昔から映画が大好きなのですが、時期によって、好みがガラッと変わります。

日本の不思議系作品にハマる時期があったり、スペインのホラー映画を片っぱしから観てる時期があったり。おもしろい作品を掘り起こすのが面倒なときは、とりあえずハリウッド映画ばっかり観たり。

王道のハリウッド映画を「普通の映画」とすると、本来は真逆の「変な映画」が大好きな私。「変な映画」というのは、プロットがぶっ飛んでいたり、エンディングがわかりにくかったり、観終わった後に「これはなんの話だったんだろう…」と思っちゃうようなやつ(笑)。

勧善懲悪の桃太郎が「普通の話」なら、カメを助けたのになんの説明もなく孤独なおじいちゃんにされる浦島太郎は「変な話」。普通の話もいいけど、私はとにかく変な話を常々求めているのです。

ハリウッド映画はなにも考えずに観られるので楽しいけど、基本的に以下のような傾向が...

ー膺邑に共感しやすい。

⊆膺邑が問題を抱えていて、中盤から終わりにかけてそれが解決される。

E仂貎擁の感情(と、その移り変わり)が、表情やセリフでハッキリと示されている。

づ仂貎擁に美男美女が多い。髪型やメイクもばっちり。

タ綯紊簍腓離掘璽鵑魯札シーありき。

Ρ撚茲僚わり方が明快でわかりやすい。そして大体ハッピーエンド。

もちろん例外もたくさんあるけど、こういう傾向があるからこそ、安心して観られるというメリットがあって、疲れてるときには助かる。でもそんなハリウッドのパターンに飽きた...というときに超絶おすすめなのが、フランス映画です。

なぜなら、フランス映画には、ハリウッド的な傾向が全然あてはまらないものがゴロゴロあるから! ハリウッド映画が「娯楽」だとしたら、フランス映画は「芸術」とよく言われますが、本当にその通り。

まず主人公に全然共感できないことがよくある。主人公の問題が全く解決されないまま映画が終わっちゃうこともよくある。登場人物が自分の感情をペラペラ喋らないので、なにを考えてるのかよくわからない。リアリティを追求しているので、登場人物が男女ともにモデルのような容姿&体型とは限らないし、有名女優でもすっぴん&髪ぼさぼさなことも。

水着や裸のシーンはありのままを見せる感じで、特にセクシーに見せようとしない。着替えやトイレなど、生活感がある裸のシーンも多い。終わりがオープンエンディング(観てる側が自由に解釈できる結末)だったり、ハッピーエンドじゃないこともしょっちゅう。派手なBGMがあまりないので、静寂多め。

もう最高。

観てると、「そうそう、人生ってこんな感じだよね! ハリウッド映画みたいにそんなうまくいかないよね! みんながみんな美男美女ってわけでもないしね! トイレだっていくよね! 部屋で1人の時は確かに大抵無表情だよね! そりゃお腹に脂肪だってあるよね!」って感じ(笑)。

というわけで、フランス映画を何本かご紹介します。

「De rouille et d'os 君と歩く世界」(2012)

君と歩く世界

日本でも有名なマリオン・コティヤール主演。シャチの調教師ステファニーは、ショーの最中に起きた事故により両足を失って、失意のどん底へ。一方、警備の仕事をしているアリは、お金も教養もなく、父親としても5歳の息子の面倒を見切れていない。そんな2人の出会いと成長を描いていますが、ありきたりな再生ストーリーではなく、セリフの端々にリアルな心理描写を感じる傑作。

「Le Passe ある過去の行方」(2013)

Le passe

カンヌ女優賞をはじめ、様々な賞を獲得した作品。あらすじにするのが無理な、いかにもフランス映画らしい内容。アーマドは、4年前に別れた妻マリーと正式に離婚するために、久しぶりにパリを訪れます。そこで、マリーがすでに新しい恋人と住んでいることや、マリーと長女の関係がこじれていることが判明。そこから話は意外な方向へ向かっていき、若干サスペンス的な要素も。人間関係のドロドロした部分を絶妙に描いています。

「La vie d'Adele アデル、ブルーは熱い色」(2013)

アデル、ブルーは熱い色

個人的に一番好きなフランス映画。主人公のアデルの恋愛と成長を描いたもので、リアルすぎるセックスシーンが大きな話題になりました。「自然な演技ってこういうことか!」と思わせるリアルさで、主演女優は最年少でパルムドールを受賞。アデルの髪ぼさぼさっぷりとか、ごはんの食べ方とか、泣いたら鼻水出ちゃうとことか、全部が最高。喧嘩のシーンは圧巻。もうみんなに見て欲しい映画。

「Mon Roi モンロワ(原題)」(2015)

主人公のトニーが、レストランを経営するジョルジオと出会い、観てるこっちがめちゃくちゃ胸キュンになる感じで恋愛が進み、すぐに結婚。そこからフランス映画らしく夫婦関係が破綻していく感じがなんとも言えない。喜怒哀楽の嵐。観てるだけで胸が痛い!けど観ちゃう。

「La Belle Saison 美しいとき」(2015)

la belle saison

70年代のウーマンリブの時代が背景。地方からパリの大学にやってきたデルフィーヌが、フェミニズムの活動家キャロルと出会い、恋に落ちる話。単なるラブストーリーというよりも、当時の社会的状況(女性の権利や同性愛の捉えられ方)や地方の事情など、時代背景が垣間見えてすごくおもしろい。主演女優2人の演技も素晴らしくて、かなり引き込まれます。

「Evolution」(2015)

最近観たホラー映画。少年と女性しかいない海辺の村で、母親と質素な暮らしをしている少年ニコラ。自分や周りの少年たちが謎の医療行為を施されていることに疑問を持ったニコラは、ある晩、夜中に外出していく母親のあとをつけていきます。ホラーとはいえ、静かで芸術的なうえ、最初っから最後まで説明ゼロ。絶叫系の真逆で、じっくりした怖さです。

フランス映画、ぜひトライしてみて。

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