2月22日はにゃんにゃんにゃんで「ねこの日」なんだそうです。

猫好きにとっては、猫の日だからと改めて考えずとも、猫は至上最強にかわいいものです。

そう思う人は全世界にたくさんいて、Facebookのタイムラインには何十万いいね! がつき、何百万回も再生された猫動画が次々と流れてきます。そして、自分は悶絶しながらそれを延々と眺め続ける。いくら時間があっても足りません。かわいすぎて出家したい、かわいすぎて仕事にならない、かわいすぎて……。涙さえ出てきます。猫がかわいすぎるばっかりに、このままじゃ引きこもりになってしまう……。人生が台無しです。

そう、猫のかわいさは破壊的です。にも関わらず、「猫を飼いたい」と言う働く独身アラサーは後を絶ちません。
飼ったことがない人はもちろん、実家などで過去に猫を飼っていて、その驚異的なかわいさをすでに知っている人も、です。身を亡ぼすとわかっていても、止められないその気持ち。それが猫の魅力、いや魔力なのだと言えましょう。

と熱く思っていたら、女のもやもやセラピーの担当女史に「そんな大げさなことじゃなく、ただ、侘しくて寂しいひとり暮らしの心の穴を埋めたいからなだけじゃないか」と言われました。

なんということでしょう。毎日散歩をさせなくていい分、犬よりお世話がラクそうといった程度の気持ちで猫を飼ったりなんかしたら、大変なことになるのは目に見えています。

現実的な面で、まずお金がかかります。
お徳用カリカリのペットフードでも、けっこうなお値段がします。そして、しっとりした缶詰フードを食べさせたときの我が猫の顔を見たら、もう、カリカリよりも断然、ずっとこっちを食べさせてあげたい! と思うのが人情です。しかし、これ、普通に高いです。

そして、生き物なので、病気になったりケガをしたりします。民間のペット保険はありますが、当然のことながら健康保険は適用外です。自分は、動物病院に通院するだけのために、ゲージが乗る荷台つきの自転車も買いました。もちろん、その間の仕事のスケジュールはメタメタ。収入にも影響します。これはフリーランスに限ったことではなく、「猫の世話のために、すべての有給休暇を消化してしまった」という会社員アラサーも実在するのです。

気軽に旅行にも行けません。以前、海外出張のときに、ペットホテルを利用しようとしたことがあります。でも、ゲージに入れられたほかの子たちの顔を見たら悲しくなってきて、うちの子にはちょっと無理かも……と留守宅対応のペットシッターを頼みました。これがまぁ、なんとそのときの海外出張のギャラと相殺されるほどのお値段。キビシー!

このように、脱貧困を目指し、節約節約! と生きている状態のときにペットを飼うというのは、かなりデンジャラスな行為といえましょう。猫さまを貧困の道づれにしてはいけません。

それに、ひとり暮らしの自由度もかなり制限されます。猫は余裕資金があって、はじめて飼うかどうかを考えるべきものなのです。そして、一生を捧げる覚悟がないとダメです。

男性は猫を飼っている女性を敬遠する!?

侘しさと寂しさを埋めるという身勝手な思いのためだけならば、猫カフェがあるじゃないですか。引っ越しの際も、ペット可の賃貸物件を探すよりも、近所に猫カフェがある物件を探したほうが、猫にとってもその人にとってもよっぽど有益です。

どうしても癒してくれるものと一緒に暮らしたいのなら、ロボットはどうでしょう。AIBOは生産中止になってしまったけれど、昨日の 『マツコの知らない世界』(TBS系)で、「うまれて!ウーモ」というタマゴから孵化させられるペット玩具が紹介されていました。鳴いたり手をパタパタさせたり、動いたりするんです。わりと癒してくれそうでしたよ。ちなみに自分は、番組を見ながらネット検索して購入ボタンをポチっとしておきました。

そして、結婚を視野に入れた人生を考えている独身アラサーさんの場合、意外と、猫が苦手という男性が多いのも覚えておいたほうがいいと思います。

毛が飛ぶ、毛が付く、鳴き声がうるさい、獣臭いなど、理由はイロイロあるようですが、小さなモフモフした生き物という物体そのものを「なんだか奇妙で関わりたくない」という男性も少なくありません。好印象、好感触の相手だったとしても、あなたが猫を飼っていると知った時点で、心のシャッターを下ろされる場合もあるのです。一瞬煌めきを見せたその方との未来は、ふぅっと立ち消えてしまいます。

プロポーズされたときに、「あなたのことは好きだけれど、飼っている猫とは暮らせない」と言われて、泣く泣く愛猫を実家に預けたというアラサーがいます。その彼女は、長い間ずっと彼のその言葉(というか、猫をひっくるめた自分をまるごと好きではないという事実)が心に引っかかっていました。そして18年後に離婚しました。彼女曰く「あれが直接の原因ではないけれど、要因のひとつではあった」と思い返しています。

婚活中の独身アラサーが猫を飼うならば、結婚相手の第一条件を猫好きの男性にするくらいじゃないとまずいのです。
さらに言うと、どうも「猫を飼っている女性は粘着質っぽくてコワイ」とする考えが一部の男性に浸透しているらしい。
粘着質かどうかにおいて否定はしませんが、猫を飼っているというだけで、そのように他人から思われるのは心外です。でも、猫と一緒に暮らせるならば、そんな誹りにも甘んじましょう、という気概がなければいけないのです。

自分はペットロスから立ち直れないということもありますが、猫に人生を持っていかれるのは今はまだ早い、と思って飼うことを歯を食いしばって我慢しています。

そんなときに無理やり思い出すのは、仕事でヘトヘトになって帰ってきて家のドアを開けたら、分解された獲物がまき散らされた部屋の中で、血まみれになって取っ組み合っていた2匹の愛猫の姿です。そう、やつらはかわいいだけじゃない。あの子たちは猛獣なんだと。

ネットでは、憤死レベルのかわいい猫動画ばかりが目につくのでうっかり忘れがちですが、それは猫のA面。障子を破ったり、網戸に穴をあけてたり、壁で爪とぎをしたり、ティッシュを散乱させたりするのです。まぁ、それもかわいいのですが、絶対に片付けはしてくれません。飼い主がやります。疲れていても、眠くても、です。

これら全部をひっくるめてがひとり暮らしの猫との生活です。それでも猫を飼いたいか。猫と暮らす覚悟ができてるのか。「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日」だという今日、にゃんにゃんにゃんの2月22日に考えてみるのはいかがでしょうか。

自分は、万が一、次に猫を飼うとしたら、65歳くらい。自分より早く天国に行くのが確実な老猫にしようと思っています。仔猫はダメ。あんなかわいいものを置いて先に逝ったりなんかしたら、成仏できない気がするので。

育てたい願望と、誰かと一緒に暮らしたい願望。独身アラサーの2大欲求を叶えてくれる、神的存在であるのだが。

どうして猫好きのアラサーを男性は敬遠するの? その2では、あずき総研でリサーチした男の本音を紹介します。