……18%

5位 友人・知人……12%

6位 看護師など主治医以外の医療者……9%

7位 同じ病気の体験者……8%

8位 人事・労務担当者……6%

9位 患者会・支援団体……4%

10位 がん相談支援センター……2%

11位 インターネットのコミュニティ・掲示板……1%

 気になるのは「会社の上司・同僚」「主治医」「家族」ときて、4位に「誰にも相談していない」が入っていること。割合は「友人・知人」より多く、1人で考えて結論を出す人が決して少なくないことが分かります。簡単に第三者が「誰かに相談したほうがいい」と言えることではないですが、1人で抱え込んで苦しむことがないようにと、願ってやみません。

【調査概要】
・調査主体 : ドコモ・ヘルスケア
・調査期間 : 2017年8月21日(月)〜9月4日(月)
・分析対象 : 「イルイル®」利用者および乳がん患者会・ピンクリボン団体などの会員のうち、乳がんを罹患された女性
・協力団体 : 特定非営利活動法人ピンクリボン大阪、ガーゼ帽子を縫う会、特定非営利活動法人乳がん患者友の会きらら、山梨まんまくらぶ
・有効回答数 : 160人