1000本もの桜と5万平方メートルにも及ぶ菜の花畑が広がる埼玉きっての花の名所、権現堂桜堤/(C)MITSUSHI OKADA/orion/amanaimages

写真拡大

日光街道の宿場町として栄え、いまも街道沿いに古い商家や民家が残る埼玉の幸手。そこにある花の名所の権現堂桜堤は、古くは江戸を水害から守る堤防、権現堂堤としての歴史がある。江戸時代から昭和初期まで、様々な時代を巡るようなレトロな街並みを、絶景とともに楽しむ日帰り旅のおすすめスポットを紹介しよう。

【写真を見る】堤には2列3列と桜が連なる場所も。約1kmの花のトンネル!/(C)SHOGORO/SEBUN PHOTO/amanaimages

■ 桜のピンク、菜の花の黄色、空の青色が織り成す絶景「権現堂桜堤」

権現堂公園の南にある堤に、1000本もの桜と5万平方メートルにも及ぶ菜の花畑が広がる埼玉きっての花の名所。これだけのスケールの桜と菜の花が一緒に見られる場所はなかなかない。大正時代から桜名所としてにぎわい、戦後に植え直されたソメイヨシノは樹齢50年から65年の立派な木々だ。広大なスケールの菜の花畑は、NPO法人幸手権現堂桜堤保存会によって桜と同時期に咲くよう毎年作付けされている。花畑越しに見る桜は、まるで黄金色の海に注ぐピンクのナイアガラのようだ。

堤には2列3列と桜が連なる場所もあり、約1kmの花のトンネルが続く。見ごろ時期の4月上旬には「幸手桜まつり」が開催され、桜にちなんだ物産店などが出店。また日没から22:00までのライトアップは、日中とは違う景色が楽しめる。

【Best timing】4月上旬(朝) 【絶景までの最短アクセス】東京から電車&バスで約100分 【Advice】桜まつり期間の10:00〜16:00ごろと夜桜観賞の時間帯は道路が大渋滞。周辺の駐車場も満車になるので電車+徒歩(駅より30分)で行くのがオススメ

■ ここには立ち寄りたい!

■ 歴史的建造物が並ぶ日光街道を散策する

レトロな雰囲気を醸し出す酒屋、永文商店。築94年の外壁には、幸手宿をイメージした壁画がデザインされている。

また店の奥の倉庫から店先まで続く約50mのレールを、大正時代につくられた荷運び用の手押しトロッコが現役で活躍する「横丁鉄道」が名物。看板娘の青木敦子さんがいる午後は、トロッコを押すなど体験もできる。

江戸時代末期の旧家を再生したカフェ「上庄かふぇ」。当時の柱などが残る土間や蔵で味わえるのは、意外にも生パスタやピッツァなどのイタリアン。春は桜のラテやデザートが登場する。

徳川家の将軍が日光社参の際に休憩した寺、聖福寺。平日は事前連絡すると本堂の見学や住職の歴史解説もある。

■ 好きな人には宝の山。昭和レトロな不思議ワールド

昭和30年から40年代の家具や家電、雑貨に加え、店の主人が斬新な発想でリメイクしたアイテムがそろう「LIEBE」。カフェや物作りが好きな女性など、掘り出し物を探しに遠方から訪れる人も多い。

店内には昭和ムードが漂う時計やレトロな食器、ラジオなどの雑貨アイテムから、リメイクしたアイデアアイテムまで、店内にずらりと並ぶ。

■ アンティークを配した空間とパンの焼ける香りに和む

天然酵母とイースト、タイプの違うパンを姉妹それぞれが作る人気ユニットの店「cimai」。素材の味わい、丁寧な手作りのぬくもりが伝わるパンはしみじみおいしい。

■ 桜なローカルフードをお土産に買う

1840(天保11)年創業の老舗酒蔵「石井酒造」から桜の時季限定の桃色にごり酒「権現桜」が発売開始。市内の酒店でも購入できる。

「和菓子の早稲田屋」の桜葉の香りがさわやかなあんを包んだ「さくら饅頭」は10年以上のロングセラー。「さくら羊羹」も販売している。【東京ウォーカー編集部】

(C)MITSUSHI OKADA/orion/amanaimages (C)SHOGORO/SEBUN PHOTO/amanaimages